山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

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知的障害者等への意思決定の担い手

2012年12月01日 | 自立支援
 知的障害者の「意思決定支援」の考え方や課題について整理した、いい論文を見つけた。
 
 その論文は、柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16)である。
 その論稿を、分割してずっと紹介している。

 その第23回目。
 知的障がい者等に「意思決定支援」の概念を導入することは画期的なことである。
 そして、支援の担い手の普及・拡大が成功のカギを握る。
 その支援者のあり方が次に記されている。
          
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【引用始め】

柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16) 
「発達障害研究」第34巻3号掲載予定http://homepage2.nifty.com/hiroya/isiketteisien.html より

Ⅳ.意思決定支援についての課題

6.意思決定支援についての諸課題

 ◯ 知的障害者等への「意思決定支援」の概念の導入は、
 保護の客体から権利の主体への価値観の根本的な変革であり、
 種々にわたる広範囲の課題がある。

 ◯ 知的障害者等への意思決定の担い手は多様である。
 ① 最も身近な家族、
 ② 訪問系事業・グループホーム・日中活動支援・就労支援・施設入所支援等の日常生活における直接支援職員、
 ③ 相談支援職員や権利擁護職員・成年後見人等、
 ④ その他様々な支援者があるが、特に
 ⑤ ピアサポートと
 ⑥ 市民サポートは今後強化する必要のある担い手である。

 ◯ ピアサポートとは、
 同じ障害のある人相互による支援であり、
 障害者権利条約26条でもリハビリテーションでの活用が特記されている。
 知的障害者に必要なのは青年期のハビリテーション(自己確立支援)であるが、
 同様にピアサポートの活用が重要である。
 また知的障害者の当事者活動(本人活動)を支援すること、
 育成会組織等への参加を進めることも重要である。

 ◯ 市民サポートとは、
 知的障害者等に1対1でボランティア的に関わる市民の活動であり、
 友人として話し相手をしたり、
 時には一緒に遊びに行く。
 スウェーデンではコンタクトパーソンという。
 日本でも横浜市が「後見的支援制度」として「安心サポーター」を推進している。
 ビフレンダー(to be a friendからの造語)など類似の取組が徐々に増えているが、
 積極的・組織的な推進が望まれる。

【引用終わり】

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 知的障がい者等に対する「意思決定支援」の担い手は、直接関係する支援者(家族・事業所職員)だけでなく、地域住民を含んだサポート体制を整備することが重要である。
 それには育成会の役割が大きい。
 ピアサポート、市民サポートを今後いかに取り入れるか。
 それを推進していく方策をどうしていくか。
 全日本育成会組織としての取り組みが始まっている。
 ただ、会員一人一人のそれに関する理解向上こそ重要な要素となる。
 (ケー)


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