goo blog サービス終了のお知らせ 

◆ふえ・のおと◆フルーティストYoriko KASAI 葛西賀子 officialblog

~ヨーロッパ仕込みの音楽作り、研究を重ねたフルート基礎奏法・・最近は太極拳を通して体幹づくり研究も進んでいます!!

◆ 子供を大切にしたい。

2010-09-19 10:02:07 | 雑談
三連休!
初日の昨日は、地元でのお仕事♪

ご縁あって、近くの小学校へ。
「家庭教育学級」として、コンサートを行いました


題して、”作曲家の歴史を辿ろう!コンサート”

あくまで、単なるコンサートではなく、子供たちに音楽の勉強、
クラシック音楽がより身近になりますように・・との願いで
実現した今回のコンサート、

綿密(?)に計画をして、当日の会場には、
学校時代によく音楽室に貼ってあったように、

バッハ ~ モーツァルト ~ ベートーヴェン ~ シューベルト

彼らの肖像画を、大きくのばして舞台上に貼っていただき、

バッハが「音楽の父」とよばれる本当の意味からスタートし、
その後、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルト・・
作曲技法が脈々と先代作曲家からつながり、発展を遂げている

これらの音楽歴史の繋がりを、お話を交えながら演奏していきました


会場は、子供たちとそのご両親で満杯!半分くらいが子供たちで、
これは私にとっては初めてのこと!?で圧巻でしたが、

「こんにちは~」と挨拶すると、
「こんにちは~!」と大きな声で返してくれる

作曲家の肖像画を指さしながら、「これは、誰かな~!?」と聞くと、
ハイ、ハイ!と率先して挙手し、大きな声で嬉しそうに、
「シューベルト!」など答えてくれる♪


子供たちは、まっすぐな興味で、目を大きく開いて、身を乗り出して
こちらの演奏を見てくる。

その純粋無垢に聞き入る姿を見ていると、いつもとふと少し違う感覚?で
おのずと演奏する自分に力が湧いてくる・・



小学生の中でも、低学年が多いです、とあらかじめうかがっていたので、

選曲も、なるべく長くなく、それでいて
その作曲家の特徴がよくあらわれている曲を、ね!

バッハは、管弦楽組曲ロ短調の中の、「ポロネーズ」「バディネリ」、
モーツァルトはピアノ曲の「きらきら星変奏曲」のフルート版を使って。
ベートーヴェンは子供たちがとても好きな、「エリーゼのために」をピアノソロで。
シューベルトはもちろん歌曲!今回は、学校教材にもなっている「ます」など。


私たちが普段取り組むクラシック音楽には、
ほとんど歌詞がないのが通常ですが、歌だけは、歌詞がついている。

けれどこれは本当は・・本当に、クラシック音楽の源。
大事なことだと思うんですね。


ドイツ時代に、先生から

「音楽の基本は ”Lied(歌曲)”だ。

まず、たくさんの歌曲をフルートで吹いて、歌詞の意味を勉強し、
考えながら、音楽にそれを表し奏す勉強をしなさい」と言われました。

悲しい歌詞には短調だったり、恋心には優しいフレーズ、
楽しい歌詞には長調や軽快なリズム、・・

歌詞のついているフレーズから、そのフレーズの「色」を勉強し
たくさん経験を重ねていくことで、

歌詞のない楽曲にも、おのずと自分のイメージ力がついてくる。

(・・だから自分の音楽力を育てるには、必ずしもクラシックでなくとも、
ポップスでも全然OKだと思うのですよ!
いい歌詞の音楽はたくさんありますから


・・ということで、
なるべく歌詞があり、お話性があって親しみやすい音楽を今回は選び、

たとえば「きらきら星」。
本当はフランス民謡で、歌詞は全然違います。

「お母さん、聞いてください(申しましょう)。
お父さんがボクに、えらい立派な人になるんだよ、というけれど、
ボクはまだアメ玉の方が好きなんだ。・・」

というような歌詞。

その歌詞のテーマを、モーツァルトが12の変奏曲にしたことで、
ぴょんぴょん跳ねたり、くるくる回ったり、あるいは泣いたり、走ったり・・
いろいろな子供の表情をまるで表しているような変奏!?

