私の思いと技術的覚え書き

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池袋暴走の1年前にも上級国民暴走事故があった

2020-06-24 | 事故と事件
 アクセルとブレーキのペダル踏み間違いによる暴走死傷事故は昨年4月の池袋暴走事故が記憶に新しい。旧通産省・元工業技術院長の飯塚幸三(88)の事故は、死亡事故にも関わらず逮捕もしないのはおかしいと批難の声がうずまいた。

 ところで、この事故の1年ちょと前、2018年2月28日に東京港区白金で、元東京地検特捜部長・現職弁護士である石川達紘(78)が、待ち人を乗せるため停止後、約320m暴走させ、歩道を歩いていた歩行者1名を即死さしめ、金物店に突っ込んだ重大事故が生じていたことを今更知った。

 この事故は、池袋事故と同様に被疑者は逮捕もされずに過ごしており、事故後2年を経た今年2月17日に第1回公判が開かれているという。何たる、上級国民への配慮深さだろうと感心するとことだ。

 この第1回公判の私見だが、弁護側が述べた「石川が何故一次停止でアクセルに足が届かぬまでにシートを移動させたのだろうか?」 一般的にその様な動作をすることは考え難いが、合理的な説明を求める求釈明を行う必用があろう。なお、警察および検察は、車両メ-カーより提出されたEDRの解析データを証拠として提出しているであろう。ここには。アクセル全開で、ブレーキ操作が行われていないという明確な記録があるだろう。しかし、こんな単純なペダルの踏み間違い事故が、逮捕もされず、事故後2年も経てから第1回公判と過剰な捜査期間を要するのだろうか?




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①事故直後の報

78歳元特捜部長の車急発進 歩道の男性が死亡 2018年2月19日 東京新聞
 18日午前7時20分ごろ、東京都港区白金六の都道で、元東京地検特捜部長の石川達紘(たつひろ)弁護士(78)=神奈川県鎌倉市梶原三=の乗用車が急発進して右側の歩道に突っ込み、歩いていた足立区東和四、建築業堀内貴之さん(37)が車と金物店のシャッターの間に挟まれて死亡した。石川弁護士も右足を骨折して入院した。警視庁高輪署は、石川弁護士の回復を待って自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで調べる。

 署によると、事故直前、車は道路脇に停車し、石川弁護士は運転席にいた。待ち合わせていた知人が荷物をトランクに入れようとした際、車が急発進した。

 堀内さんは近くの病院に入院中で、コンビニ店で買い物をして帰る途中だったとみられる。金物店は無人だった。現場は片側一車線の直線道路。

 石川弁護士は1989~91九一年に東京地検特捜部長を務めたほか、同地検次席検事時代にはゼネコン汚職事件を指揮。2000~01年には名古屋高検検事長を務めた。

※金物店に突っ込んだ石川達紘弁護士が運転していた乗用車=18日


②事故の様子を伝える報 週刊ポスト2018年3月9日号

危うい運転をする高齢者とは縁遠いイメージも…弁護士が起こした死亡事故
2018年2月27日 11時0分

ざっくり言うと、東京都港区で18日、現役の弁護士である78歳男性が死亡事故を起こした
いわゆる「危うい運転をする高齢者」とは程遠いイメージに世間も注目
車は事故防止の機能が高いとされる「最先端の安全機能」を搭載していたそうだ

辣腕弁護士も死亡事故 高齢ドライバーと自動運転への教訓
2018年2月27日 11時0分 NEWSポストセブン

 高齢ドライバーによる事故が相次ぐ中、78歳の男性が起こした死亡事故は、“色々な意味”で注目を集めた。単に男性が著名人だったからではない。

 男性は後期高齢者だが、世間では「現役バリバリの辣腕弁護士」として通っており、“危うい運転をする高齢者”とは最も縁遠いイメージの持ち主だった。また、運転していた車は、事故防止の機能が高いとされる「最先端の安全機能」を搭載していた。

“慎重なベテラン運転手”と“最新の技術”の組み合わせでも重大事故を避けられなかったという事実は、今後も懸念が広がる「日本の高齢クルマ社会」に大きな教訓と課題を残した。

◆ブレーキ痕はなかった
 2月18日の朝7時過ぎ、東京・港区白金の閑静な住宅街が騒然となった。弁護士の石川達紘氏(78)の運転する車が歩道に乗り上げ、歩いていた男性を巻き込んで道路脇の金物屋に突っ込んだのである。石川氏はかつて東京地検特捜部長などを歴任した法曹界の重鎮だ。事故が起きた時、店舗兼住居の2階で寝ていたという金物屋の店主が語る。

 「大地震が来たのかと思うくらい、ものすごい衝撃音と振動でした。車が突っ込んだ店内は惨憺たる有り様。店の前のガードパイプと電信柱はグニャリとへし折れていました」

 巻き込まれた37歳の男性は病院に運ばれたが間もなく死亡。運転手の石川氏は右足骨折で入院した。

 「事故のすぐ後、現場でゴルフバッグを持った若い女性と会いました。石川さんとゴルフに行く予定だったそうです」(前出・店主)

