遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

一茶忌

2021-11-19 16:34:27 | 日記

令和3年11月19日(金)

一茶忌

信濃の俳人、小林一茶の忌日。陰暦の11月19日(陽暦1月5日)

一茶は、文政10年(1827年)65歳で逝去した。

近年「一茶忌」は陽暦の11月19日に行われているが、本来は

初冬(11月19日)ではなく、寒中(陽暦1月5日)である事

を承知しておくべきであろう。

一茶は宝暦3年(1763年)6月15日に信濃の国柏原で中農の

父弥五兵衛と母くにの長男として生まれた。3歳の時に母と死別、

継母と折り合いが悪く、15歳の時江戸へ奉公に出る。

この時、葛飾「糀の俳諧」を学ぶ。後6年間、九州・四国の西国

行脚をし江戸に戻り、流浪する。

51歳の時、故郷の柏原帰り翌年28歳の菊と結婚。3男1女を

授かる。 妻は37歳で亡くなり、62歳で再婚するが夫婦仲は

悪く僅か半年で離婚。64歳で3度目の結婚したがその頃柏原で

大火に遇い家屋を消失。 

焼け残った土蔵で暮らし翌年65歳でその生涯を終えた。 

(波乱万丈の人生であった。)

冬木立むかしむかしの音すなり、一茶句碑(葛飾八幡宮)

 

 

今朝、11月19日の中日新聞のコラム「中日春秋」に小林一茶

忌の記事が在ったので紹介したい。

【木枯らしが吹き立冬も過ぎたのに、今日もまた穏やかな天気に

なった。そんな小春日和を思わせる日々が本州各地で続いている

ようだ。 この先待っているのは暖冬だろうか、厳冬か。

気になるころに巡って来る一茶忌日は今日。 旧暦の1827年

11月19日が小林一茶の命日である。

恵まれない境遇の中で、平明な言葉で多くの句を残した俳人は、

小春日和の日々も詠んでいる。

けふもけふもけふも小春の雉子哉、 雉子きぎす、雉の古称

人の名前を思わせる「小春」の可憐な響きも、厳しさの前の平穏

な日々を想像させようか。

この冬は穏やかなままかと思えばそうでもないらしい。報道に依

ると、南米ペルー沖の海面水温が低くなり、世界的な異常気象の

原因に指摘されるラニーニョ現象が発生したとみられる。

スペイン語で「幼子イエス」を表すエルニーニョとは反対の現象

で、「女の子」がラニーニョの意味である。ラニーニャの冬は

我国の気温も低くなる傾向があるという。

日本海側の雪や西日本を中心とした寒さも見込まれるらしい。

小春さんの後に訪れるのは冷たい「女の子」か。ラニーニャ現象

は昨冬も起きている。北陸などの大雪が記憶に新しい。

燃料の値上がりも気になるこの冬である。寒さも雪も極端では

ないのがよさそうだ。

十日程おいて一日小春哉   一茶

どんな顔をして真冬はやってくるだろうか 】

(中日新聞朝刊コラム:中日春明より引用した)