クルマの白物家電製品化のこと

　だいぶ昔記した文章だが、若干修正して再掲載してみる。家電製品に白物という製品がある。洗濯機や冷蔵庫に代表される様な製品を表し、どのメーカーの製品を購入しても、大して性能も変わらず、安ければ良いという様な製品を、ある意味で揶揄した言葉であろうと思のだ。

　今、クルマも、もしかするとこの白物家電への動きと同様の流れを辿っている様にも感じられるのだ。今や国産車であれば、何処のメーカーでも、同等クラスのクルマは価格も同等、欠点らしいものも見られず、クルマを単なる移動手段のみで考えれば、大差はないと思う方も一杯いるのではないだろうか。

　確かに商用車などでは、それで良いのであろう。しかし、私は冷蔵庫や洗濯機を購入する様な視点で、クルマを選択する気持は毛頭ないのだ。クルマとは、走る、曲がる、止まるという基本機能と共に、運転する感激、眺め楽しむ喜び、あるときは壊れたクルマを直す喜び等々、趣味的要素が欠かせないものだと思うからなのでもあるのだ。

　ＢＭＷ社がかつて云っていた「駆け抜ける喜び」、これを忘れ去ったメーカーは、ただただ安ければ良いというものであって、日本のクルマメーカーが目指すべき姿ではないと信じている。（が、残念ながらそうなりつつある様だ）そういうクルマは、失礼ながら中国、韓国、インド辺りにまかせておけば良いのだろうと思うのだ。