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Music Mania

No Music No Life

今年もビートルズ、ブラック、新作の三本柱

2021年01月01日 | 音楽
今日から2021年となった。
2020年はいつもにも増して音楽をたくさん聴いた年だったけど、今年も昨年に引き続き、ビートルズ、ブラックミュージック、最新の音楽という3本の軸を中心に聴いていこうと思ってる。
なんといっても昨年の夏から始めたアップルミュージックが、僕のミュージックライフに大きな影響を与えた。
幼い頃から音楽を聴いているけれど、人生最大のリスナー革命といっていい。
おかげで、テイラーの「エバーモア」もポールの「マッカートニー3」も発表したその日に聴くことが出来たし、FMで聴いた、これいいなと思う楽曲もすぐに聴き直すこともDLすることも出来る。
最初は、あまりにも便利すぎるし、コスパ良すぎるしで、これでは音楽は死ぬのでは?と思った。
しかし半年ほど使ってみて、これは音楽好きを益々音楽にのめり込ませてしまう、麻薬のようなツールだと思うようになった。
音楽系ユーチューバーのみのミュージックなんて、まさにサブスク時代の音楽ジャーナリストで、古今東西の名盤を、時間の許す限り何枚でも聴ける強みを活かしている。

というわけで、毎年年末の根気のいる地味な自宅清掃作業に不可欠なBGM。
それまではYouTubeでフルアルバムを探してたけど、今回はサブスクからいくらでも選べるのだ。

テイラー・スイフト「エバーモア」



夏に新作「フォークロア」を出したはかりなのに半年もしないうちにまたまたニューアルバムが発表された。
ライブツアーが出来ず家に篭ってる時間が長いこともあり、その分創作活動に力を入れたのだろう。
内容は前作と同じく大人しい曲ばかりで、前作よりもアコースティック色が強い。
メロディは美しく、テイラーのボソッとした歌い方にもあっている。
ただちょっと思うのは、僕は前作が発表されてすぐにDLして何度も繰り返し聴いたあとだったから良かったけど、この2枚を連続して聴いたら、どれも同じ曲に聴こえてしまうんじゃないのかな、ということ。
つまり、これだけの楽曲数に対して、内容が地味すぎるように思う。
もう少しバラエティ豊かな方が良かったのに。


ジェイムス・ブラウン「ライブ・アット・ジ・アポロ Vol.3」



ジェイムス・ブラウンのアポロシアターでのライブ盤はどれも傑作とされるけど、僕はこの「Vol.3」が最も脂の乗ってる時期のような気がする。
以前YouTubeでソウルトレインの動画をよく見てたけど、まさにその熱気がこのライブ盤に詰まっている。
もちろん音質はこっちの方が断然いいので、映像はなくとも濃いファンクが存分に楽しめるのだ。
とくに名バラードの「トライミー」が終わった7曲目から最後までずっとファンクな曲が連続するのは圧巻である。


カーラ・トーマス『ジーウィズ』



ビートルズ以前から活躍しているR &B歌手で、これは1961年発表のファーストアルバムになる。
なんといっても一曲目の表題曲である。
僕がこの曲を初めて聴いたのはまだ18か19だったけど、その頃から好きな曲で、ようやくちゃんとアルバムとして聴くことが出来た。
しっとりとしたバラードで、カーラの味わい深いボーカルのうま味が最大限に発揮されている。
アルバム全体としてはかなりポップで、60年代初頭の黒人ガールズグループに通じるものがある。


スティピー・ワンダー「インナービジョンズ」



スティービー・ワンダーがまさにゾーンに入ってる時期で、名作をバンバンと出しまくってたと言われる頃だ。
才能があふれ出して止められない状況というのは、僕のような凡人には想像もつかないけれど、70年代の彼はまさにそういう状態だったのだろう。
どれもメロディアスで聴きやすく、すでにADRにも通じるところがある。

ベテランさんの新作 その2

2020年12月20日 | 音楽
カイリー・ミノーグ「DISCO」
大ベテランのダンスポップシンガー、カイリー・ミノーグの新作だ。
この人、僕と同世代、というより同じ歳だったと思うけど、聴いた第一印象は「若い!」の一言だ。
曲も若ければ声も若い、とても50代とは思えないポップさである。
今回のアルバムタイトルが示すように、全曲ダンスナンバーで、それも80年代のノスタルジアを感じさせるものだ。
80年代回帰といえば、ディア・ロパの「フューチャー・ノスタルジア」がグラミーで何部門もノミネートされてるけど、こちらはもっと本家というか、一日の長を感じる。
やはり、随所にエレキベースやエレキギターなどアナログ楽器を使ってるのが秘訣ではないだろうか。
カイリークラスになると、一流スタジオミュージシャンを集めることが出来るという強みもあるだろう。
そしてなんといっても曲がいい。
今の若い人にはどう響くかわからないけど、50代には馴染み深い味があるのだ。

