クルマの事故は、人、車、環境の三要因によると云われています。この内、クルマそのものに内在する欠陥に起因するものは、リコール対策などの処置がなされるとはいうものの、その「根源はエンジニア(設計者、整備者など)の良心に掛かっていると思うのです。
このことは、昨年3月に壊滅的破壊を生じて、未だに対処的対策しか行えず明確な安全性など打ち出せないまま(そもそも自己責任を露呈させるためそんなつもりはない)でいる原発でもしかりのことと感じます。
さて、クルマの話しに戻します。今から10年前、2002年1月に横浜市で走行中の三菱ふそうの大型トラクタから脱落したタイヤが、歩行者の母子を直撃して母親が死亡した事故は、その後の三菱社およびふそう社の一連のリコール隠し問題に発展し大きな社会的関心を生み出したものでした。
ここでは、この三菱リコール隠しの端緒となった、大型トラックのタイヤ脱落事故について、何故生じたのかを書き留めてみます。
一般に乗用車でも貨物車でもタイヤ
脱落が生じる事例というのは、タイヤ(ホイール)をハブに止めているハブボルト(ナット)の締め付けが緩く、ボルトの緩みからボルトの折損に至る場合が通常だろうと思います。もしくは、その車軸(前輪であればナックル・スピンドル)に折損を生じた結果が想定されることなのです。ところが、ふそう車のタイヤ脱落では、そのどちらでもなく、ハブのフランジ部に円周上に亀裂を生じ、タイヤ、ハブフランジ、ブレーキドラムという一連部品が脱落してしまうという現象が起きたのでした。
当時、事故後の様々なメディアが伝える記事からは、ハブとホイールの当たり面が摩耗を生じているものがあり、これが事故原因に結び付いたかの様な説明もありました。これには私の様に自動車の構造とか整備に知識を持ったものであるなら、そんな部分に摩耗が生じることは通常考えられないものだがと首を捻りつつ奇異な報道と聞いたものでした。
その後、ふそう社の大型車用のハブにはA~F型までのモデルが次々に改変して作られていたことが判明しますが、このことは同社が同ハブの設計寿命の短さを認識し、フランジ部の肉厚を厚くするなどの改変を行っていたことも伺われることです。しかし、ブレーキドラムとの互換性を取る必要上、フランジ付け根の角(すみ)Rが大きくするなど根本対策は取られることなく、D型ハブでは返って疲労寿命を短くしてしまった様です。
考えて見れば、前輪車軸となるスピンドルは特殊鋼の型鍛造で製作され、表面硬化などの熱処理も施し、高い機械的強度と疲労強度を持っています。そして整備の際にも、亀裂検査など十分な検査が行われるのが当然です。一方、スピンドルにベアリングを介して組み合わされるハブは、鋳造製であり宿命的に内部に気泡などの欠陥を内在する可能性も高く、素材の粘り強さも特殊鋼には到底及ばない強度しか見込めないものです。また、整備の際にも、特別摩耗を生じる部品との意識はなく、余程の大きな亀裂でもない限り、見落としてしまうものであろうと思います。
車両メーカーでは、鋳鉄製ハブの強度を十分低いものとして見積もり、素材の肉厚を十分取るなどの設計によって、車齢を十分まっとうする疲労強度を持たせたとしていますが、再検証によれば、最終のF型ハブでも一部車種では100万キロを遙かに下回る疲労強度しかなかったというのが現実だった様です。このことは、担当設計者および責任者などエンジニアが、小手先の改変により、如何に会社の損失を小さくさせたかったかということを示すことであり、良心がなかったと思われても仕方がなかろうと思うのです。
なお、大型車のハブ破損問題では、ふそう社だけが問題化した訳ですが、コスト的問題があろうかと思いますが、そもそも論としては、乗用車と異なり負荷の著しく大きな大型貨物車等では、ハブも特殊鋼の型鍛造製とするなどの根本的対処が必用ではなかろうかと感じるのです。
このことは、昨年3月に壊滅的破壊を生じて、未だに対処的対策しか行えず明確な安全性など打ち出せないまま(そもそも自己責任を露呈させるためそんなつもりはない)でいる原発でもしかりのことと感じます。
さて、クルマの話しに戻します。今から10年前、2002年1月に横浜市で走行中の三菱ふそうの大型トラクタから脱落したタイヤが、歩行者の母子を直撃して母親が死亡した事故は、その後の三菱社およびふそう社の一連のリコール隠し問題に発展し大きな社会的関心を生み出したものでした。
ここでは、この三菱リコール隠しの端緒となった、大型トラックのタイヤ脱落事故について、何故生じたのかを書き留めてみます。
一般に乗用車でも貨物車でもタイヤ

当時、事故後の様々なメディアが伝える記事からは、ハブとホイールの当たり面が摩耗を生じているものがあり、これが事故原因に結び付いたかの様な説明もありました。これには私の様に自動車の構造とか整備に知識を持ったものであるなら、そんな部分に摩耗が生じることは通常考えられないものだがと首を捻りつつ奇異な報道と聞いたものでした。
その後、ふそう社の大型車用のハブにはA~F型までのモデルが次々に改変して作られていたことが判明しますが、このことは同社が同ハブの設計寿命の短さを認識し、フランジ部の肉厚を厚くするなどの改変を行っていたことも伺われることです。しかし、ブレーキドラムとの互換性を取る必要上、フランジ付け根の角(すみ)Rが大きくするなど根本対策は取られることなく、D型ハブでは返って疲労寿命を短くしてしまった様です。
考えて見れば、前輪車軸となるスピンドルは特殊鋼の型鍛造で製作され、表面硬化などの熱処理も施し、高い機械的強度と疲労強度を持っています。そして整備の際にも、亀裂検査など十分な検査が行われるのが当然です。一方、スピンドルにベアリングを介して組み合わされるハブは、鋳造製であり宿命的に内部に気泡などの欠陥を内在する可能性も高く、素材の粘り強さも特殊鋼には到底及ばない強度しか見込めないものです。また、整備の際にも、特別摩耗を生じる部品との意識はなく、余程の大きな亀裂でもない限り、見落としてしまうものであろうと思います。
車両メーカーでは、鋳鉄製ハブの強度を十分低いものとして見積もり、素材の肉厚を十分取るなどの設計によって、車齢を十分まっとうする疲労強度を持たせたとしていますが、再検証によれば、最終のF型ハブでも一部車種では100万キロを遙かに下回る疲労強度しかなかったというのが現実だった様です。このことは、担当設計者および責任者などエンジニアが、小手先の改変により、如何に会社の損失を小さくさせたかったかということを示すことであり、良心がなかったと思われても仕方がなかろうと思うのです。
なお、大型車のハブ破損問題では、ふそう社だけが問題化した訳ですが、コスト的問題があろうかと思いますが、そもそも論としては、乗用車と異なり負荷の著しく大きな大型貨物車等では、ハブも特殊鋼の型鍛造製とするなどの根本的対処が必用ではなかろうかと感じるのです。
をしているのでしょうか、彼方の様な素晴らしい能力をアジャスターの為に検討しませんか?