キキ便り

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The squeaky wheel gets the greaseの国アメリカ

2009-01-17 05:50:08 | アメリカの大学で教える
「出る釘は打たれる」という日本語のことわざと対比して、The squeaky wheel gets the grease. The squeaking wheel gets the grease. (きしみ音をたてる車輪は潤滑油を塗ってもらえる)という英語のことわざがよく紹介されている。

日本人では、相手の立場を考えるあまり、遠慮してあまり文句や注文を言わないことが美徳とされているけど、アメリカでは、言わなければわからない、言わなければ損というメンタリーティがあり、在米生活10年たっても、カルチャーショックを感じることがある。

昨日も、先学期私の授業を受講したオンラインの学生で、自分の最終成績が腑に落ちないとメールしてきた学生がいた。12月半ばに成績が出たのに、なぜいまさら、というのが第一印象だったが、彼の言い分は、ボクはこのペーパーをちゃんと提出したのに点数をもらえなかったと証拠を提示することもなく訴える。

私の学科長は、事を荒立てない主義らしく、学生が成績で提訴してきた場合は、大抵学生に有利なように審判されることが多いので、この学生の言い分を聞いた方が賢いというアドバイス。腑に落ちないが、こういうことに時間とエネルギーを費やしすぎて自分を消耗させるのもよくないと思い、この学生に再提出のチャンスを与える。「長いものに巻かれろ」のメンタリティーで処置せざるをえない自分が歯がゆいが、こういう大学のネガティブな部分も体験でき、勉強になったのかもしれない。

けれどもアメリカとはいえ、自分の言い分ばかり自己中心的に並べ立てる人は嫌われると思う。常識から外れた人はやはり煙たがられるし、相手への思いやりと心遣いは、万国共通の人間関係の潤滑油だと考える。
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