山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

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知的障害者の会議参加・本人活動参加等への支援

2012年11月30日 | 自立支援
 知的障害者の「意思決定支援」の考え方や課題について整理した、いい論文を見つけた。
 
 その論文は、柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16)である。
 その論稿を、分割してずっと紹介している。

 その第22回目。
 知的障がい者が公的な会議に参加できるようになっているという話しも聞くようになった。
 しかし、そうした機会が設けられても企画者側の配慮が不十分で、もう二度と参加したくないと本人が言ったという例もある。
 知的障がいある本人が委員として会議に名をつられても、形式的な参加に終始している。
 そうした課題解決の留意点が、次に述べられている。
          
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【引用始め】

柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16) 
「発達障害研究」第34巻3号掲載予定http://homepage2.nifty.com/hiroya/isiketteisien.html より

Ⅳ.意思決定支援についての課題

5.知的障害者の会議参加・本人活動参加等への支援

 国の「政策委員会」や各種会議への知的障害者の参加を進めるべきである。
 参加する時の支援者の役割は、

 ① 会議前の事前準備への支援、

 ② 会議中のわからないときの支援、

 ③ 会議後のまとめの支援などである。

 あくまでも本人の決定を尊重して支援者の価値観を押し付けないこと、
 本人が支援者を選べることが重要である。
 障害者総合支援法で加えられた障害者等の活動支援事業によって、
 このような支援者を養成・派遣できるとよい。

 知的障害者が加わる会議においては、
 参加者全員が、ゆっくり話す、
 わかりやすい言葉や文章・資料を使う、
 本人がわかるまで待つなどの合理的配慮が必要である。
 また、参加する比較的軽度の知的障害者が知的障害者全般を理解して発言することは一般的には難しい。
 支援する立場の職員や家族の参加も必要である。

【引用終わり】

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 知的障がいのある本人が、公的な会議に委員として選ばれて、意見を述べることが求められたら、企画者・本人・支援者がよく連携して事前準備に努める必要がある。
 企画者には本人にもわかりやすい配布資料を作成してもらう。
 本人と支援者は、資料に基づいて事前に質問や意見をまとめておく。
 会議に際しては、資料にそって進行してもらい、話題が資料からはずれないようにお願いする。
 会議参加者にも知的障がいのある本人がいることを理解してもらい、わかりやすい発言をしてもらう。
 こうした会議がうまくいくようにするには、企画者・本人・支援者・会議参加者全てが、本人参加の意義を納得して、それに配慮したきめ細かな対応がぜひ必要となる。
 このことはまだまだ経験不足で、十分な対応がなされていない。
 今後多くの事例を積み上げ、本人も、参加した人たちも、意義ある会議が実現できるようにすべきである。
 本人たちが直接意見を公式の場で述べることの意味は大きい。
 「私たちぬきで私たちのことを決めないで」という趣旨にそって、意見を反映することにもなる。
 (ケー)


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