令和3年11月15日(月)
柳家緑也、真打昇進落語会
名古屋市(港区)出身の落語家、柳家緑也の落語会が名古屋港
近くに在る「信興寺」で催された。
柳家緑也は、2006年(平成18年)に柳家花緑に入門をし、
「緑君」(ロックン)と命名さる。
2010年(平成22年)二つ目に昇進した。
そして今年2021年(令和3年)9月22日に真打に昇進した。
名前を「緑君」改め、「緑也」となる。
由来は、緑君は無類の歌舞伎好きで、歌舞伎役者「尾上松也」の
父、尾上松助の旧名の「緑也」の名を松也に電話をし(実は、
師匠の花緑が松助に手紙を出し許諾を得ていた)緑也を名乗る。
真打昇進披露興行は、古今亭志ん雀、柳家緑也、柳家さん花、柳家
いちの4名が同時昇進し、9月から都内演芸場で行われた。
鈴本演芸場(9月21日~30日)、新宿末廣亭(10月1日~
10日)、浅草演芸ホール(10月11日~20日)、池袋演芸場
(10月21日~30日)、国立演芸場(11月1日~10日)。
その真打披露の口上が行われる際、後幕(演者の後ろに貼られる幕)
に、我が町「ばあば工房」の皆さんが贈呈した幕が張られた。
そして今回の港落語会にその幕が信興寺本堂入口に張られた。
緑也さんはデビュー当時から「ばあば工房」とは縁があり、十年程
前の二つ目昇進間もなくの頃、ばあば工房の狭い空間で落語会を催
された。 その後毎年のように大須演芸場、名古屋城の本丸御殿、
港の信興寺、蕎麦屋等で落語会が在るとばあば工房の面々が団体で
参加する。柳家緑君は、ばあばのアイドル的存在である。
落語会の後、食事会等の懇談会があれば必ず参加された。
当初はとても早口であった。話題は豊富でどんな相手(老若男女を
問わず)にも気さくに話し、どんな話題にも即答する。
年を重ねる毎に、ジックリと相手の話を聴かれるようになった。
落語も新作から古典噺まで何でもこなす。歌舞伎がとても好きな
ようで、歌舞伎座へはよく出かける様だが(いつも天井桟敷とか)
歌舞伎ネタの落語「紺屋の高尾」「中村仲三」は得意の様である。
先日亡くなられた人間国宝の柳家小三治師匠(花緑の祖父小さんの
一番弟子)は生前「落語は上手く話すのではなく、登場人物にいか
になり切るかだと思います」と話されたが、身振り手振りを混じえ
たものが話芸だと言われ、この方の所作は本当に素晴らしかった。
今回の噺は関西ネタの「小言念仏」と「不動坊火焔」の古典噺。
桂米朝、笑福亭仁鶴、桂文珍や柳家小三治の特意ネタと言われる。
柳家小三治さんの「枕」(落語本題に入る前の余話)は有名で、
ここから笑いを取り、本題に引き込んでいくと言われた。
緑也さん、今回本題に入る前に真打披露興行の裏話をされた後、
名古屋の老舗料亭での落語会の折り、他の部屋で河村名古屋市長
の遠縁にあたる方々の話題に「河村名古屋市長は金メダルを噛ん
で一躍全国区の有名人になったけど、名古屋城の金の鯱が地上に
降りた際にも金鯱を齧ったんだよ、、」という話を枕に使った。
これが大受けし、(大爆笑)その後の落語も大いに盛り上がった。
次回は、「小言念仏」と「不動坊火焔」噺を紹介します、、、
今回、ばあば工房より、寄せ書き、ご祝儀、オヒネリが贈られた
緑也さんはマスク無しで、、その代わり前面にビニールの壁が、、、、
観客は全員入口で検温と消毒で、午前、午後の二部制となった。
今日の1句
寄席囃子小春日和に誘われ ヤギ爺