明日は

九月なる 暦が来ていて 何思う
瑕瑾節々 心が痛みて

或る刻に 秋がすざって 消えていく
そんな悲しみ 誰が止めるか

残暑なり いつまで暑苦は 包むのか
暮れ行く感情 いつまで包む

安楽

千三句集（１３３）

台風であり続ける台風はなし恋の道
　富翁

八月末日に寄せて

梨を喰う　手つき朧げ　古書を読む
漢和辞書　引きつつふむふむ　感心す
明治の頃　今を凌ぐか　知見識る
空の皿　梨の汁のみ　残るなり

安楽

千三句集（１３２）

（シダー・ウォルトン逝く）
モザイクを聴かせてよシダー天国で
　富翁

最短願い

東電よ　汚染流すな　海守れ

つねお

ジャズ

今夏の暑さ身体はマイルスデービス
シャワーばかりで肩がコルトレーン
ジャズを聴いてのんびりしたい

先輩

千三句集（１３１）

はだしのゲン入ったり出てきたり忙しき
　富翁

腹が減る

暑さ過ぎ　ようやくおなかも　復調す
胃袋くんも　やいやいうるさい

昨日は　近所のラーメン　セット喰う
チャーシュー丼　特製ラーメン

煮卵を　トッピングにて　別注す
こりゃまた美味いの　たまりませんわい

安楽

日本の九月

陽の光炎天よりも優しくて
日蔭の長さ日に日に長く

野わけ来て気温も下がり稲たわわ
瑞穂の国の水縁深し

先輩

千三句集（１３０）

炎天や樹木の影も黒々と
　富翁

炎夏、終焉す

ようやくに 爽やかな眼に 飛び込んで
朝顔ゆっくり 萎みゆくなり
安楽

千三句集（１２９）

虫の音や身辺整理雑記帳
　富翁

秋近し

ありの実の一切れごとにみずみずし

朝涼しタオルケットにくるまれり

先輩

千三句集（１２７）

遠くからハモニカの音夏終る
　富翁

内神田

懐かしのランチと飲み屋内神田
ビルディングへの変身多く

入れ替わり飲食業の常なれど
安くて美味し店の残りて

内神田サラリーマンの思い出
貴方が神田小指の思いで

先輩