シューベルトの「ます」にしても、
ピアノの連符が、まるで魚がするするっと泳いでいるような音形。

この「ます」の途中までの歌詞を説明して、

さぁ、お魚さんは最後、
無事逃げ切れたでしょうか?つかまってしまったでしょうか!?
演奏をよ~く聴いて、想像して考えてみてネ
演奏が終わったら答え聞くからね~!?とか、

ベートーヴェンの「エリーゼのために」では、
歌詞はないけど、今度は聴きながら想像力を働かせて。

エリーゼさんを想ってこの曲をつくったベートーヴェン、
さぁ、全体的に悲しげなこの曲。
でも、途中でエリーゼとの想いを嬉しくなったり、ぐっと苦しくなったり・・!?
想像して聴いてみてください!


・・こんなゲーム感覚で楽しむような!?コンサートでしたが、

その小学校は、子供たちも親御さんたちも、本当にとっても良くて・・
私たちも本当にいっぱい元気をもらって、帰路についたのでした


私実は、今自分がフルートをやっている原点って、

小学校の芸術鑑賞会で、初めて、本物のフルート演奏を聴いたことでした。
(あのときは、アルルの女のメヌエットでした、)

すごく強烈に今でもあの体育館でのフルート演奏を覚えているんです。


そんな風に、昨日のコンサートが、
子供たちの心に少しでも、響いてくれたらいいな。

クラシック音楽って、決してとっつきにくいとか、堅苦しいものでなく、

数百年前に生きた偉大な作曲家だって、もちろん人間で、

彼らが作曲したクラシック音楽というものは、
私たちも日々いつも思うような感情などと・・本当はとても身近なものなんだよ、と

少しでも音楽に親しみを感じてくれたらいいな、と願うのでした

小学校の聴きに来てくださった皆さん、
そして企画運営をしてくださった関係者の方々、
本当にありがとうございました!!
人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
↑クリック応援、いつもありがとうございます

◆レングリ氏講習会レポ〓

2010-08-19 19:17:29 | 雑談
やってきました!(*^o^)/草津国際音楽祭♪

(携帯から初投稿です、うまくいくでしょうか…)

この音楽祭は、日本が誇る名湯、草津温泉に、
毎夏恒例で世界的に著名な演奏家が一同に集まり、
(しかもほとんど各楽器に)
2週間毎日その演奏家たちによる講習会とコンサートという…

なんとも贅沢な空間です!


私は過去8年近くに渡り、この音楽祭のスタッフとしても
働かせていただいたので、本当に夏にこの音楽祭にくると、
タダイマ!という気分になります。

世界の演奏家と間近にいられるこの2週間、

思えば…学生時代のこの強烈(?)でかけがえのない経験が、
私の興味をドイツへと向け、そして実際ドイツに行き、
今の演奏家としての自分が在るのかもしれません。

そんな、大切な場所です!


今年は特に、フルートの講師がフェリックス・レングリさんと聞いて、
これはとにかく何としてもいかねば~!と
一週間の強引なお休みをとり(^o^;)、
はるばるやってきたわけであります。



さて、昨日・今日で講習も二日目を終えたところですが、
この二日でもすでに、フルート演奏に取り組むにあたり、
何が大切であるかをしっかりと再確認できました。


受講生の皆さん、まずはとてもレベルが高いです!

音は美しいし、指はまわる。

けどいつも受講生の演奏後に、レングリさん問います…


「その曲にどんなキャラクター、思い、イメージがあるか?」


それは具体的に管楽器においては、
「歌」と「息運び」!

まさにまさに、私が偶然前回のブログで書いた内容で、
本当に嬉しくなってしまいました(^^)d


総合的に、彼(レングリさん)が毎受講生に言わんとしていること、

そして、そこが今日のフルート勉強者に残念ながら、
一番勉強にとる時間が欠けているのではないかということ…


こうもおっしゃっていました。

単純に、今の若いフルート勉強者は難曲ばかり取り組んでいる。

こんにちのコンクールが…課題曲が、そういう原因の危険な種を
つくってしまってもいて、これも非常に危険なことだ…
と言葉を濁しておられましたが、、

自分の身の丈に合わないような難曲をやろうとすることは、
当然指周り等にばかり練習時間がいってしまい、
その曲の音楽感まで辿り着ける余裕がなくなってしまう。

「フルートを吹く」こと=指がまわる、音が美しく鳴る、など、
フルート技術に関することのみに興味と時間がいってしまうと、
やっと曲が出来上がったとて、その演奏は
非常に平坦に、無味乾燥に(いくら音がきれいでも)聞こえます。

