家づくりなんてカンタンだ!

住宅をつくり続けている設計事務所の雑感

サヤ管ヘッダー工法

2009-07-31 21:00:21 | 家づくり


今日は、給水と給湯配管について。
木造住宅でも給水と給湯管を1階床下(基礎の上)に配管する場合
メンテナンスを考慮して、ヘッダーを使う事が多くなりました。

ヘッダーとはパソコンで言えば、LANやUSBハブのようなもの
ここから管が枝分かれして行き
お風呂や洗面所などの末端まで繋がっています。

管は末端まで原則つなぎ部分が無いため
管の品質さえ良ければ、ヘッダーか末端以外に
漏れることはありません。

そのため漏水トラブルがあった時には
それら2箇所を調べれば良いのが原則。

この現場ではさらに、管自体を交換出来るように
サヤ管という管の中に、給水管や給湯管を通しています。

この工法は部品の値段が高いのが難点。
それから、配管ルートについてあらかじめ詳しく
検討しておく必要があります。

床下に潜れる様な場合とコストの兼ね合いで
ここまで行うことは私の現場ではまだ少ないのですが。

ラフターロック

2009-07-30 20:21:21 | 家づくり


屋根を支える「垂木」と呼ばれる骨組みをどのように固定するか
従来は「ひねり金物」という金物で桁に固定したり
それよりもしっかりとした「垂木バンド」を使ってきました。

最近は写真にある、丸い金物「ラフターロック」をしばしば用います。
この場合、火打ち梁(水平剛性をとる梁)を省略することが可能となります。

2階を屋根なりに吹抜にする際、火打ち梁を見せないようにしたい
時など、ラフターロックのお世話になるのです。

ちょっと値段が高いのが難点。

パッシブソーラーを棟で打ち合わせ

2009-07-28 21:39:27 | 家づくり


パッシブソーラーのダクトをどのように納めるか
図面で打ち合わせてきましが、
結局、屋根の上で現物を置いて見てみるのが一番
という結論で、屋根の上に登りました。

4寸5分という結構きつい勾配の屋根の棟登り
板金業者さんと打ち合わせたのが、この写真です。

風が強くて不安定な中、何とか打ち合わせ終了。
屋根の上に登っても平常心が保てたのは
ビフォーアフターで屋根に登って
何度か撮影した経験が生きているからでしょうか。

エコキュートと浴槽の循環金具の相性について調べてみた

2009-07-24 17:42:12 | 家づくり
エコキュートを設置するために、詳細を調べてみると
浴槽に設ける循環金具について注意書きがありました。
(循環金具は以下のようなもの。お風呂で見てください)



H社によれば、エコキュート側の純正品を使用する旨の注意書きがありました。
理由を聞いてみると、お湯を循環する際にゴミが給湯器(エコキュート)に
廻り難いよう、なるべく網を細かくした純正品を使ってほしい、と言うことでした。
具体的には、目の粗さは60メッシュ。

メッシュという単位は、1インチ(2.54cm)あたりの目の数。
60メッシュは相当細かい網となります。

一方、予定している浴槽側(ユニットバス)の標準品は24メッシュ。
この場合一般的には純正品を使えば良い、ということになりますが、
お湯採り(残り湯を洗濯機まで送る仕組み)を選ぶ場合は
浴槽側の専用循環金具を使う必要があります。

そのため、施主と相談のうえ、他メーカーにも問い合わせしました。
P社に同様の質問をすると、なかなか返事が無く
ようやく来た回答も、部材メーカーに聞いてくれ、ということ。

これにはあきれて、ややクレーム気味にもう一度お願いして
ようやく、24メッシュであることを突き止めました。

P社の仕様は浴槽メーカー側の仕様と一致。
これだけで解決した訳ではありませんが、
もう一度施主と相談の上決定しようと思います。

土台を敷いて

2009-07-22 20:29:52 | 家づくり


上棟の前日は、土台や柱、2階の梁などを早朝搬入し
その日のうちに柱を建てるところまで行います。

柱を上棟日に、という希望が施主から出れば
土台まで。

土台を敷いて、ナットで基礎に固定すると
天端リストで気密が取れます。(前日のブログ)

