キキ便り

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リストラから教えられる人生 その12 その1

2010-07-05 21:10:43 | リストラから教えられる人生
ダンナは、先週の金曜日、自分のボスのまたその上のJ氏と電話で話をする。

J氏は、現在の大学総長の片腕として、今の大学に一緒に連れてこられた人。

J氏、大学総長、私たちは同じ大学から今の大学へ同時期に移動した。ダンナは大学総長に引っ張られてきたわけではなく、まったくの偶然だったが、事情を知らない人は、ダンナもそうなのかと時々誤解されることがあった。

不思議な縁で、前の大学時代、J氏の奥さんと私は一緒に「家族と子ども政策研究所」で仕事をしたことがある。

州政府による貧困層の母親たちのための子育て支援プロジェクトで、J氏の奥さんがそのプロジェクトの責任者、私はリサーチアシスタントだった。そういう仕事関係上、J氏の家にも遊びにいったこともある縁だった。

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J氏との電話を終えたダンナは、「やあ、Jもやっぱり血の通った人間だっていうことが分かったよ。」と上機嫌だった。

解雇の決断をしたP女史は自分の「ビジョン」ということで、一人でいろいろ決めてしまったらしい。財政難というのはカモフラージュで、自分のやりたい体制で誰にも相談せずにリストラしてしまったらしい。

P女史の下には5つの部局がおかれているが、それぞれの責任者(ディレクター)を全部やめさせて、自分が全部統括しようかとまで考えたそうだが、まず手始めは二つの部局を統合させることにし、その結果がダンナの解雇だった。

6月1日に赴任したばかりなので、J氏も自分が雇ったばかりの人の決定に口出しをするわけにいかないそうで(それが私には不思議だが)、「僕はサポートしなければならない立場なんだ」とダンナに申し訳そうに話したらしい。

それを聞いてダンナも不本意ながらも、これから残されていく人たちの先を案じながら、前に進む決心がついたらしい。

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J氏も今の現状に不満を持っているようで、つい最近他州の州立大学の総長の職に応募したらしい。残念ながらだめだったようだが、そういう事情を知っているダンナは、これからP女史のスーパーバイザーの役目を遣わされているJ氏にむしろ同情の気持ちさえ沸いているような感じだった。
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