遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

ひょんの実

2019-10-21 16:13:56 | 日記
令和元年10月21日(月)

瓢の実 : ひょんのみ、イスノキの実

蚊母樹(イスノキ)は、マンサク科の常緑高木
高さ10~20m、樹皮は灰褐色、葉は長楕円
4~5月頃深紅色の小花を穂状に付ける。
材はその名の通り、机、椅子、柱等に使用。


木の葉に生じる虫こぶの大きさは梅の実位から
拳位迄ある。昆虫が産卵のため寄生し、異常に
発育をしてこぶの様になる、木の実の様な形で
中の虫が羽化して飛び去った後の穴を吹くと、
ヒューヒューと音が出る。
このならす音を「ひょんの笛」といい、そこか
らこの木を「ひょんの木」と称した。


この蚊母樹(イスノキ)には、本来の木の実が
あるが、俳諧では「ひょんの実」の方が目立ち
面白味が在ることから「瓢の実」として詠まれ
ることが多いようである。

ひょんの笛
虫の飛び去った「虫こぶ」は固く、空洞となっ
ていて、上手く吹くと音がでる。
マニアの方はこれを集めてきて、中をよく洗い
乾してから、穴の口をペーパーやすり等で綺麗
に仕上げる。


その大きさや形により、高い音、低い音、様々
な音が出る。これに色を塗り採色して楽しむ人
もいる様だ。


この時期になると、雑木林の中を歩いていると
クルミ位の大きさの木の実の様な物を見かける。
形はイビツで様々、手に取ると軽くて固い。
小さな穴が空いてをり、中に虫の糞の様なカス
が出てくる。 「ひょんの実」である。

私はこれを知らなかった。
以前、吟行に出かけた折り、句仲間の先輩から
その名を教えていただいた。
その方は、「子供の頃にこれを吹いて遊んだも
のだ」と言われていた。


今日の1句(俳人の名句)

ひょんの実をひょんなところで拾ひけり

            鈴木 真砂女