『今日の出来心』

シンガーソングライター&作詞家“久保田洋司”の365日書き下ろし公開日記です
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2011年7月15日(金)

2011年07月15日 00時00分01秒 | Weblog
昨日の万葉集の講座も、いいお話をたっぷり、
楽しい時間でした。

巻十の七夕の歌が、まだ続いてるんです。

天の川がどんな川なのか、万葉人たちも、
いろいろ想像したんでしょう。

中国の揚子江みたいな大きい川は、
たぶん、見たことがなくて、
大和にいて、川といえば、やはり明日香川ですから、
もう、川を歩いてでも渡れるようなことで、
天の川といっても、すぐ対岸に、相手が見えるみたいな、
それぐらいの川を思ったかもしれません。

川を渡る手段は、船が多いようです。
彦星が、船をこいでゆくような歌で、
風は吹いても、波は立つなよ、っていうものもあります。

明日香川なら、わざわざ船をこがなくても、
本当に、石を並べて、その石にそって渡っていけば、
すぐ渡れそうですから、もうちょっと大きい川を、
想像したのかもしれません。

空を見上げて、あの、天の川が、大きいと感じるか、
意外と小さいと感じるか、それも、それぞれですね。

僕など、今の夜空で、天の川、
なかなか、しっかりと見たことがありません。

昨日の講座の資料に、先生が、
室町時代後半から江戸時代にかけての「奈良絵本」から、
「七夕図」を、載せてくださってたんですが、見れば、
彦星と織姫が、きんと雲みたいな雲に乗って、
会いに行こうとしてるんですね。

万葉集で、遅れまいと、必死に船をこいだ彦星は、
どうなるのだ、と同情したくなるほど、
ふわふわと、飛んでいます。

時代は進んだ、ということでしょうか。

今なら、彦星もUFOみたいなすごい乗り物で、
さーっと飛んでいくのかもしれませんね。

昨日の講座では、それとあわせて、
当時の実際の船での旅が、どんなに過酷だったかを、
巻五の894、山上憶良の「好去好来の歌」を読みながら、
天平五年、第九次遣唐使船のお話で、聞かせていただきました。

万葉集の歌と、それだけじゃなく、
当時の人々の感覚をいろんな資料で教えていただけるので、
さらに、身近に、万葉時代を感じられるような気がします。

講座は人気で、定員いっぱい。
もう、募集を打ち切ったそうです。

本当に、面白い講座なんですよ。

僕が、通うようになったのは、たまたま新聞のチラシで、
講座を知ったからですが、今だったらもう、申し込めないかと思うと、
そのときに、入会していて、よかったと、思います。

偶然のようなことですが、そういうことにも、
なにか、意味があったりするものかもしれませんね。

今日も素敵な一日になりますように。
美しい明日へ心をこめて歌っています。

洋司