本当に人の心を打つ演奏、
世界の名演奏家が、演奏において最も大切にしていること、
それは、「音楽」。


近現代の、難しい曲が例え指が回って吹けても、
なぜかモーツァルトのアンダンテや、ベートーヴェンのソナタ、バッハなどは
何かが難しく、指は簡単なはずなのに、どう歌っていいか…
何か、何かがしっくり来ない。
体の動きも、音楽に反していて、何かヘン。
いくら吹いても納得がいかない…

そんな時は、これらの時代の音楽には、
フレーズのかたまり(楽節)や和声感、イントネーション、倚音などの
理解・自覚が抜けている時です。

音楽とは、楽節感やそれに伴うフレーズの流れ、
♭や♯・長調や短調などの調性、
トニカやドミナントに始まる曲を彩る数多くのハーモニー、
はたまた違った角度から、その音楽の国籍や歴史、
はたまた自分の人生ともリンクさせた想像力…

こんなことたちが、音楽の緊張や弛緩の源であり、
このまさに、緊張と弛緩の連続こそが、
聴く人の心を捕らえて離さないカギなのです。

世界の巨匠とて、最初からこれらができた訳ではありません。

でも、演奏者はまさに、これらに時間を
一番大切にかけなければいけないのではないでしょうか。


もちろん、安定したテクニックは不可欠です。

けど、取り組む曲が難しすぎて、テクニック関連で練習の集中力が
終わってしまうのは、非常に残念なことだ…と
レングリさんは述べておりました。


テクニックの練習は、曲の中ですべきではない、

その前にしっかりと、モイーズやタファネル&ゴーベールなどのテクニック教本
(しかしこれらも、ただ指を速くする目的のみで用いるのではない、
いつも「適切」なklang~響きを伴うよう細心の注意を払い…
いえ、払えるくらい無理のないテンポで)

それから、たくさんのエチュード!<練習曲>

テクニック面はとにかくこれらをたくさん用いて別に養いなさい、

そして曲に対峙するときは、いつも"ziel"フレーズにおける目標や、
緊張と緩和…これら音楽のことを考えながら取り組みなさい。

これが、私を含め今日のフルート練習者に
一番大切なことと理解しました。


本当は後は、その延長戦上に、
では私達フルーティスト、そして管楽器奏者は
それに息運びをどうするかが不可欠要素だ
という話にもかなりのこと、また具体的な練習方法をおっしゃっていましたが、
とても書ききれないので…(^o^;)

また次回に!(^-^)/

(今日一日でノート3枚書くくらい、彼の名言は隅から隅まで盛りだくさんです…!)


♪クラシックブログランキングのサイトです♪

人気ブログランキングへ にほんブログ村 クラシックブログ フルートへ
↑クリック応援、いつもありがとうございます


◆バロック宮廷音楽にトリップ@大倉山記念館

2010-02-15 16:38:02 | 雑談
先週木曜の祝日、バロック宮廷音楽のコンサートが終了しました!


直前までお声がけを頑張ってくださったアンサンブル部員皆々様のおかげもあり、
当日は悪天候・厳しい寒さにも関わらず、たくさんの方にお越しいただき
おかげさまで席は満席御礼となりましたー!ありがとうございます!


今回のコンサートを多くの方に聴いていただけたことは、
私にとっては実はいつも以上にとても嬉しいことでした!

というのも、今回この大倉山で演奏した曲たちは、私にとって
ドイツで恩師に懇切丁寧にお教えいただいた、大切な思い出の曲ばかり

習い始めは、それまで日本で習ってきたバッハなどの吹き方とはまるで違った、
まるでドイツ語の「しゃべり」そのもののような・・バロックの音符たちに、
本当に要領を得られずやりにくく、、、こちらもかなり苦戦しましたが、

でも思えば、先生の方がきっと数倍大変だったと思います
言葉もよく理解できてないわからずやなアジアの生徒であったワタシに
相当の根気が要ったはずです なのに、
嫌な顔一つせずに、バロックのしゃべりを一から丁寧に教えてくださいました・・(涙)

