それが一番の問題

概要は後からついてくる

アフリカ 苦悩する大陸 ロバート ゲスト

2008年09月01日 | 
大筋は聞いていたアフリカの実情だけど、実際の出来事を読んでみると、
とても同じ時代の話とは思えない。テレビでは流せない描写が多くある。

Referenceもしっかりしてる。かなりの労力をついやした本であることは
間違いない。筆者の議論に一つ一つ賛同や反論する知識と時間はないので、
2,3気になること。

筆者は、多国籍企業がアフリカに進出することは良いと言う。
雇用を生み、技術向上の為になる。人権団体から避難を浴びないために寄付も
するし、不当解雇もしない(これが大問題にもなるみたいだけど)。
確かに、仕事が無くて荒れた生活をするくらいなら、仕事をした方が良い。
例えロンドンの会社が一番儲かってるにしても、アフリカの労働者は、治療薬や
ビール(体調が良ければね)を買えたほうが幸せなのだ。国が成長する際には、
搾取ともとれる環境で懸命に働き、経済力の差を縮めるのだ。これは皆が通る道。
これをつっぱねるなら、アフリカは永久に変われないだろう、といった論調。

一理ある。みんな幸せになるとは言えなくても、飢餓に苦しんでるよりは良いはず。

筆者は支配層が良くないと言うけど、それは問題の表面だと思う。
僕は、言葉も通じない人たちを集めて一つの国家にしようとしているのが
そもそもの間違いだと思う。誰が力をつけると別の誰かが力ずくでぶち壊す。
その後は、自分と直接関係のない国民は人間とみなさない政治で君臨する。
それの繰り返しに見える。

日本は、戦国時代に大体の決着がついていた。だから、わりとすんなり富国強兵
に邁進できた。最終的に戦争で痛い目に遭うわけだけど、その後に復興もやりやす
かった。という議論が一番的を得ていると思う。

違うのかな?小さな自治区としてゆっくりと成長することはできないのかな?
資源がある地域を他の地域(又はアフリカ以外の国々)が放っておかないってことか?
筆者に聞いてみたい。

僕が一番、筆者に期待していたのは、一人一人が今日から始められるような
提案だったんだけど、見つからなかった。自分で考えなきゃな。

最後に、日本については間違ったことが書いてある。
日本のティーンエイジャーが、洋画よりも邦画を多くみるだなんて、あるはずがない。

、、、他でも都合の良いデータをひっぱり出しているかも知れない
と勘ぐりたくなる。

国家を信用しないアフリカ大陸の人々。筆者を信じられない僕。

皮肉だ。

アフリカ苦悩する大陸
ロバート・ゲスト
東洋経済新報社

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