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それが一番の問題

概要は後からついてくる

吉田篤人 「台所のラジオ」

2016年11月14日 | 小説
台所のラジオ
クリエーター情報なし
角川春樹事務所


かなり良い。

吉田さんの小説はかなり久ぶりに読んだ。
最後に読んだのは3年以上。
当時の僕の状態と吉田さんの作品の世界の乖離が大きくて
途中で投げ出してしまった。空想の世界が遠すぎたのだ。

今回は違った。
僕は数ヶ月ぶりの休日で、現実とは違う世界を見たかった。
そして、「台所のラジオ」の世界観は日常とさほど乖離していない、つまり、射程距離。

また、「針がとぶ」のように本作に収まっている作品はゆるくつながっている。
好きだ、こうゆうの。


吉田さんの、世界を見つめる丁寧なまなざしに久々に触れた。
言葉や物に対する気づき。やっぱり良い。

もう一度読もうと思う。

すべてがFになる 森博嗣

2012年10月26日 | 小説
すベてがFになる (講談社文庫)
クリエーター情報なし
講談社


ついに氏のミステリ作品を手に取った。

デビュー作だから、、、か?
それとも、僕がミステリを読みなれていないから、、、か?

「喜嶋先生の静かな世界」のほうが好きかな。

設定や現実味は別として、やっぱコンピュータや数学を使った謎かけを考えつく能力には脱帽。
自分にないものだから。

そして、氏の文章を読んでいると、自分まで論理的な思考をするようつとめるようになる。
その感覚は好き。
受験ドラマを観て勉強したくなる気持ちに似ている。

ダブル・ジョーカー 柳広司

2012年10月26日 | 小説
ダブル・ジョーカー (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)


トーキョー・プリズンを読んだことがある。
本書も時代設定および文体は、トーキョー・プリズンに近いと言える。

とても面白い。

その時代のことがわかるトリビア的情報あるいは基礎教養をもっと多く盛り込めれば僕にとってさらに魅力的な作品になると思う。

阪急電車  有川浩

2012年07月14日 | 小説
阪急電車 (幻冬舎文庫)
クリエーター情報なし
幻冬舎


んー、実に良い。
みんなそれぞれ頑張ってる感があり、それぞれに幸せに向かっている感があり、頑張っていこうと思わされる。
日常生活を大事にしようと思う。
電車での移動が多い都市部の人には特に響くのではないか。
車での移動が多い人には、憧れのようなものを与えるのではないか。

とにかく、後味の良い良本だ。

沈まぬ太陽 山崎豊子

2012年07月12日 | 小説
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


大変意義のある本。
JAL123便事件についての本を読むよりも吸収できる知識は多いだろう。
小説だけに全てを事実として受け止めるわけにはいかないが、曖昧な僕の記憶にとってはたいしたことじゃない。

東京電力についてもこうゆう小説が書かれることを望む。

Trip Trap 金平ひとみ

2012年07月10日 | 小説
TRIP TRAP トリップ・トラップ
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)


嫌ってほど絵が浮かぶ。
思い出したくない時期にかぶるので途中で辞めざるを得なかった。
これは作品として優れているからだと思う。
しかし、あまり長く待つと感性が呼応しない類いの小説だと思う。

あるはもう遅すぎて読めなかったのか。

とにかく、僕の脳には強烈に働きかけた

夜のくもざる 村上春樹 安西水丸

2012年06月10日 | 小説
夜のくもざる―村上朝日堂短篇小説 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社


とても良い。

説明は難しい。
夢にしてはちょっとリアルだが、現実には起こりえない話が多い。

メタファーに思える作品もあるし、その影すら見えないものもある。

ここまで書いて気がついた。
村上さんの情景をイメージしやすい文章に加えて、水丸さんの絵(必ずしも文章に添っているわけではない)があって、いつもとは違う景色が頭の中に広がるから不思議な感じがしたんだ、きっと。

しかし、意味をなさない話を読ませてしまう村上さんはすごいな。

雪闇 藤沢周

2012年04月20日 | 小説
雪闇 (河出文庫)
クリエーター情報なし
河出書房新社


心の余裕がない最近の僕は、小説を読めないと思っていたが、この作品は読めた。
なんたって、主人公が僕のように余裕のない男なのだから。

この著者が書く、「倦んだ生活」。
業種は違うが、良くわかる。
多くの男が直面するのではないのだろうか。

主人公の状態に加えて、ストーリーが好き。
バレバレと言う人もいるかもしれないが、僕は充分に楽しめた。

10年前の僕なら全く興味をしめさなかったろうな。
自覚はなくても変わったもんだと思い知る。