そして、実はその楽譜もすべて、私が日本に帰国する際に先生が、
ご自身の書き込みがある大切な楽譜をすべてくださったものでした。

だからどうしても、この楽譜たちを使用したこのプログラムは、
日本に持ち帰っていつかは実現したい!とずっとあたためていた企画だったのです。

なかなかこれまではホールやコンセプトの関係上演奏機会がなかったのですが、
今回こうして、大倉山記念館というすばらしい雰囲気の会場と、
そしてすばらしい仲間にめぐり合えたからこそ、成し遂げられた会だったと思います。

お聴きくださったお客さまには、本当に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました!

◆◇◆

さてコンサートは、
大倉山記念館という素敵なクラシックの雰囲気を醸し出す歴史的建造物の力を借り、
当日は出演者全員フォーマルな衣装を着

(↓プログラム最後、C.P.E.バッハの名曲「フルート協奏曲ニ短調」
オーケストラパートをフルートアンサンブルにアレンジし、全員で演奏をしてみました☆)



さながら、フリードリヒ大王の宮廷・・下記の絵のようなイメージで!?
バロック音楽の世界を再現してみました。
(もちろん楽器は現代のものですが・・



「バロック」って敷居が高い!?(><)というお言葉も時々聞きますが、

バロック音楽にも、荘厳な神との対話のような教会音楽もあれば(主にJ.S.バッハの傾倒した)、
こういう皆で気楽に興じるような宮廷音楽もあって・・
(さらにいえば、その同一作曲家の人生の中でも、宮廷に仕えていた時期と教会に所属
していた時期などもあり、それらは作風が異なり、それがまたおもしろいのですが)

こういった時代背景を知りイメージを高めると、身近に感じ、演奏も面白くなるものです!



私個人としては、もう私がドイツ帰国直後からずっと仲良くさせていただいて、
一緒に音楽を楽しんでいるアンサンブルメンバーさんたちと、
気のあう仲間同士大勢で今回こうしたコラボレーションができたことで、
なんとなく上の絵のような!?皆で「音楽を興じ楽しむ」・・その醍醐味、

そして音楽が人生の充足感にいかに必要か、・・その音楽の持つ力のすばらしさ、
こういったとても大切なことを本当の意味で実感できたように思います

この今回の、音楽、そしてフルートを心から楽しく思った気持ちを忘れず大切に、
これからもどんどん色々な音楽の世界を探求し続けていこうと思います!




そして最後にアンサンブルの皆様♪皆さんと出会えたことは私にとって本当に人生の宝です!



♪クラシックブログランキングのサイトです♪
人気ブログランキングへ 応援よろしくお願いします!

◆ 本番の緊張には

2010-01-30 00:13:39 | 雑談
遅れましたが、、
先日日曜日の神奈川県立音楽堂でのコンサートには本当に多くの方に
ご来場いただきました、どうもありがとうございました~!

コンサートの24日って実は誕生日だったのですが、
お客様にもなんとあたたかいたくさんの拍手でお祝いをしていただきまして、
もう、こんな感動は初めてで・・思わずじわっときてしまい、
その後のアンコールがあまりよく口のコントロールができず

誕生日のお声がけをしてくださった語りの田添さま、
そしてあたたかい拍手で誕生日お祝いをしてくださったお客さま、
重ねて心からの感謝を申し上げます!!


↑終演後、語りの田添さん(お着物素敵でした♪)とパートナーのピアニスト玄氏と。

◆◇◆

さて、、今回の舞台は、一年以上前から計画が決まっていた、演奏だけでない
大きい企画もの。ホールも、私にとっては初めての1000席規模でした。

本番前は、自分に暗示をかけないよう(笑)あまり口に出して言わないように
心がけていたのですが、私はもともと昔から本番には強くない心臓です

ですので今回は、かつて経験のない大ホールに、映像などともコラボもあり、
実はピアノの演奏もしなければならなかったので(←これが一番・・
当然のことながら多分今までで一番、コンサート前はキンチョウをしておりました

・・が、実は。いざ本番になってみると、今回が一番変な緊張に一度も見舞われずに、
或る意味とてもいい緊張感で、ものすごい集中した演奏をすることができたのです!