Kylie Minogue - Magic (The Late Show with Stephen Colbert)


バート・バカラック「Blue umbrella」
バート・バカラックは、もう大ベテランを通り越してもはや人間国宝みたいな人だ。
なんといっても今年92歳!
現役シンガーとしては世界最高齢の部類に入る人だが、今年ニューアルバムが発表されたのだ。
内容はすごく大人のロックというかポップスというか、本当のAORといえるもの。
そして、言われなければ誰も92歳とは思わないだろう若々しい歌声。
落ち着いていてダンディーである。
この人の歌を聴くと、ポール・マッカートニーでさえ若造に感じてしまう。

Burt Bacharach and Daniel Tashian - "Bells of St. Augustine" (Official Audio)


ルネッサンス「消ゆる風」
今年の作品ではないんだけど、今の最新作。
70年代の英国プログレッシブロック界で、独特の存在感を示したバンドだけど、現在その頃のメンバーで残ってるのはアニー・ハズラム一人である。
それはもうルネッサンスではなく、アニーのソロプロジェクトじゃないのかと、期待しないで聴いたら、予想を大きく裏切られた。
このアルバムは紛れもなくルネッサンスだった。
1曲目からかつての「シェヘラザード」を彷彿させる長い曲で、そのメロディラインやアレンジセンスはまさに全盛期の味わいが蘇っている。
アニーのボーカルは、少し老けた感はあるものの歌唱力の衰えはないし、ベースはまるでジョン・キャンプみたいに動きまくってるし、キーボードはジョン・タウトみたいに美しくテクニカルなプレイだし、ギターはマイケル・ダンフォードみたいに控えめで裏方に徹している。
ゲストの人選もすごい。
いぶし銀のような激シブのフルートを聴かせるのはイアン・アンダーソンだ。
そして枯れたような渋い歌声で参加してるのはジョン・ウェットンである。
あまり知られてないけど、ウェットンはキング・クリムゾン参加の前、一時的にルネッサンスのメンバーたったことがあるのだ。
70年代のルネッサンスが好きだった人には是非聴いてもらいたいアルバムだ。

Renaissance- Symphony Of Light


ブルース・スプリングスティーン『Letter to you」
言わずと知れた大御所、ブルース・スプリングスティーンである。
僕はとくに彼のファンというわけではないけれど、昔はよく聴いた。
とくにアルバム「ボーン・イン・ザ・USA」はとても好きなアルバムだ。
でもこれ以降はほとんど聴いていない。
そして今回の新作だが、僕のよく知ってるブルース・スプリングスティーンそのものだった。
僕が聴いていなかった30数年間どういう感じだったのかよくわからないけど、この新作はあの頃の良さがそのまま残ってるように思える。
哀愁を感じさせるメロディラインや、広い大陸をイメージさせるスケールの大きなアレンジなど、やっぱブルース・スプリングスティーンいいよね、となる。
バックバンドはEストリートバンドだ。
僕はブルース・スプリングスティーンのバックバンドはいつでもEストリートバンドなのかと思ってたけど、案外そうではないらしく、1988年に一度解散してるらしい。
そして今回が久しぶりの再結成なのだという。
そうか、そういうことなのか。
だから、このアルバムはあの頃の良さが発揮されてるのだ。

Bruce Springsteen - Letter To You (Official Video)


ベテランさんの新作 その1

2020年12月06日 | 音楽
今日はベテラン勢のニューアルバムから。

AC/DC「パワーアップ」



兄のマルコムがなくなってもうAC/DCは終わりかと思ったが、同じヤングファミリーのスティービー・ヤングが加入して復活。
しかし今度はブライアンが厳しい状況になり、代わりにアクセル・ローズが入ってライブをこなす。
そんなこんなでバタバタしてたAC/DCだけど、今年ニューアルバムが出た。
安心して聴けるAC/DCロックで、もはや保守的とか金太郎飴とかそういうのではなく、伝統芸能を受け継いでるみたいなものだ。
ブライアンは完全復活してるし、スティービーのギターも言われなければマルコムだと思ってしまう。
AC/DCはこれでいいのだ。

