家づくりなんてカンタンだ!

住宅をつくり続けている設計事務所の雑感

上棟の工事監理

2006-08-28 21:00:26 | 家づくり


本日上棟しました。
構造材も問題なく納まったようで、ほっと胸をなで下ろすことに。

写真にある軒の出は、1.5m。
そのため垂木(たるき)という骨組み断面を大きくし
かつ、ピッチも2倍にしました。

写真を撮ったときは、垂木はいつも通りの間隔。
これから追加されるのでしょうね。

あまり口を挟むのも良くないと思い
じっとみていました。

ところが、垂木の上に野地板を張り始めたので、
あわてて、大工さんたちに説明する羽目に。

後で手直しするのは大変なので、この時点で解決できて良かった。

ところでなぜこのようなことが起きたのでしょうか?
プレカット業者からの図面、設計図面はちゃんと行き渡っているはず。

この現場では、これから一人の大工さんが工事してゆくのですが
上棟日は仲間4~5人に応援してもらいます。

手伝いがいる内になるべく進めておきたい、と考えるのは当然。
図面をある程度見ていたようですが
細かいところまでは目が行き届かなかったようです。

ちょっと焦ったかな。

この大工さんを信頼しないというわけでなく
物づくりの現場ではしばしば起こること。

そこをチェックするのが、監督の責任なのですが
このときはあいにく監督が不在でした。

そこで監理者が口を出したわけです。

ところが、監理者にも問題がありました。
本日ヘルメットを忘れてしまい、
なにも被らず、2階に上がっていると、

申し訳ないけど、ヘルメット被っていない人は下りてください、

と注意を受け、そそくさと現場を離れることに。

ごもっとも。

サヤ管ヘッダー工法

2006-08-24 18:48:31 | 家づくり


水道工事で一番トラブルがあるのは、管の接続部分になります。

一般的には灰色の塩ビ管が曲がる部分などに、ジョイントの部材を
接着剤で繋げてゆきますが、ここにミスが生まれる可能性があります。

圧力試験をして確認しますが、時間が経つと漏水することも否定できません。

サヤ管ヘッダー工法では、ヘッダーと呼ばれる部分から配管が分岐してゆきます。
しかもこの管は樹脂で出来ていて、ある程度曲げることが出来ます。
そして、水栓などターミナルまでつなぎ目はありません。

工場でつくられた配管は品質が一定のため、途中での漏水は無い、という前提です。
それで、ヘッダー部分と水栓など器具につなげる部分が、
上手く接続されれば漏水はまず起こらない、といった優れた工法です。

万一漏水しても、接続部分を調べれば良い訳ですね。

この事例では、給水と給湯に採用しました。
排水にも同様な方法があります。

欠点は、部材の費用がまだ高いということ。
それから、慣れていない業者の場合、人件費もやや高くなるということでしょうか。

東京R不動産掲載

2006-08-23 10:06:51 | 家づくり


先日完成した古屋リフォームが、東京R不動産に掲載されました。
http://www.realtokyoestate.co.jp/

タイトルは、「表の細道、裏の陽だまり」
詳細はこちら → http://www.realtokyoestate.co.jp/estate.php?n=3041

このタイトル、なかなかのものです。
一行で全てを語っています。

よろしければご覧ください。
あと、今週末に竣工写真撮影しますので、その後
もう一度掲載予定。

今回のプロジェクトは施主と二人三脚で進めてきましたが
ねらい通り、R不動産に掲載され、後は入居者が決まるのを
待つばかりです。

お疲れさまでした。

ものづくりの精度

2006-08-22 13:44:37 | 家づくり


ものづくりにおいて、要求される精度が存在します。
言い換えると、一定の品質を保つために制限される許容範囲。

ハイテク技術や精密機械のような分野から、大きな建造物まで
そのレベルは様々。

では、一戸建ての住宅の場合はどうでしょうか。
部分によっても、許容範囲に幅がありますが、
だいたい数ミリ程度が標準だと思います。

一方で、CADで図面を描くと、100分の1ミリ以下も表示出来ます。
しかし、現場では全くナンセンス。

メジャーの最小メモリ(1ミリ)で精度を出すよう努力してもらっています。
基礎工事において、特に精度を要求されるのが、立ち上げ部分の天端(平らな部分)。

誤差プラス・マイナスゼロを目標にしてもらっています。
実際は2~3ミリ程度出てもどこかで調整できるのですが、
どれだけ緊張感を持って、丁寧に作業してもらうか、が大切です。