これは我ながら非常に驚いています。(笑)
なので今後の自分のため、と何らか皆様の参考になれば・・と、
これを自分なりにちょっと分析してみますと・・


一つは、体をつくったことでした。

大きいホールに、フタをあけたフルコンのピアノ自分の銀の笛の音量がどこまで通るか、
そして体力も最後まで耐えうるだけ持っているか・・など不安要素もあったので、
今回はその心配を見越して、呼吸筋を鍛える某器具(笑)で自分の胸郭周りを鍛えたり、
ジムにいったり・・考えたあらゆる対策で体・体力づくりを試みました。

そのおかげで、今回は呼吸に使う筋肉はもちろんのこと、
あと何となく体全体、足元から頭のてっぺんまで立位の安定感も非常に増し、
息をたくさん吸ってもたくさん吐いても、体内部が変に緊張することもなく・・

この安定が、演奏における安心感に繋がったのだと思います。

いつも、本番になると自分の場合、
「本番は息が浅くなるから深くたくさん吸わなきゃ」とつい考えて、
しかしかえってこの、胸郭をいつも以上にたくさん拡げ吸ってしまうことが、
無理な吸いすぎは、体のバランスを逆に崩し、
息を使う楽器に一番いけない、のど周り・鎖骨周辺の緊張を促してしまうことも・・

今回、本当にちょうど程良く力の抜けた状態でないと音が飛ばない環境で、
よく学ぶことができました。



それからもう一つは、これが本当に大切なことで、

それは、
楽器という概念を離れ、「音楽自体」にイメージと意思をしっかりと持つことでした。

今回一番練習にあたり時間をかけたのは、技術的な練習でも音作りでもありません。
イメージトレーニングでした。

言い換えれば、技術と音色というのは、その曲のイメージがきちんと構築されてはじめて、
こういう音色で奏でたい、こういう風に音を運びたい、と出、練習が行われるものです。

例えば、モーツァルトのアンダンテ、ハ長調。

まずは調性的な角度から。→このハ長調はどんな表情をもつのだろうか?

ハ長調やへ長調、ト長調など明るい長調、そして悲しげな響きをもつ短調など・・

それに加え、同じ長調でも、♭が増えれば増えるほど音楽は低くあたたかく、
また♯が増えれば増えるほど音楽は明るさを放つ響きをだします。

その音楽のもつ「調性」はとても大切にしたいものです。

ハ長調は白色、とか、調を色に例える方もいらっしゃいますね。

それぞれの作曲家をとってみても、その作曲家の色々な他の作品も勉強してみると、
その作曲家の大切な人生の局面で書いているような曲には、
けっこう調性が同じものが使われていたりもして・・とても興味深いです。

そして、調性とともにもう少し掘り下げて考えたいのが、ハーモニー。

もちろん、和声の知識は演奏において、とてもとても大切です。
しかし、例えばそんな「和声の知識はハードルが高い・・」という方でも、
”なんだかここの響き、不協和音で胸をしめつけられそう”とか、

あとは大体、曲中で”あ~!ここのフレーズいい~!”と私たちが純粋に思うところは、
そこは大抵ハーモニーが、ぐっと心をつかむようないい響きやいい進行をしているのです。

そんな、いつもの演奏中の耳から、もう少しだけ注意深く耳を使ってみると、
(ピアノが大体は担っている)ハーモニーの色々な「味」をより感じることが出来、
演奏の集中力は高まってきます。



それから、
その曲の作曲家の生まれた国、生活した国、その作曲家の人生・時代背景・・
といった知識。

曲と、その作曲家の使っていた言語は相当強くリンクしています。

というか、音楽は、言語そのものです。

ドイツやフランス、ロシアやハンガリー、ポーランド、チェコ・・というように、
まずは言語単位でも大きくわけられますし、

もっと掘り下げれば、例えば同じドイツ語でも、
モーツァルトやシューベルトのいたオーストリア(ウィーン)のドイツ語と、
バッハやブラームスの故郷、ドイツのドイツ語はまた違います。

オーストリアのドイツ語は、何だか英語のようにくるくる軽やかな流れも持っていて、
ドイツのドイツ語はもうすこしはっきりゆったり?と重い流れがあったり・・

それは、彼らの音楽と非常に深く強くリンクしているように思います。

それから彼らの生きていた時代を、その時代の全容までは知れなくとも、
今はたくさんの本やテレビで私たちは調べることもできますから、
そこは逆にたくさんの想像力が働いて、音楽づくりにはとてもよく役立つでしょう。


