山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

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パーソナルアシスタントの活用

2012年11月26日 | 自立支援
 知的障害者の「意思決定支援」の考え方や課題について整理した、いい論文を見つけた。
 
 その論文は、柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16)である。
 その論稿を、分割してずっと紹介している。

 その第18回目。
 知的障がい者の日常生活を個別的に支援するパーソナルアシスタントが、うまく運用できるようにする制度の必要性が、次のように提案されている。
        
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【引用始め】

柴田洋弥著「知的障害者等の意思決定支援について」(2012-07-16) 
「発達障害研究」第34巻3号掲載予定http://homepage2.nifty.com/hiroya/isiketteisien.html より

Ⅳ.意思決定支援についての課題

1.パーソナルアシスタンスと意思決定支援

 パーソナル・アシスタンスは身体障害者のアドルフ・ラツカ氏が提唱した。
 その特徴は、障害者の自立生活協同組合でアシスタントを雇用し、
 利用者がアシスタントを自ら選び、
 訓練して自身の介護をゆだね、
 利用者は自ら有意義と思う活動を行う事にある。
 障害者権利条約19条では、地域生活のための重要な支援とされている。

 わが国でも、重度訪問介護ヘルパーを雇用し運用する身体障害者自立生活運動が活発化している。
 岡部耕典氏は知的障害者等について
 「日常生活における自己決定支援は、
 本人が選択し、
 日常生活を共にするパーソナルアシスタントが担う便宜のひとつとして提供されるのが最も現実的であり、合理的であろう」として、
 相談支援や成年後見制度はそれを補完し監視する役割であるとしている。
 また、グループホームに代わる知的障害者の居住支援システムとして、
 パーソナルアシスタント等によるサポーテッドリビング・サービスに期待している。

 障害者総合支援法では、
 重度訪問介護が知的障害者等に拡大されるとともに、
 常時介護を要する障害者等に対する支援、
 障害者等の移動の支援が検討項目に加えられた。
 通所事業・グループホームなどの集団的支援よりも、
 訪問系の個別的支援の方が知的障害者等の意思決定支援は行いやすく、
 その拡充を期待したい。
 ただしアシスタント管理を知的障害者等が自ら行うことには困難があり、
 密室化した支援関係の中での問題も生じやすいので、その対策が必要である。

【引用終わり】

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 パーソナルアシスタントとは、個別に対応してくれる相性のいい世話人といったところである。
 個々の知的障がい者のニーズに即したサービスを実現できる、アシスタントが配置できるようする。
 スピーディーにきめ細かく安定的に知的障がい者の意思決定支援ができるシステムの構築には、パーソナルアシスタント制度は一つのアイデアと言える。
 (ケー)
 


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