マドンナ「マダムX」



マドンナはいつでも攻めの姿勢を崩さない。
この人クラスになると、もう固定ファンも多いし、前作と同じようなアルバムを作っても批判されないし、ファンも喜ぶだろうし、アルバムチャートでは首位を獲得するだろう。
それでもこんな攻めたアルバムを出すのはとてもタフな精神力だ。
それはいいとして。
今回の新作は、僕にはぜんぜんいいと思えなかった。
次作は期待しよう。


オジー・オズボーン「オーディナリーマン」



オジーの10年ぶりの新作は予想以上に良かった。
今回はモダンなメタルというかソフト路線だけど、その分メロディの良さが際立っている。
現代の時代感覚と従来のオジーらしさが上手くブレンドされていて、なかなかの傑作じゃないだろうか。
音源を聴く限りにおいては、オジーのボーカルに不安はなく、なんと言っても唯一無二の「声」の持ち主という強さがある。
オジーが歌うと、その声、歌メロに安定感があり、そんな彼のボーカル中心の音作りになっている。
その分ギタリストの存在感は薄いが、それも時代の流れだろう。


エース・フレイリー「オリジンズ VOL.2」



エースの新作はカバー集だ。
歳をとると新しい音楽を聴かなくなるという人は多いが、自分の好きなアーティストでさえ新作は聴かないという、リスナーとして死んでるような人もいる。
そんな人でもこういうカバー集なら気楽に聞くことが出来るだろう。
ヘタにオール新曲のニューアルバムを出すよりリスクは少ないかもしれない。
内容はビートルズ、ストーンズ、ツェッペリンなど、ロックのスタンダードが、ほぼそのままのアレンジでカバーされている。
それでもエースのギター、エースのボーカルで聴くと、しっかりエースミュージックに聴こえるから不思議だ。


サイレンチウム「モティバ」



サイレンチウムはフィンランドのメタルバンドで、1996年デビューだからもうベテランの域に入ってる。
とは言っても、おそらくパッとしないバンドである。
日本で大した人気がないのは仕方ないとしても、おそらく本国でもマニア向きなバンドだろう。
どういうわけか僕はこのバンドがわりと好みで、全部のアルバムを聴いている。
とくにボーカルが今の人に変ってからがいい。
今回のアルバムも、目新しさはないもののサイレンチウムらしいメタルサウンドで、ときには燃える様に激しく、ときには悲しく美しい様が楽しめる。

みのミュージック洋楽ランキング

2020年12月05日 | 音楽
みのミュージックランキングの洋楽編が発表された。

リスナーさんが選ぶ洋楽ランキング100-30位


リスナーさんが選ぶ洋楽ランキング29-1位


こちらの方がしっくりくるというか、知ってるアルバムが断然多く、48枚が聴いたことのあるアルバムたった。
それも、邦楽編より納得のいくアルバムが多いので、このランキングはとても自分好みである。
みの氏も言ってるけど、ある意味日本人らしいランキングだと思う。
とくにクリムゾン「レッド」「宮殿」イエス「危機」などはローリングストーン誌のランキングには入ってこないし、全体的に見てブラックミュージックが少ないのも日本的だ。
というか、もしイギリスでこういうランキングをすれば、案外これに近いような気もする。

なんとなくみのミュージックリスナーらしいと感じるのは、ニルバーナの評価が高く、メタル系の評価が低いところだ。
邦楽編でもそうだったけど、メタルに厳しいのは米ローリングストーン誌も同じだ。
また、ビートルズが中後期が多く、ファンに人気の「ヘルプ!」や「ハードデイズナイト」が入っていないのも面白い。
そして、ストーンズからは60年代後半から70年代初めに集中していて、「女たち」や「刺青の男」が入っていないのもみのミュージックリスナーらしい。