足場に登り、土台を見渡すと(当たり前ですが)図面通り
整然と配置された様子を見ることが出来ます。

いつ見ても気持ちの良い眺めです。
上棟と同じくらい、この瞬間を楽しみにしています。

気密材・天端リストとは

2009-07-21 20:27:17 | 家づくり


パッシブソーラーハウスでは
床下に送り込んだ空気が漏れないように
基礎と土台の間に「天端リスト」と呼ばれる気密材を挟み込みます。

厚手の透明シートにゴムチューブを平行に取り付けたもので
一巻き20m

この上に土台を敷いて、ナットで締め付けると、ゴムが圧縮され
気密が保たれる仕組みになっています。

この住宅では60m足らずを使いました。
出隅や入り隅など、ちょっと納まりの工夫が必要ですが
ソーラー設置後の煙試験で隙間が見つかれば、コーキングを打って
埋める予定となっています。

型枠は鋼製か木製か

2009-07-20 19:55:17 | 家づくり


基礎の型枠を鋼製にするか、木製にするか
基本的には業者が得意な工法に任せていますが
基礎立ち上がりの高さにより、ベースコンクリート打設のあと
鋼製の場合は一度はずしてからもう一度組み直す事が多くなります。

こうなると手間もかかり、打ち継ぎ部分もきれいに処理出来ないため
最近では、木製つまり合板型枠で打った方が良いのではないか
と考えています。

この基礎工事では、業者が木製型枠を得意としているため
ベースコンクリート打設のあとも型枠をはずすことなく
立ち上がりも打ちました。

しかし決して鋼製が良くないと言うことではないので
誤解の無いようにして頂きたい。

基礎工事の善し悪しは、型枠だけでなく
いろいろな要素により、総合的に判断しなければなりません。

結局は施工業者のウデ次第なのですが。
この業者は○でした。

天気予報のおかげです

2009-07-19 18:51:19 | 家づくり


ベースコンクリートを打つと
前回紹介したように、立ち上がりが少ないのが良くわかります。

夏にコンクリートを、特にベースコンクリートを打つ場合
水分が蒸発しやすくなるため、クラック防止に気を遣います。

ここの現場は、コンクリート打った当日は曇天
翌日に雨が降ったため、特に気を遣わずに済みました。

普段は天候余り気にしないのですが
地鎮祭、基礎工事、上棟・・・
建築に携わると天気予報が気になります。

特にピンポイントの地域で、短時間単位の予報は大助かりです。

基礎立ち上がりが・・・

2009-07-18 21:06:47 | 家づくり


基礎ベース配筋がほぼ終了し
コンクリートを打つ準備完了。

写真で見ると、立ち上がりが一般の住宅よりも少ないのが
おわかりでしょうか。

この住宅は「そよ風」というパッシブソーラーシステム
を採用するために、立ち上がりを少なくして、冬季床下に暖かい空気が
まんべんなくまわるようにしました。

立ち上がり部は一般的に基礎の梁成分に当たるため
少なくなった分は、逆にスラブ下に梁をつくって
ちゃんと補強し、剛性を保つように。




配筋検査も終了。
コンクリート打設が待ち遠しいです。

基礎の排水管をどうするか

2009-07-17 21:34:16 | 家づくり


ベタ基礎に排水管を設ける方法は大きく分けて次の3つ
・写真の位置に排水管をコンクリートに埋め込む
・排水管をコンクリート盤の上に水平に設ける(立ち上がりに埋め込む)
・写真のように排水管よりも一回り大きい管を埋め込んで
 後から排水管を差し込む

今回は最後の方法を採用しています。
排水管自体をコンクリートに埋め込んでしまうと
メンテナンスに問題があるため、このような方法をとることが
多くなりました。

長期優良住宅でもあります。

このあと鉄筋補強を加えました。