・・・といった具合に、今回は相当に一曲一曲、いえ、1フレーズ1フレーズ
丹念に、「知識」と「イメージ」をつくり上げたおかげで、
1フレーズも緊張にジャマされる暇などないくらい集中できたおかげと、

それから自分のコンディションを努力の限り調整した上での、
あとはある種の、普段は忌々しい!?自分の「キンチョウ」くんと共存の覚悟(笑)

あとは、当日「うまく出来なかったらどうしよう、失敗したらどうしよう」などと
絶っ対にぜったいに考えない!
ただただ、その音楽と、その作曲家と、会場の聴いてくださるお客さまと交信(?)する。


いうなれば、すべてにおいて納得いくまで丹念に準備をして舞台に臨むこと、とまとめ・・
今後の自分によく言い聞かせたいと思います


次回の舞台は2月11日の祝日!
久々に自分の十八番(オハコ)のドイツバロックに世界を戻し、
歴史深いいい雰囲気の洋館、大倉山記念館で、数人のアンサンブルメンバーとコラボで、
ドイツの宮廷で優雅に繰り広げられていたであろう、バロック音楽を再現しまーす
コンサート情報

これはちょっと優雅なドレスを着なければ!?・・笑


♪クラシックブログランキングのサイトです♪
人気ブログランキングへ 応援よろしくお願いしま~す!


◆健康と美容にいいフルート!?

2009-12-01 23:03:15 | 雑談
12月に入り寒さも本格化してきましたね!

寒さに楽器は冷え、また体もこわばり、、
色々と楽器が鳴りにくい季節となってまいりました。。

自分の練習にもレッスンにも、普段つい・・音の改善に、まずよく見える
楽器の持ち方や肩などのこわばり、口の形等に注意がいってしまうのですが、、
時々ふと思い出す原点(汗)
  (・・いえ、”ふと、つい”ではホントいけないのですけど・・
  他にも気をまわさなければならないことも多すぎて・・


それはやはり、そもそもの「適切な息運び」。

この楽器演奏のための「適切な息運び」には、
横隔膜をうまく使うこと=横隔膜周囲の筋肉を適切に使うこと、ですが、

ふと目先の”見える注意”にかまけてしまっていると、
あれ!?お腹のポンプは果たしてちゃんと機能しているかしら

せっかく姿勢や持ち方、アンブシュアにテコをいれても、
こちら(呼吸)がきちんと機能していなければ、どんなにがんばっても
やはり音はよくなりませんよね。。

と、いうことで・・・私は普段はナマケモノでありますが・・
コンサートが近くなると、急にあせったようにおしりに火がつき、
そんなところを自身で見直し始めます(汗)

すると、、うむむ、どうでしょう・・・・
練習前に、お腹の筋肉をわざと使って、横隔膜を動かすトレーニングしてみても
なんだか~・・・俊敏に動いてくれない筋肉・・

やっぱり人間、齢を重ねると・・筋肉ってすぐ衰えるもので(泣)

そうしてしばらくの間、このだらしない筋肉のユルみと自分の日常にユルみ
喝をいれるべく!?きりっとお腹まわりを引き締め過ごす日常が始まります。


そうやってお腹周りを引き締め始めると、あら不思議。

背筋も自然と伸び、そうすると肩がほどよく後ろに引かれ、胸(鎖骨)が開き、
普段ユルい姿勢だと前に出てしまいみっともない顎も後ろにきりっと引かれ・・

といった感じで、連鎖的に全体的に立ち姿がきれいに整っていくのです。

そして、そうやって姿勢が整っていくと、精神的にも→生活的にも
何かきりっとし、メリハリがでてくる。・・

ほんと不思議なものです

もちろん、筋肉がまたこの状態に慣れてくると、フルート練習時にももう
呼吸に必要な筋肉が動きやすくなってくれる。


呼吸を日常と少し違う深さで行うことは、酸素のまわりで血のめぐりもよくなり、
神経系のバランスも整ったり、色々と健康にいいことはもう有名な話です。
そしてさらに嬉しいのは、お腹が引き締まる~!
これは女性に特に嬉しいそしてメタボ対策にも最適です!?



