ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

『コット、はじまりの夏』を観て

2024年02月02日 | 2020年代映画(外国)
『コット、はじまりの夏』(コルム・バレード監督、2022年)を観てきた。

1981年、アイルランドの田舎町。
大家族の中でひとり静かに暮らす9歳の少女コットは、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを遠い親戚夫婦のキンセラ家のもとで過ごすことに。

寡黙なコットを優しく迎え入れるアイリンに髪を梳かしてもらったり、口下手で不器用ながら妻アイリンを気遣うショーンと子牛の世話を手伝ったり、
2人の温かな愛情をたっぷりと受け、一つひとつの生活を丁寧に過ごしていくうち、はじめは戸惑っていたコットの心境にも変化が訪れる。

緑豊かな農場での暮らしに、今まで経験したことのなかった生きる喜びに包まれ、自分の居場所を見出すコット。
いつしか本当の家族のようにかけがえのない時間を3人で重ねていく・・・
(公式サイトより)

大家族とは言わないまでも、姉弟が多くいる中で、父親からは特に疎んじられているコット。
学校でも物静かなためか、同級生たちからは仲間外れの存在。
そんなコットが妊娠している母親の負担を軽くするために、田舎にある親戚の家へ夏休みの間行かされる。

アイリンはコットが来たのをとっても喜んでくれいろいろと世話を焼いてくれるが、夫のショーンは無愛想な対応しかしない。
そのような状況の中で、無口なコットがショーンがしている牛小屋の掃除などを手伝って日々を過ごす。

ただ、公式サイトのあらすじにある“2人の温かな愛情をたっぷりと受け”と言うような甘ったるいような意味合いではなく、
アイリンはいつも慈しんでくれ、ショーンも一歩引いて影でコット見守ってくれるという感じである。

一夏を過ごす生活の内容的には、これと言って日々の変化があるわけではないが、それでも1か月も経ってみればお互いにかけがえのない存在となっていたりする。
見終わって、久し振りに清純な作品を観たと感じ、心が洗われる思いがした。




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