〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(106)

2016年05月13日 15時00分37秒 | 小説
「というのも」とコルムリイが続けた。「私が若くて、たいそう愚かで、しかもたいそう孤独であったとき(アルジェでのことを覚えていらっしゃるでしょう?)、あなたは私の方を向き、そんな様子も見せずに、この世で私が好きなすべてのもののドアを開いてくれたからです。」
「ああ!君には才能があった。」
「確かにそうです。でもどんなに優れた者でも、手引きをする者を必要としています。いつの日か人生の途上であなたと歩みを共にする者、その人はいつまでも愛され、尊敬されるはずです。たとえその人からでたことではないにしても。私はそう確信しています!」
「最初の人間」カミュ 大久保敏彦訳 新潮文庫 平成二十四年
                         富翁
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