家づくりなんてカンタンだ!

住宅をつくり続けている設計事務所の雑感

ソファーが入らない!

2009-03-28 17:16:21 | 家づくり
昨年10月に完成した二世帯住宅、
2階世帯の引っ越しが事情により遅れていましたが
昨日ようやく行われました。

冷蔵庫や洗濯機など大物家電は何とか階段を通り
無事2階所定の位置に設置されたのですが、
ここで問題が発生。

ソファーが入らない。
これは全くの盲点でした。
ちょっと大きめの物で、重量も大人二人でようやく持てる程度の物。

しかも廻り階段上部の一部を収納にしているため
長物は入りにくくなっています。確かに。

施主から電話があってから、少し時間をもらい落ち着いて考えてみました。
また、施主がバルコニーから入れる場合見積りを取ってみると、
ユニック車(クレーン車)1台と2~3人で5万円。

いくら何でもそれでは申し訳ないので
本日、スタッフ1名と共に現場に向かいました。

このバルコニーは手摺り代わりに樹脂木材をルーバー状に取り付けている
ので、それを何本かはずすところからはじめました。

ソファーが入る開口をつくり
ロープを使って二人で引き上げる方法をとりました。



ソファーのサイズと重量が予想よりも大きかったため
正直、自信は無かったのですが、皆さんの協力で
何とかバルコニーに引き上げる事に成功。

この後足を取り付けて、予定の場所にセットして終了。

概算見積りは正確に

2009-03-26 20:41:51 | 家づくり
設計を進める中で、必ず乗り越えなければならないものに
建築費用があります。

坪単価X坪数で目安をつけるのは、最初の段階まで。
基本設計では、ある程度正確な概算見積りを出さなければ
施主も安心して設計を進められないものです。

まして、実施設計を終了してから、施工業者が見積もって・・・
となるとほとんどが予算オーバーに。

経験が少ない内はこのような進め方で
いざ見積りを取ると、たいていは15%以上予算が合わない。

そこから設計変更や、施工の方針変更、
場合により施工業者に無理をお願いしたりしました。

このようなやりかたは、施主に心配を掛けるだけでなく
事務所にとっても時間の無駄が多くなります。
また精神衛生上よろしくない。

そのため基本設計が終了して、実施設計にはいる前に
ある程度の正確な概算見積りをつくります。
特に分離発注においては、必須。

そのためには、正確な数量と施工単価を抑えておくことが重要で
ここが事務所のノウハウであり、決して他の事務所には教えてあげないものです。

施主も、事務所も安心して詳細な打ち合わせと設計を
進めることが出来ます。

もったいない

2009-03-21 20:23:34 | 家づくり


建築の現場では廃材がでます。
プラモデルを組み立てても、ひとつひとつの部材をサポートした
余計な部分を捨てなければならないように、
建築現場ではとにかく廃材がでるのです。

問題はどの程度出るのか、ということ。
部材の拾い出しがいい加減であったり、
発注を間違えると、もったいないけど捨ててしまう部材が増えることに。

工務店が次の現場で使う事を工夫したり
いつか使うために保管しておく場所(倉庫)がある場合は良いのですが
ほとんどの場合廃棄処分になります。

一度現場に置くと傷物になってしまうため
建材業者が商品に再利用することはありません。

また、処分するにも費用がかかる訳で
現場の発注などは合理的にしてもらいたいと
捨てられる建材を前にいつも思ってしまいます。

この現場では、余った断熱ボードが何枚も立てかけられていましたが
建材業者が運んでいたので、事情を聞いたところ
廃棄処分するとのこと。

この断熱ボードは取引価格で1枚1500円もするため
捨ててしまうのは、もったいないと誰もが思うでしょう。

ただし、事務所で引き取る訳にもいかないため(保管場所が無い)
何か利用方法は?と思案したところ
玄関にコンクリート土間を打つ時の下地として
使えることを想い出しました。

断熱ボードは、曲げには弱いのですが
圧縮には強い。それから床下の断熱になることから
玄関のコンクリートを敷く事が多いのです。

建材業者さんには4枚残してもらうことにしました。

石膏ボードなど枚数の多いボードはともかく
断熱ボードなど正確に枚数を拾えるものは
きちんと発注してもらいたいものです。

環境の為にも。



排水音を小さくするには

2009-03-14 19:02:54 | 家づくり


2階に水廻りが有る場合
特にトイレやお風呂などある程度の排水量が有る場合には
そこから下では排水音をが気になります。

プランニングである程度工夫は可能です。
上下階水廻りを揃えるとか、排水管を収納の中に配置するとか
他に排水管は外に出してしまうとか・・・

しかし防音には限度があるため、このような場合でも
遮音管を設置します。

これは管にあらかじめ遮音材を巻き付けたもので
少々値段が高いです。

昔は耐火二層管(区画貫通部に用いる耐火性能のある被覆管)を
使ったり、さらにこれにグラスウールを巻き付けたりと、いろいろ
行ってきましたが、いまのところ遮音管が一番安上がりで効果があるように
思っています。

LEDライト

2009-03-12 12:50:46 | 家づくり
LEDはLight Emitting Diode、つまり発光ダイオードのことですが
いよいよ本格的に照明器具に使える時代になりつつあります。

東芝やパナソニックなど大手メーカーも
LED照明をかなり揃えてきているのと
その価格も以前よりも下がっているように思えます。

そんな中、ある照明器具メーカーが事務所まできて
デモンストレーションをしてくれました。



今日の説明では、LEDの寿命は約50000時間。
白熱灯や蛍光灯のように突然点灯しなくなる訳ではなくて
初期の明るさよりも30%下がった時点を「寿命」としているとのこと。

その後も少し明るさは減っても、あるところで平衡を保つのだそうです。
50000時間と言えば、毎日8時間使って、約17年。
その後も球切れするわけではないので
ほぼメンテナンスフリーと考えてしまいます。

建築材料の観点から17年以上もつとすれば
メンテナンスフリーと言われることが多いから。

もっと価格が下がって、白熱灯同等の演色性能があると
本当に照明器具の革命となるでしょう。

蛍光灯では、色の点で白熱灯にはかなわないので。

リフォームもいろいろあって・・・

2009-03-10 20:33:30 | 家づくり
二日連続で、リフォーム予定の現場に足を運びました。
昨日は、都心のビル最上階の住まい。
本日は郊外の一戸建て。

条件は違っても、そこに住み続けたいという住人の強い意志は
しっかり受け止めて、進めて行くことになります。

新築の場合とリフォームではプロセスが違うように見えるかもしれませんが
設計者の思考回路は同じ部分を使っているように思います。

そこが設計のおもしろいところであって
なかなかやめられないのですね。

ただ、今日の一戸建て住宅の打ち合わせは
訳あって、慣れないことをすることになりました。
大変疲れたので、この辺で。