◆ふえ・のおと◆フルーティストYoriko KASAI 葛西賀子 officialblog

~ヨーロッパ仕込みの音楽作り、研究を重ねたフルート基礎奏法・・最近は太極拳を通して体幹づくり研究も進んでいます!!

◆調性感で音楽に魂を

2010-05-17 10:03:18 | 【つぶやき】
今、N響アワーで作曲家の西村朗さんが面白いことをおっしゃっていました。

「変ホ長調は『英雄』の遺伝子を宿す」


ベートーヴェンのピアノ協奏曲5番「皇帝」
そして同じく、
ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」

どちらも変ホ長調・・・  確かに!!


もうひとつ。
変ホ長調の平行調(変ホ長調と同じ、♭3つをもつ短調)、ハ短調。

短調といえば、音楽が哀しかったり、嘆きだったり、慟哭だったり・・ですが、
これを西村朗さんは、「英雄」の裏面(!?)の『悲劇的要素』をもつ調、といっていました。

例えば、ベートーヴェンは交響曲「運命」(あの、”ジャジャジャジャーン!”)では
この英雄の悲劇的要素、ハ短調を使っている・・。
そういえば、彼のかの有名なピアノソナタ「悲愴」もハ短調・・!


また、ドイツの流れをくみ、ベートーヴェンの後に続く作曲家たち、シューマンや
R.シュトラウスなども、このような「英雄」や「皇帝」の要素が匂う曲は、
変ホ長調を使っていることが多いとのこと。

そう考えると・・他にも色々とおもしろい!

例えば、
モーツァルトの死の直前の未完のレクイエム、ニ短調。
ベートーヴェンの最後の第9交響曲もニ短調・・・とか、

バッハは、これぞという神がかった大曲(重い曲)に”ロ短調”が多い気がする。
(私の乏しい知識の中ですが・・^^;)
フルートの数あるソナタの中でもっとも長大・巨大な宇宙的なソナタBWV1030が、ロ短調。
そして彼の大曲、「ミサ」もロ短調・・・


こう考えると、こういうことはいよいよ完全に偶然・・?とはいえない気がします。

作曲家には、この、○長調や●短調に、それぞれの印象や思い入れがきっと絶対あって・・
だから、その作品たちの中に、色々と共通点が出てくるに違いない。



ハ長調やイ短調・・などといった「調性」には、それぞれに異なるキャラクターがあります。

♯は増えれば増えるほど、その輝きは増す。上に上に響いていくような・・
♭が増えれば増えるほど、低く、しかしあたたかいような、艶っぽい響きを増すようで・

これは私の感覚の一端です、あくまで・・。その印象は人それぞれだと思います。


しかしここで大事なのは、
いずれにせよ、音楽においてそれらを何らか「感じる」ということ。
演奏する者はなおさらです。

フルートは、単旋律で和音を自分で鳴らせない、、そういう意味では悲しい楽器
パート譜だけ練習してしまっていては、これを感じることはとっても難しいです・・

でも、だからこそ、ピアノの楽譜(総譜)や、一緒にアンサンブルするほかの声部も
きちんと勉強しなければいけない。


まず、楽譜五線についている♯や♭から、その曲が何調なのか把握し、
その曲のキャラクターをきちんと(自分なりに)イメージして、そこから、

曲中に”臨時記号”として突然出てくる#や♭から、
あ、ここなんか哀しい響きだから短調に転調したな、とか、
明るい感じ・・長調に転調したな、とか、すごい不協和音!とか・・

これらを、”なんとなく聞こえている”だけじゃなくて、
それを意識できたときに初めて、演奏者自身も、聴く側にも
心を揺さぶられるような音楽(演奏)になるんじゃないかな・・

なんて、強く思います。


しかしそれにしても、単旋律楽器というのは本当に不利ですね

「音楽の流れを制すのは、(メロディではなく)ハーモニー(和声感)」

と、数多の音楽の巨匠が口々に言っているのに・・
メロディだけでは中々そのハーモニーが算出できない
かといってじゃぁピアノ・・ ってそんな弾けるなら、ピアニストになれますとも

レッスン時にも、その音楽の、ハーモニーからくる音楽の楽しさをなるべく
味わっていただけるように・・と、なるべくピアノ伴奏も頑張る・・のですが・・・

え?かえって、ジャマ?

