〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(107)

2016年05月14日 16時50分50秒 | エッセイ
三六年一月
窓の向うに庭がある。ぼくにはその壁しか見えない。それに、光の流れる葉の茂みが。もっと上の方にも葉の茂みがある。さらにその上は太陽だ。戸外で感じられる大気のこのまったくの喜び、世界にふりそそがれるこのまったくの歓喜のなかで、ぼくには、白いカーテンに戯れる樹々の葉かげだけが感知できる。それに、室内に枯れ草の亜麻色の匂いを辛抱強くふりそそぐ五筋の光線。そよ風が吹く。影がカーテンの上をゆれ動く。一片の雲がかかる。そしてまた太陽が顔をのぞかせる。すると、かげっていた花瓶のミモザの黄色が燃えるように輝く。それでもうじゅうぶんなのだ。生れ出たこのたった一条の光のきらめき。それだけでぼくは、漠とした眩(めくるめ)く喜びにひたされてしまう。………
「太陽の讃歌 カミュの手帖---1」カミュ 高畠正明訳 新潮文庫 昭和49年
                            富翁
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勤めていた会社のOB会に出席

2016年05月14日 06時59分21秒 | エッセイ
九段下の某高級ホテルにて午後5時から。
会社幹部より社の現況報告あり。呆然と聞き流す。
30余年前はわたしがこの集いを担当していた。
まさか自分が呼ばれる側にいるとは。

ひさかたの 光あふれる 会場に
並ぶ高級 料理をパクつく
どれもこも 見たことある顔 老けました
こころなしか 人の数減りたり
OB会も 世代交代 進みます
この世あの世と 忙しき我ら
安楽
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