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〈川俳会〉ブログ

俳句を愛する人、この指とまれ。
四季の変遷を俳句で楽しんでいます。「吟行」もしていますよ。

拾い読み備忘録(180)

2018年06月10日 17時37分44秒 | 評論
そんなある日、耳を疑うような事実を知ったのです。
それは米軍・普天間基地のある沖縄県宜野湾市の市長だった伊波洋一さん(現参議院議員)が、講演で語っていた次のような話でした。
「米軍機は、米軍住宅の上では絶対に低空飛行をしない。それはアメリカの国内法がそうした危険な飛行を禁止していて、その規定が海外においても適用されているからだ」
「????」
一瞬、意味がよくわかりませんでした。
私は沖縄で米軍基地の取材をしている最中、米軍機が市街地でギョッとするほどの低空飛行をする場面に何度も遭遇していたからです。
「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」 矢部宏二 講談社現代新書 2017年8月20日
富翁
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拾い読み備忘録(177)

2016年11月09日 22時25分06秒 | 評論
アナクシマンドロスはプラクシアデスの子でミレトスの人。この人は無限(定)なもの(ト・アペイロン)を(万物の)始元や元素であると主張して、それを空気とか水とかその他のものとして限定することはしなかった。そしてその部分部分は変化するけれども、全体は不変なものであるとした。・・・・・
「ギリシア哲学者列伝(上)」デイオゲネス・ラエルテイオス著 加来彰俊訳 岩波文庫 1984年
                                  富翁
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拾い読み備忘録(167)

2016年09月15日 16時28分43秒 | 評論
本当に鑑賞力のある精神の中では、知覚したものは塊りとなって積みかさなるのではなく、組織となって形をととのえるのである。批評とはこの組織の言葉で書いたもので、それは感受性の展開なのである。また別の方から言うと、拙劣な批評とは情緒の表現にすぎないものだ。
(「完全な批評家」より)
「文芸批評論」T・S・エリオット 岩波文庫 昭和13年
                        富翁
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帯状疱疹[ヘルペス」

2016年06月28日 12時03分38秒 | 評論
どうも左胸近辺が痛いと思っていたら、帯状疱疹の症状であった。早期発見で
抗ウイルス薬を飲むことになったので、早く良くなるのではと気が楽になった。
心電図をとるときにベテランの看護師さんが発見してくれた。事前に話を受けてくれて
いたことと、やはり気転のきく看護師さんでよかった。病院通いが恒例になる高齢者。
医者の言うことを聞かざるを得ない弱者で親身になって聞いてくれる看護師さんも大事だと
つくづく思う。帯状疱疹はストレスからくる病気。いろんなストレスがたまっていたのかな。
先輩
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拾い読み備忘録(125)

2016年06月12日 20時13分41秒 | 評論
私の書いてみたいのは、病者の王国に移住するとはどういうことかという体験談ではなく、人間がそれに耐えようとして織りなす空想についてである。実際の地誌ではなくて、そこに住む人々の性格類型についてである。肉体の病気そのものではなくて、言葉のあやとか隠喩(メタファ)として使われた病気の方が話の中心である。私の言いたいのは、病気とは隠喩などではなく、従って病気に対処するには――最も健康に病気になるには――隠喩がらみの病気観を一掃すること、なるたけそれに抵抗することが最も正しい方法であるということだが、それにしても、病者の王国の住民となりながら、そこの風景と化しているけばけばしい隠喩に毒されずにすますのは殆ど不可能に近い。そうした隠喩の正体を明らかにし、それから解放されるために、私は以下の探求を捧げたいと考えている。
「隠喩としての病」スーザン・ソンタグ 富山太佳夫訳 みすず書房 1982年
                                 富翁
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拾い読み備忘録(116)

2016年05月28日 17時59分50秒 | 評論
「アルジェの戦い」LA BATTAGLIA DL ALGERI(1965)
………・
ポンテコルヴォはアルジェリア政府から財政的援助を受け、映画は反植民主義を標榜しているが、残虐行為と報復措置の悲惨なシーンは驚くほど公平に敵対する両勢力と悲惨な人的被害を描いている。最初から最後まで目を釘づけにする作品だが、特に圧巻なのは、アルジェの旧市街カスバの女たちが検問を通り抜けて、空港のラウンジや簡易レストランに原始的な爆弾を設置する一連の場面。そこではなにも気づかずにポップソングに合わせて踊っていたフランスの少年たちが、悲惨な結果に巻きこまれる。ポンテコルヴォ自身とエンニオ・モリコーネによる楽曲もすばらしい。(AE)
「死ぬまでに観たい映画1001本」ネコ・パブリッシング 2004年
                             富翁

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拾い読み備忘録(111)

2016年05月18日 22時18分37秒 | 評論
ほどよく習慣化された「期待」とともに映画館に出かけて行けば、凡作に接して苦笑することさえが、それなりの楽しみとして保証されていた時代と異なり、国民一人あたり一年に平均一本しか映画を見なくなってしまったいま、「期待」は映画そのものの生死を左右しかねぬせっぱつまった表情におさまっている。こうした「期待」の硬直化は、映画を、日常的な体験からはほど遠い一発勝負の賭け事のようなものに変質させており、それを敏感に感じとってしまった観客たちは映画館に足を運んでもどこか居心地が悪く、ちょっとでも見ている映画の出来が悪いと、もう金輪際映画など見てやるものかとつぶやいてしまいがちだ。現在、映画はこのつぶやきに対して驚くほど無力なまま、それにふさわしい戦略を組織しえずにいる。
「映画狂人日記」蓮實重彦 河出書房新社 2000年
                    富翁
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雨男

2016年05月18日 12時06分35秒 | 評論
今年4回目のゴルフ前回に続いて雨となった。いままで晴男だったのに、
ハーフだけまわってリタイア―、老人のコンペだから無理は禁物だ。
しかし元気な老人が多いこと、雨風なぞなんのそのである。脱帽!
先輩(水もしたたるいい男)


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拾い読み備忘録(110)

2016年05月17日 16時49分34秒 | 評論
第三章「肉体」の時代――山田風太郎
………
『戦中派虫けら日記』(原題『滅失への青春』一九七三年)と『戦中派不戦日記』(一九七一年)を書き残した山田誠也(風太郎の本名)青年は、自分が人間なら、この国の他の人間(国民)は人間でなく、他のみんなが人間ならば、自分は人間ではない。すなわち、「間」であり、その頃の常套語でいえば「非国民!」という非難を浴びることを甘んじなければならない存在であると思っていたのではないか。それだけ、戦中派の彼にとって、戦時中の日本人は狂気じみて見えていたのである。
………
「日本の異端文学」川村湊著 集英社新書 2001年
                     富翁
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