
昨日は伊賀市の上野天神祭を見に行ってきた。
毎年10月23日から25日にかけて盛大に行われる祭りで、もう400年以上の歴史があるらしい。
僕の生まれ育った街なので、子供のころは毎年見に行っていた、というより、行くのが当たり前だったのだが、ここ20年くらいご無沙汰していた。
今回、土曜日ということもあり、久々に天神祭を見に行ったのだが、相変わらず盛大で、伝統を守り続けているのは大したものだ。
この祭りの目玉は、鬼行列と”だんじり”と呼ばれる山車だ。
まず鬼行列だが、100人ほどの人が独特の衣装と能面をかぶり、ノッシノッシと旧城下町を練り歩く。
とくに「ひょろつき鬼」と呼ばれる、よっぱらいのようにフラフラと歩いてくるパフォーマンスはちょっとした迫力がある。
背に釣鐘を背負っていたり、斧を引きづっていたりして、客にぶつかりそうになりながらやってくるので、小さい子供は泣きじゃくる。
しかも泣いてる子を見つけると、わざと鬼は近寄ってくるので、あちこちから悲鳴のような鳴き声が響き渡るのだ。
これは、この街の子の洗礼みたいなもので、皆、この恐怖を克服して大人になっていくのだ。



そのあと、9台の”だんじり”が引っ張られてくるのだが、大阪のどこかの祭りのようなハイスピードではなく、ゆっくりと移動する。
古い街並みは道幅が狭く、しかも両脇には観光客がひしめいているので、ゆっくりでないと危険なのだ。
これらメインのほか、通常の神輿や子供の武装隊のようなもの(着物を着て、刀や槍、弓などを持って歩く行列)もある。
そういえば、僕は小学生のころ、弓隊として参加したことがあった。

日本全国、秋には収穫を祝う秋祭りが開催されるところが多い。
まだ気象衛星も何もない時代は、豊作だった場合、これは神のおかげだということで、祝いの祭りをしたのだろう。
今は、気象状況にはきちんとした理由があり、神様がどうとか非科学的なことをいう人はほとんどいない。
そういう意味からいうと、今や祭事に意味はないのだが、文化の継承ということで、続けられている。
たまに「家に神棚もないような人間が祭りうんぬん言うな」という人がいるが、それは違う。
どこの宗教であれ、無宗教であれ、一つのイベントとしてみればいい。
ハロウィンを楽しみ、秋祭りを楽しみ、クリスマスを楽しみ、正月には初詣、2月にバレンタイン、8月にはお寺へ墓参りに行けばいい。
話が脱線したが、来年の上野天神祭は、24日は土曜日、25日は日曜日なので、行けたら行きたい。