さてここでさらにもう一つフルート健康・美容法

それは、前回のブログでもお話した顔の筋肉の話です!

私の周りの声楽家の友人は、皆揃いも揃って若々しく、肌もつやつや
そして何より表情が明るく周りの空気をも明るくしてくれます!

このポジティヴな表情は、人間、自分自身にも対人的にも、
非常に大切なことですよね。


なぜ声楽をやっている方の表情が明るいか、
それは、やはり響きを、とても意識的に上・・というか多方面に、
考えているからなのだと思います。

筋肉というのは、地球の重力でやはり下がるものだそうです
表情筋もまた然りで、どこぞのテレビ番組で、この重力で筋肉が下がることが、
加齢に伴う頬の「ほうれい線」につながるとかなんとか・・(あぁイヤな話(涙))


響きを上に考え、表情筋を全体的につり上げると、目が見開く感じになります。
目がしっかりと見開くと、不思議な感じに体にエネルギーや何らかの集中力が、
満ちてくる気がします。

こういうことでも、出てくる音やまた音楽まで、ちょっと違ってくるでしょう。
そして、瞼のタルみ防止もでき、若々しく見える印象をも与える・・


実はフルートも、この響きを上に考えることは絶対に必要なことだと思います。

響きを上に考えることで、自然と上顎(と呼ばれるもの)が口の中で
ドーム状に開きますから(やりすぎる必要はありません)
息柱に太さが加わり、ぶしゅーっと横に平たくつぶれない息柱ができ、
それはすなわち、つぶれない、太さを兼ね揃えた豊かな音となるのです。


もちろんこれら筋肉を操作することは、「やりすぎ」はとにかく他の筋肉の
こわばりをも引き起こしてしまうので、少なくとも楽器演奏においては
よくないことを特記しておきましょう。

しかし、程よく体全体がリラックスされている中で、
ほんの少し、適宜に、お腹や顔の筋肉を使うことは、
楽器の鳴りがよくなるだけでなく、日常生活的にも若々しくなる!

ということで、フルートを吹くことは、
音楽を楽しめ、健康も維持できる、一石二鳥のなんてすばらしいこと
フルートに携わっていることをあらためて幸せに感じる最近なのでした


あ!お知らせです

今週の日曜日(5日)クリスマスコンサートがあります♪

埼玉県川口市の「戸塚公民館ホール」にて、18:30開演です。

ボルンの「カルメンファンタジー」、ユーの「ファンタジー」
そして、カッチーニ・シューベルト・グノー・ピアソラなど世界の様々な
「アヴェ・マリア」を集めてみました☆

お近くにお住まいな方はぜひ!様々なクリスマス・ファンタジーの世界を
お楽しみに足をお運びください

詳細はホームページに記載してあります♪


♪クラシックブログランキングのサイトです♪
人気ブログランキングへ 応援よろしくお願いします!

◆音楽と人生

2009-11-02 23:00:49 | 雑談
ヨーロッパより戻りました~!

数日前にもう帰国していたのですが、帰国早々本番があったり、
ご無沙汰してしまった生徒さんたちとご対面(レッスン)したり、
また自身がひどい風邪をひいてしまったり

・・ですっかり更新が遅くなってしまいました。。


あちらヨーロッパは平均気温5℃前後!
しかしチェコもドイツも、ただいま紅葉真っ只中!!
ヨーロッパの美しい山々は、只今黄金色に染まっております

今回は初めてスイスエアを使ったので、せっかくなので初スイス観光
アルプスの山々に行ったので、今の時期でももうすでに極寒!(?)

登山電車でゴトゴトと雪山へ・・。
スイスの登山電車って、富士山級の標高3500mまで電車の駅があるのですね!

残念ながら私は今回はそこまではいかず、標高2000mの駅まででしたが・・

お天気に恵まれ、そこから望んだ4000m級の山々は、
今までもちろん経験したことがない、筆舌に尽くしがたい壮大なパノラマ!!


(↑その標高2000mの駅にあるレストランから、携帯電話で撮影しました

まったく・・その凄すぎる壮大な自然を目の前に、
人間も、この凄い奇跡のような美しい自然も、そして地球自体も、、、
すべてそもそもはどこからどうやってきたのだろう・・などと、ぐるぐると
宇宙的なことをつい考えてしまったり・・!?

