遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

2019-10-02 15:02:59 | 日記
令和元年10月2日(水)

葛 : 眞葛、葛の葉

葛はマメ科の蔓性多年草
茎の長さは6~9mか、それ以上ある。
太さは直径10cm以上に達し、根は太く
澱粉を採り出して薬用、食用にする。
奈良県の吉野葛が有名である。

葛切り


葛饅頭

葛は地を這い、木によじり、生命力盛んである。
葉の表面は濃い緑色で、裏側は白色の毛を帯び
る三葉で、夏の終わりから晩秋にかけて、豆の
花に似た紅紫色の花を房状に付ける。

花が終わると10cm程の褐色の毛の生えた
莢が下がる。 茎の繊維は丈夫なため、綱の
代用として使われた。

古来、詩歌の長い伝統の中では、花より葉の方
を重んじる傾向があり、ひたすら葉だけが詠み
継がれて来た様である。
葉裏の白さが風に煽られて裏返る様が好まれ、

葛の葉のうらみ貌なる細雨哉    蕪村

の様に、うらみ(裏見)を詠んでいる。

葛の葉は大きく裏返り易いところから、俳人達
も葉裏を好んで句にされている。


今日の1句(俳人の名句)

吹き渡る葛の嵐の山幾重     松本 たかし

鮎焼くや葛を打つ雨また強く   富安 風生