私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

三菱自動車の悪口散々

2016-11-10 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 クルマに限らず世界的な大競争時代に入り久しい訳だ。こんな中、自動車メーカーでも、とりあえずトヨタ、ホンダ、ダイハツ、スズキ辺りは大丈夫だろうが、その他メーカーは今後どうなることやらと想像せざるを得ないのだ。

 最近、日産が実質吸収することになり、やや危機感は薄らいだが、やばそうなメーカーが三菱自動車だろう。これは私見だが、そもそも大三菱コンツェエルンという企業群のそれぞれ(ニコンなど特例外はあるが)に、あまり良いイメージを持たない。しかし、必ずしも財閥系でなく、近年成り上がった大企業においても、同じ様な思いを持つことは多々ある。その理由は、それら企業が掲げる企業理念と、実際に行っていることの乖離が大き過ぎることや、経営者と称する者共の、余りに身勝手な発言を聞く機会が多いからでもるのだ。

 そんな、財閥企業群の中で、特に親方日の丸の「お坊ちゃま」企業が三菱自動車だと思ってる。想像だが、他の三菱系企業(金曜会と云われるグループ)の経営陣達は、「どうしようもねえなぁ!」と機会がある毎に嘆いているのではないだろうか。10年近く以前の大量リコール隠蔽もそうだし、今年の初めに発覚した燃費偽装もしかりで、この会社は危機管理の意識が極めて希薄で、太古の恐竜の様に指先の知覚が脳に達するまでのタイムラグが、あまりに大きすぎる会社だろうと想像しているのだ。

 この三菱自の作ってきたクルマの、総て悪いとまでは思ってないが、やはり多くの人々の支持を受けぬ製品が多すぎた故、業績は向上しなかったというのが結果だろう。その大きな要因は、デザイナー(エンジニアリングと意匠)の追求不足であって、それは結局は首脳陣の問題意識の希薄さを表すものだ。そして、生産システムの旧態依然さにもあると感じるのだ。この生産システムの旧態依然さを表すものに、ここのクルマのプラットフォームの作り方で感じられることだが、リヤエンドパネルの組み付け順序のことを例として記してみよう。クルマのボデーの生産ラインの順序を大まかに示すと、プラットフォーム(床部分)から組立が始まり、その後にサイドパネル、最後にルーフパネルというのが、大まかな順序となる。ところで、このメーカーのバックパネルは、プラットフォーム(床部分)の組立時に既に装着されており、その後にサイドパネルが組み付けられるという順序となっているのだ。(他メーカーは最後にリヤエンドを付けている)つまり、サイドパネルに対し、バックパネルが内側となるパネルの合わせ構造となっているのだが、国内ではこのメーカー以外で、この様な構造にしているメーカーはない。この様な組み付け構造は、後部衝突において比較的に取替頻度の多いリアやエンドパネルの取替に際し、旧品を取り外し難く(粗切りなどしなければ抜けない場合も多々)、新品を取り付け難い(無傷の隣接パネルめくり上げねば入らない場合も多々)という難点を生じているが、昔から変えようともしないのがこの会社の気風の代表例なのだと感じている。

 話は変わるが、アイというこの会社の軽自動車がある。スタイルとしては、独自性があって後部のデザインを除いては悪くないと感じる。想像だが、多分この会社にこの様なデザイン能力がある者なんかいるはずなく、外部委託のデザインが基本なんだろうと想像している。パッケージングについても、今やFF車オンリーといえる現実的な選択の中にあって、あえてミドエンジン(実質はRRに近い)という、独自のプラットフォームまで開発して発売しているのだから、新しい提案をするという意味においの企業活動として悪くはないとは思うところもある。しかし、企業の体力だとか、この新しいプラットフォームが広く拡張出来うる発展性を考慮したとは到底想像できやしない。そして、売れ行きも芳しくないこの様なクルマの開発を許した、経営陣の甘さしか見えて来ないのだ。このアイのEVカーも販売されているが、どうやら大企業だとか自治体向けの大口ユーザーだけへの販売を意図している様だ。リチウムイオン電池のコストの問題もあって、低価格化が困難だとか問題もあるのだろうが、当初のプリウスの様に原価割れしても、潜在する購買意欲を引き出す様な戦略が必用なんだろうと思ってしまうのだが、そんなものをこの企業に期待するだけ無駄だろう。これが、スズキの渋ちんじじい(修のこと)なら、同一プラットフォーム車を多車種に展開出来ない限り、絶対開発させないだろう。現に、スズキの軽は、ジムニー以外はほとんど同一のプラットフォームで作っている、超ケチケチクルマばかりなの実態だからだ。

 最期に三菱自動車は日産に吸収された訳だが、なかなかこの企業風土を変えることは難しいだろうし、大成功はあり得ないというのが私見だ。この会社は解散し、三菱重工の一部門として再出発するのが良いのではないかと思っている。ただ、気の毒なのは、ここに関連した販売店や関連サプライヤーの方々だ。「ふそう」は身売りされ、その他ディーラーも、本体が問題を起こす都度、散々大きな業績不振という弊害を押し付けられ、リコール騒ぎで信頼を失って来たのだ。所詮、メーカーと販売店の立場における、サプライチェーンの宿命だとはいえ、可哀想なものだ。

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1 コメント

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Unknown (通りすがり)
2023-02-07 15:21:58
三菱自動車の営業マン、平気で嘘を吐きますからね、新型デリカミニの走破性がトヨタのランドクルーザー並みってのたまわれた時に呆れちゃいました。

普通のデリカD:5が走破性が高いってのが根拠だそうな。

もう退場するべき会社かと。
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