goo blog サービス終了のお知らせ 

それが一番の問題

概要は後からついてくる

喜嶋先生の静かな世界 森博嗣

2012年01月23日 | 小説
喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)
クリエーター情報なし
講談社


無駄ない文章。
情景描写もない。

それでも僕は感動したし、新鮮な視点で世の中を見ることができた。
色んな書き手がいるもんだ。

アジテーションも説教も、ポジティブなメッセージもないが、自分もがんばろうと思った。
優れた作品にであったからと、それくらいは最低条件だと闇にインプライされている、ってのが原因だと思う。

こうしている場合じゃない。

苦役列車 西村賢太

2012年01月13日 | 小説
苦役列車
クリエーター情報なし
新潮社


文章が平成のものとは思えない。
氏が敬愛する藤澤清造などの時代の雰囲気だろうか。
僕は好き。


著者は嫌がるだろうが、貫多の気持ちはわかる気がする。
多くの人がそう思うからこそ、芥川賞に輝いたのだろうか。

一方で、主人公に対する理解の目的で書かれた小説ではないと思う。
書くと言うことは、排泄行為のように、著者にとっては避けられないものなのだと思う。

君たちに明日はない 垣根涼介

2011年11月14日 | 小説
君たちに明日はない (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


おもしろい。

「ワイルド・ソウル」も良かったけど、こちらも良い。

著者がもつ不良っぽい趣味、バイクや車、が心地よい。
今まで、そんな雰囲気を小説に反映させる小説家を知らなかったから。

社会的なところ、それでいて安っぽい希望を提示しないところなんかも好き。

同僚や先輩より、よっぽどリアルに感じる心理。
小説の中の登場人物だから、実在の人にような見栄や誤摩化がないからか。

こうゆう作品をたくさん読みたい。
現実を見つめたい。

ワイルド・ソウル 垣根涼介

2011年10月15日 | 小説
ワイルド・ソウル
クリエーター情報なし
幻冬舎


ブラジルへの移民。
猪木もそうだった。
Plastic Cityもそうだった。
ヒドい話があったもんだ。

ストーリーは、テンポが良く、ドンドン読みたくなる。
登場人物も非常に魅力的である。ジメジメ悩むのがバカらしくなってくる。

「日本は貧乏臭い」という言葉は心に残った。
階級がアメリカによってとっぱらわれたからだろうか。
、、、とすぐ戦前と比較したくなってしまう。それだけじゃないハズなんだけど。

楽しくやんないと駄目だと思う、何ごとも。
上手にできれば大抵のことは楽しめるもので、上手になるためには努力を惜しまないことだ。
、、、現実はそう甘くないけど。

ハーモニー 伊藤計劃

2011年07月12日 | 小説
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)
クリエーター情報なし
早川書房


「虐殺器官」後、続けざまに読んだ。
ストーリーの整合性、世界観ともに、「ハーモニー」が数段上だと思う。

ミァハの世界とは、全人類が悟りを開いた世の中ってことか。
この世界はしばらく僕の意識にこびりつきそうだ。

『「ベスト SF2009」第1位、第30回日本SF大賞、第40回星雲賞日本長編部門、P・K・ディック賞受賞』
らしい。どの程度の権威がある賞かは知らないが、納得できる気がする。

この世界観はちょっとスゴい。




虐殺器官 伊藤計劃

2011年07月12日 | 小説
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
クリエーター情報なし
早川書房


発想はすばらしいが、設定に多少の無理があるように思えた。
SFの部類に入るのか定かでないが、この類いの小説をめったに読まない僕でも楽しめたのは
著者の腕によるところなのか。

次作の「ハーモニー」をすぐに買い求めて読んだってことは、引きつける何かがあったってこと。
これは確かなこと。