山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

意思決定の支援への配慮は知的障がい者権利獲得の一里塚

2012年12月05日 | 自立支援
 知的障害者の「意思決定支援」の考え方や課題について整理した、いい論文を見つけた。
 
 その論文は、柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16)である。
 その論稿を、分割してずっと紹介してきた。

 その第26回目。これが最終回となる。
 「意思決定支援」は知的障がい者等の権利を重んずる重要な観点である。
 関係者がその重要性を理解し、適切な支援の実現に取り組む必要がある。
 以下に、まとめとしてその経緯を述べている。
          
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【引用始め】

柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16) 
「発達障害研究」第34巻3号掲載予定http://homepage2.nifty.com/hiroya/isiketteisien.html より

Ⅴ.終わりに

 戦前、「妻」は準禁治産者と同様の行為無能力者とされ、
 さらに女性は選挙権も与えられなかったが、
 今ではその事実がほとんど忘れられている。
 現在は成年被後見人・被保佐人とされた知的障害者等の行為能力が制限され、
 さらに成年被後見人には選挙権が与えられていないが、
 それが昔話となる日の来ることを信じたい。

 障害者権利条約12条は、
 全ての知的障害者等が「権利の主体」となるために、
 「意思決定支援」を国に求めている。
 今回の法改正で、
 障害者基本法や障害者総合支援法・知的障害者福祉法に
 「意思決定の支援への配慮」が明記された。
 これは障害福祉分野で同条約12条を具体化するための極めて重要な出発点であり、
 知的障害者等の権利獲得の一里塚でもある。

【引用終わり】

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 知的障がい者等に対する「意思決定支援」が日常的に当たり前になる社会が求められている。
 それが「共生社会」の実現とも言える。
 知的障がい者等の権利を尊重する世間にするため、今まで以上に育成会の力を発揮する必要がある。
 本人を含めて、家族・関係者が主体的に結集する仕組みである。
 行政任せ、他人任せ、役員任せでなんとかなる時代でない。
 大声出して、要求だけつきつけて、自分たちは責任を負わないでは、世間を変えることができない。
 育成会に集う一人一人が今できる「意思決定支援」のあり方を追求する。
 それが本人の権利擁護・拡大につながる。
 (ケー)


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