ああぁ~だから音大の試験には必ず(どの専門楽器でも)ピアノは必須なのね、、
こういうことなのね、、
学生時代にもっとまじめにやっておくんでした
いや十分フルートよりも練習時間が長かったくらいピアノ練習
必死でいっぱいいっぱいだったんですけどね・・  うーむ


おまけ:ハーモニーについて、
こちらでさらに掘り下げて語っておりますのであわせてご覧くださ~い
    ⇒◆音楽が平坦にならないために~和声の極意~

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ヨーロッパからお客さま!

2010-05-05 20:20:28 | 【つぶやき】
あっという間に5月・・・
今回はブログ更新までなんと一ヶ月の月日がたってしまったなんて!

3月までのコンサートラッシュも一つの落ち着きをみせ、
なので少し落ち着いて、自分の演奏・音楽を改めて丁寧に見つめなおす修行をしながら、
レッスンに力を・・と新年度を向かえ、そんな中で奏法ブログも進む・・予定・・でした


しかし。

そんなときこそ来ちゃうのが、ビックリニュース


突然、チェコから便り。私の唯一無二の日本人フルートパートナー チェコ紀子ちゃん。
「6月に日本に行くよ~!」

突然、ドイツから便り。私の唯一無二のドイツフルートパートナー ザンドラ。
「Yoriko, ich komme im Sommer nach Japan!」(←夏に日本に行くよ!)



!(@@;)

大好きで尊敬している音楽仲間が夏に順次、日本に来る!
これはいくら修行期間とはいえ・・コンサートしなければ・・いや、したいっ


・・ということで、突然彗星のごとく現れた!?嬉しいビッグニュースに
コンサートを企画するため、ひたすら奔走したこの一ヶ月だったのでした・・。


しかし、なんとか二つともコンサート開催にこぎつけられ


6月(21日)はチェコちゃんとめぐろパーシモンで「バッハ一家とドップラー兄弟





7月(27日)は、ザンドラさんと三軒茶屋のサロンで「ラテン音楽とヨーロッパ」
(こちらは詳細はまだ未定なので決まり次第おしらせします


6月のチェコちゃんとは、
彼女とはホントに・・例えば100回の言葉の打ち合わせより、1回の合わせで
お互いのやりたいことがほとんどわかっちゃう!?くらい・・ナゼか阿吽の呼吸^^;
なので(ていうかほぼ双子?な感じですほんと・・言動とか・・何から何まで・・)

フルートデュオの王道、ドップラーとバッハをどこまで面白く追求できるか・・
あえてシンプルなプログラムに挑みます!



7月のザンドラは、彼女のパートナーでアルゼンチン人のチャランゴという民族楽器の
プロの奏者さんも来るので
ラテン本場のチャランゴ奏者さんに楽譜アレンジをしてもらい、ラテン音楽に初トライ!
ラテン音楽といえば、クラシックにおいてはピアソラが有名ですね
もちろんピアソラはプログラムにいれたいですし、他にもティコティコなど・・新境地開拓です!


ということでこの夏は、ヨーロッパからのお客さまたちと
フルートデュオ三昧のこの上なくステキな夏になりそうです


ふたつの違う趣きのコンサート、よろしければぜひぜひ聴きにきてやってくださいませ!
(詳細は決まり次第、順次HPに掲載します⇒ 「Yori Flute World」)


今回はコンサートのお知らせだけになってしまい・・すみません!
でもこれでやっと少し落ち着いてきたので・・またブログもがんばります!
よろしくお願いします!


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