はじめから、2~3ミリは誤差OK、と言いません。

出版記念パーティー

2006-08-19 21:22:23 | 家づくり


8月10日に出版された
「建築家の 家本 55人の建築家ガイド・関東編」
の出版記念パーティーに行ってきました。

猛暑のため、広尾駅から徒歩10分 を
都バス・東京女学館前徒歩30秒に変更。

多くの建築家が集まりましたが、話題は
家づくりに建築家が関わることについて、
もっと世に知らしめたい、ということ。

私も非力ながら、この本に載っていますので、
よろしくおねがいします。

書店で立ち読みするよりも、
是非近くの図書館にリクエストをしてほしいと思う。

一番良いのは、買っていただくことですが。

建築ジャーナルより 2,000円で出ています。

本日は模型少年

2006-08-16 21:33:11 | 住宅


本日は終日模型づくり。

ようやく70%程出来上がりました。
夏休みの工作ならこれで十分でしょうが
一応仕事なものですから・・・

そう言えば、建築家が主人公のドラマが我が家で評判です。
結構良さそうな事務所が舞台で、良いマンションにも住んでいる。

あんな事務所なら良いナー、とか
スケッチへたくそ、とか

それから、時々建築家の悲哀もあって、おもしろいですね。

昨日もありましたが、録画をみるつもり。

開かずの収納

2006-08-11 17:07:34 | 家づくり


開かずの収納
夏になると開かなくなっていました。

無垢のフローリングを使用していることと
施工が冬の乾燥している時期であったため。



それで除湿機を3日間廻し続けて、ようやく開けた後
枠をはずして削ることになりました。

削りすぎると冬には隙間が開いてしまうことも。
どの程度で納めるか難しいところです。

本日天気良好にて

2006-08-10 20:49:20 | 家づくり


本日ようやく天気が良くなり、
立ち上がり部分のコンクリートを打ちました。

型枠を組んだ様子はこの通り。

型枠は鋼製ですが、取り外しを容易に、
仕上がりをある程度綺麗に
なるように液状の剥離剤を塗ります。

もちろん型枠を組む前に塗り、鉄筋には付着しないように
気を付けます。

中には型枠を組んでから塗る業者もあるので
注意が必要です。

以前別の現場で、そのことを指摘すると、
これでいいんだ!
と開きなられたこともあり、そんな時は怒り心頭。

ここは私の現場なんだ!

と言い返してしまいました。

基礎工事に無理は禁物

2006-08-09 20:46:12 | 家づくり
昨日のことですが、基礎コンクリート打ちを中止しました。

朝から打設の予定のところ、あいにく台風が近づいていて
激しい雨が予想されたためです。

施工業者にも予定があって、多少の雨でもやりたいと
申し出があることも。

打設のあとでシートをかぶせて養生する方法もありますが
その場合、基礎の天端(立ち上げの上端の平らな部分)を均す
レベラー(モルタル状のもの)は別の日になってしまいます。

レベラーはコンクリートが半乾きの状態で施工すると、コンクリート
自体と密着するため、効果がありますが、乾いてしまってからだと
密着の程度が下がってしまい、場合により剥離してしまう可能性も。

だから、天気には気を遣うのです。

その他にも、工事開始時間にも注意が必要です。

以前、真冬にコンクリートを打った時、開始時刻が
午後2時をまわっていたことがありました。

コンクリート打設のあとレベラーを施す程度になるまで
待っていると、日暮れが早くて、暗い中で行ったことがあります。

投光器を用意して、慎重に天端レベルをチェックしながらすすめ
ましたが、やはりく暗くなってからの工事は良くありません。

翌日確認すると、部分的に10mm程度の盛り上がっているところを
発見したときには、ガッカリしてしまいました。

もちろん補修をしましたが・・・

監理者にとって、このような経験も貴重ですが、
無理をしないことが大事ですね。