◆◇◆

さて、スイスのあとは、チェコとドイツと、今回も懐かしい友人たちと再会しつつ、
コンサートツアーを行ったのですが・・


ヨーロッパに行く前の自分と、むこうにいる間中の演奏活動と、
それから、また日本に戻ってきてのここ数日の活動を通して・・
自分の中で、以前より明らかに心境の変化があります。


それは、音楽に、フルートを通して職業として携われたことへ、
あらためての感謝です。

今まではとにかく、ヨーロッパで5年間のひたすら武者修行(?)、
そして帰国後もひたすら目の前の仕事に突っ走ってきたような感じがします。

しかしこのもうすぐ帰国3年目を迎えようとしている今、
これまで見えなかった周りが少しずつ見えてきているものなのでしょうか・・

この音楽というものが、目に見える物質的なものではないけれど、
人間の生活と心に密接に繋がる、とても大切なものであることを、
あらためて強く再認識させられました。



今回は、以前の留学中の学生時代とは少し違う状況で、
久々にヨーロッパでの演奏に臨んだわけですが、

チェコでは、チェコ人にとって祖国の大切なメロディーである「モルダウ」を演奏し、
ドイツでは、Sandra(パートナーのフルーティスト)から何か日本の曲も一曲、
と言われ、私は宮城道雄氏の「春の海」を選曲、演奏しました。

そしてこれらのチェコの「モルダウ」や日本の「春の海」が、
聴衆の方々の心になんとすごく沁みてくださったのだとか・・!
今回は何より素晴らしい共演者に恵まれ、彼らの力が大きいのですが、

演奏する者にとって、涙が出るくらい心にしみた、と言っていただけるのが、
何より最高の褒め言葉であり、勲章だと私は思っています。


「春の海」などは、あまりに日本特有の音階の音楽なので、
これがヨーロッパの聴衆にどう響くのか・・興味もあり、しかし結構怖くもあり・・
私にとってはけっこうな試みだったのですが、

しかしいただいた感想は、今までに聴いたことがない、初めて聴く
日本の独特の音階を使った音楽に、とても感動したという嬉しいお言葉!

そして、それと同時にこうも言われました。

  日本にも、こんなにすばらしい特有の音楽があるのに・・日本人は
  西洋の楽器や音楽をやっている人が多くて不思議だけど・・もっと、
  そういう母国の、日本の音楽の良さもたくさんの世界に広めていけばいいのに!

春の海を聴いたドイツの人が、このような内容を口をそろえて言うのです。

ずっと同じ国の人の中にいると、中々気づかないもので・・

こう改めて言われると、本当に、そうか、そうよね・・となります。


・・とはいえ別に、日本人だから日本の曲だけが使命、というわけでもなく
ドイツではそれこそ、ベートーヴェンやバッハやブラームスなどの
ドイツ曲を演奏すると、長い曲でもとてもしっかり好んで聴いてくださいますし
(もちろん内容をしっかりこちらは勉強しなければなりませんが)

とにかく、そういう色々なことをまとめて・・・


音楽はそのときどきで、人によって、色々な形で心に入り込んでいくものです。
時には癒し、時には元気をくれ、時には色々考えるきっかけとさせてくれる・・

そんな素敵な芸術!
あらためて、この演奏家という職業の・・というよりか、職業であるなし以前に、
ですね。

「音楽を演奏する」事自体のなんと素晴らしいことと、使命と、大切さと・・
そんな色々なことに、いつにも増してしみじみと感謝を感じているのであります。


日々の忙しさを、苦しさからついネガティヴに思う日もなくはありません。

が、ネガティヴ・・負は、負を招く。

忙しいことや苦難を、なるべくネガティヴなどに捉えず、プラスな思考で、

人の笑顔にたくさん出会えるこの職業に感謝しながら、
好んで聴いてくださる方がいる限り、感謝して頑張っていかなければなと
今、本当に思います。


今日はなんだかひとりごとのようなブログですみません
(これからの自分に宛てているのかも・・


♪クラシックブログランキングのサイトです♪
人気ブログランキングへ 応援よろしくお願いします!