97位 The Beatles「For Sale」
    Miles Davis「Kind of Blue」
95位 Queen「Greatest Hits」
91位 Jimi Hendlix「Electric Ladyland」
87位 The Doors「The Doors」
    John Lennon「Plastic Ono Band」
85位 Aerosmith「Rocks」
81位 Led Zeppelin「House of the Holy」
78位 Stevie Wonder「Songs in the key of Life」
76位 The Beatles「Please Please Me」
75位 Steely Dan「Aja」
    Billie Eilish「When We All Fall Asleep Where Do We Go」
70位 King Crimson「Red」
66位 Derek and The Dominos「Layla and Other Assorted Love Song」
65位 Michael Jackson「Off the Wall」
64位 Prince and the Revolution「Purple Rain」
62位 The Rolling Stones「Sticky Fingers」
60位 Queen「Sheer Heart Attack」
56位 AC/DC「Back in Black」
54位 Led Zeppelin「Physical Graffiti」
43位 The Rolling Stones「Beggars Banquet」
42位 The Rolling Stones「Let It Bleed」
    Eagles「Hotel California」
39位 Yes「Close to the Edge」
37位 Led Zeppelin「Led Zeppelin」
36位 Red Hot Chili Peppers「Blood Sugar Sex Magik」
33位 Led Zeppelin「Led Zeppelin II」
32位 The Rolling Stones「Exile on Main St.」
31位 The Beatles「Magical Mystery Tour」
27位 Michael Jackson「Thriller」
23位 Queen「Queen II」
22位 King Crimson「In the Court of Crimson King」
19位 David Bowie「The Rise and Fall of Ziggy Stardust 」
18位 Nirvana「In Utero」
17位 Sex Pistols「Never Mind the Bollocks Here’s the Sex Pistols」
16位 Queen「A Night at the Opera」
15位 Radiohead「Kid A」
13位 The Beach Boys「Pet Sounds」
10位 Led Zeppelin「Led Zeppelin IX」
9位  The Beatles「Rubber Soul」
8位  The Beatles「Sgt Peppers Lonely Hearts Club Band」
7位  The Beatles「The Beatles」
6位  Pink Floyd「The Dark Side Moon」
5位  Radiohead「OK Computer」
4位  The Beatles「Abby Road」
3位  The Beatles「Revolver」
2位  Nirvana「Never Mind」
1位  Oasis「Morning Glory」

ポジションズ

2020年11月22日 | 音楽
今週のアメリカンヒットチャートは、2位にアリアナ・グランデ「ポジションズ」が入っている。
最近発表されたニューアルバムからの曲で、ポップなサウンドが心地よい。
ただ、アルバムを通しで聴くとどれも似ていて、せっかくのこの曲も埋もれてしまうのは残念だ。
ダベイビー「ロックスター」はランク落ちしたけど、かなりのロングヒットだった。
ザ・ウィーケンドはまだ5位、こちらもロングヒット中だ。

Ariana Grande - positions (official video)


ここ最近よく聴くアルバム紹介。

エイヴァ・マックス「ヘブン・アンド・ヘル」



期待の新人とされるシンガーソングライターで、メロディアスなダンスポップである。
このメロディラインが僕のツボにはまった。
似たようなダンスポップは数多いけど、エイヴァ・マックスはこのメロディがいいのだ。
そう感じる人は思いの外多いようで、いきなり世界的な大ヒットを飛ばしている。


アイドルズ「ウルトラ・モノ」



ポストパンクとかオルタナティブとか言われてるけど、僕にはゴリゴリのパンクに聴こえる。
それも70年代80年代のソレではなく、現代的な味付けでパンクをやってる。
そして、こんなパンクなアルバムが全英1位ってのもスゴい。
アメリカと違い、英国ではまだロックは死んでいないのかもしれない。
 
アルバート・キング「ブルース・アット・サンライズ」



アルバート・キングの1973年のライブで、とても骨太なブルースギターが聴けるアルバムだ。
モントルージャズフェスティバルでの演奏で、代表曲「アイ・プレイ・ザ・ブルース・フォー・ユー」のライブ演奏が聴ける。
レコードで聴けるクリアな音色ではなく、わりと歪んでいて、すごく音が太い。
どんなゲージを使ってるのか知らないけど、とても太い弦を張ってそうな音である。
そんな張力の強い弦をチョーキングしたりビブラートしたりするのってすごく大変そうだけど、アルバート・キングなら軽々やってそうだ。

アルバート・キング「ブルース・フォー・エルビス」



こちらもアルバート・キングで、エルビスのカバー集である。
ポップスが白でブルースが黒なら、ロックンロールは黒に近いグレーだ。
なので、ブルースマンがカバーするロックンロールに違和感はない。
というより、エルビスのヒット曲がブルースになっていて、元々がこういう曲だったかのようにしっくり出来上がってる。