目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

すり鉢使ってとろろ汁

2009年01月19日 | いただきます!
去年の春、集落のおばあさんからすり鉢をもらいました。
筍をもらいに行った時に、玄関先に大きなすり鉢がおいてあったので
その話題になりました。

「いいすり鉢ですね~、大きくて」

かつてのすり鉢は、自分の手でする部分を一本一本彫刻刀やのみ
なんかで彫っていたのだそうです。
だから、一軒一軒のすり鉢によってすり鉢の模様が異なっていたのだ
という話を、本で読んで「いいな~、素敵だなあ~」なんて思っていました。

それから、そんなすり鉢を探してお店を回ったりしたのですが、
今のすり鉢はやはり、機械ですりの部分を彫ったもののみです。

そんな中でそのすり鉢を見かけたので、ついついそんな話をしたら
このすり鉢は、自分のおじいさんが作ったすり鉢と言います。
現在80歳代の方のおじいさんですから、江戸時代のうまれの方かもしれません。
厚みも重みもある、いかにも手作り風なすり鉢です。

「このすり鉢に、10人近くの家族のとろろ汁を作ったもんだっちゃ。
昔は家族が多いからな。このすり鉢2個分にたっぷり作るんだ。
秋に山で自然薯を掘ってきて、濃いみそ汁を入れて何度も何度もするんだ。
2人1組でな。
その頃は、おかずなんて何もないから、一人で何杯もこれ(とろろ)を
おかわりしてたもんだ」

なんて、思い出話を語ってくれた後、「このすり鉢、あんたにやるっちゃ」
と一言。


え、え~、

いやそんなつもりで言ったわけじゃないんですよ。
大切な道具じゃないですか。

と言ったのですが、「家にはもう一つあるから」と言われ、差し出してくださいました。

「今、新聞紙を持ってくるからまっとれ」。

代々使い続けてきた歴史あるすり鉢を「あげる」と差し出された時の
とまどいを想像してもらえますでしょうか。

いいのだろうか、私がそんな歴史のある道具をもらってしまっても、
すり鉢を使いこなすだけの料理もできないのに…

一人で古い家を守っているおばあさんが差し出す、その家の台所道具。
そこに以前の私には感じることのできなかった哀愁、のようなものを
感じてしまいました。

そんな重い大きなすり鉢を取り出して、昨日ようやく一回目を使ってみました。
お店で長芋を買ってきて、念入りにすって、とろろご飯を作ってみました。
お疲れ気味の体にここらで一発気合いを入れようと(笑)
炊きたてご飯にのっけたとろろをかっ込んでみました。
気持ちの分うわ増しされた、優しいお味でした。


すり鉢を使った料理を、もっともっと作ってみたいと思いました。



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4 コメント

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素敵な贈り物 (Gomao mama)
2009-01-20 18:24:49
 年季の入ったすり鉢で作るとろろ汁は、さぞかし美味しかったのではないですか?時間をかけて、すり鉢ですりすりしているのって、楽しいですね~。
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Unknown (chiho)
2009-01-20 19:32:07
イタリアではすり鉢みたいなお道具は見たことないなあ。もっと小さくて胡椒やお塩をつぶすのはあるんですけれどね。こういうふうに筋が入っているのはないです。きっとご近所さんもえこなさんに大事に使ってもらえて嬉しいんだと思いますよ。とろろご飯食べたい~!!
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Unknown (Gomao mamaさんへ)
2009-01-25 10:32:41
すり鉢ですりすりしていると時間を忘れてしまうんですよね~。久しぶりにやったので右手が痛くなっちゃった。それくらい、夢中になっちゃいました。
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Unknown (chihoさんへ)
2009-01-25 10:34:12
この間のブログでもアントネッロさんが使ってらっしゃいましたよね。ああいうのを見ると丁寧にご飯を作ってらっしゃるなあって素晴らしい!って思ってしまいます。日本でもあれくらいの小ささのすり鉢売り出されていますが、私はなんとなく大きいほうが好みです。いつかとろろご飯、食べにきてくださいね~。
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