たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

人材もカンバン方式

2006-09-09 09:26:33 | Weblog
 十数年前のバブル崩壊後、不況で物が売れなくなり企業では生産を手控え設備の稼働率は大幅にダウンした。しかし従業員はおいそれとは減員できないため多くの余剰人員を抱えることとなった。これが企業経営を圧迫し困難な時期が続いた。この苦い経験を踏まえ、その後企業では正社員を最小限に抑え、派遣社員やフリーターの比率を高めた。「必要な時に必要なだけの人材を」というわけだ。
 現在新聞各紙は小泉政権の終わりに臨み、5年間続いた政権の功罪が検証されている。その影の部分として「格差社会の拡大」が問われている。とりわけ正社員とそうでない者との間の給与格差は広がる一方だと指摘されている。街角インタビューでも「われわれ派遣社員は会社で使い捨てにされる部品だ」と答えていた。確かにそうした面もある。一方企業側からすれば国際的価格競争を勝ち抜くためには人件費を抑制せざるを得ないとする。
 能力に応じて待遇に格差があるのは社会を活性化させ、生産性も上がる。そうした面で格差社会は一般的には容認される傾向にある。政治家はよく「日の当たらないところに日を当てるのが政治の役目だ」というが、政策としては制度的な機会の平等の確保が限度ではないか。好むと好まざるとにかかわらず、競争原理は世の常である。