 関係者によると、「彼は自分で運転して週に何回かゴルフに行っています。弁護士の業務も通常通りにこなしていましたし、とてもお元気な様子でしたよ」という。高輪警察署の説明はこうだった。

 「石川さんは待ち合わせしていた場所に停車、知人がトランクに荷物を積もうとした時に車が発進し始めた。積むのを手伝おうとしたのか、運転席のドアを開こうとしていたようです。車の走行後距離は約320メートル。防犯カメラなどで検証していますが、スピードは相当出ており、ブレーキ痕はありませんでした」

 直進した車は反対車線を横切り、右側の歩道に乗り上げて店に激突した。

 「急発進の原因については調査中で、はっきりと確定していません。石川氏は入院中で、まだ事情聴取もできていない状況です。石川氏が運転していた車は『レクサス』のLS500hというタイプのものでした」

◆安全装置の“守備範囲”は
 レクサスはトヨタ自動車の高級ブランドであり、その中でも「LS」シリーズは最高級のセダンに位置づけられる。最先端の安全装置も搭載されており、衝突リスクを軽減する「自動ブレーキ」もその一つだ。トヨタ広報部はこう説明する。

 「レクサスLSには『レクサスセーフティシステム』という、自動ブレーキを含む様々な予防安全機能が標準装備されています。2つのグレードがあり、“対車両”の速度低減量は時速約40キロ、約60キロです。また、“対歩行者”の速度低減量は約30キロ、約60キロとなっています」

 元レーシングドライバーで自動車ジャーナリストの****氏が解説する。

 「一般的に自動ブレーキと呼ばれているものは、“停止して衝突を回避する機能”ではなく、“速度を低減して、衝突の被害を抑える機能”です。したがって、低減できるスピードを超えて走行している場合は停止できない。たとえば速度低減量40キロの場合、100キロで走行していたら、検知後に60キロまでは落ちるということです」

 高輪警察署は「石川さんはアクセルとブレーキを踏み間違え、さらにアクセルを踏み込んでしまったようだ」と説明していると報じられており、「100キロ以上のスピードだった」という事故の目撃者証言もある。

 だとすれば、自動ブレーキが作動しても時速40キロ~60キロまでしか減速されず、衝突時に重大事故となることは避けられない。自動ブレーキの作動条件も状況によって変わってくる。

 「詳細を把握していないので今回(石川氏)の事故について言及できませんが、自動ブレーキが作動する条件であっても、ドライバーがアクセルを踏み込んだり、ハンドルを切ったりした場合は、ドライバーの意思が優先されます」(トヨタ広報部)

 一方、安全装置にはペダル踏み間違えを防止する機能もある。ただしこの機能は、「駐車場などでの停車時や低速走行時を想定したもので、車の進行方向に障害物を検知した場合にエンジン回転数を下げるという仕組みです。踏み間違いをした場所が障害物のない道路上であれば作動しません。作動したら、走行中に強制的に急ブレーキをかける状態になり、むしろ危険です」(前出・桃田氏)という。

 つまり、石川氏の状況では、踏み間違いがあったとしても防止できないということになる。各自動車メーカーがCMなどで表示しているように、安全装置はあくまで「補助」でしかないのである。

◆あくまで“安全性を補助”
 「ADAS」(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム)と呼ばれる安全装置も、年々技術が向上しているという。

 「運転には認知・判断・操作などの能力が必要ですが、高齢になるにつれて低下していく。それらの能力をサポートするのがADASです。たとえば、ステアリング補助で、カーブや凍結路面での運転をサポートしたり、ハンドリングが危なくなれば警報が鳴ったりします」(桃田氏)

 ただし、ADASも自動ブレーキと同様、あくまで“安全性を補助”するシステムであり、「最終的に事故を回避できるかどうかはドライバーの運転技術や能力に委ねざるを得ないことに変わりはない」(前出・桃田氏)のが現実だ。

 反対車線から暴走した車がいきなり突っ込んでくる──そんな想像しようもない事態が起き、1人の命が失なわれた。この出来事は、自動車メーカーにも、ドライバーにも、そして高齢化がさらに進む日本社会にも様々な課題を浮き彫りにした。※週刊ポスト2018年3月9日号


③事故後1ヶ月を経た週刊誌報週刊現代」2018年3月10日号より

20代女性と早朝ゴルフで「暴走ひき殺し」超有名弁護士・78歳の転落 この後、彼は一体どうなるのか 週刊現代講談社 2018/3/15
 高齢ドライバーによる重大事故が社会問題となっているなかで、超有名弁護士が加害者となった。自分の体力と頭脳によほど自信があったのだろうが、その慢心が人生の晩節を汚すことになった。

事故直後なのに横柄
 「家族3人で2階の部屋で寝ていたところ、震度7の直下型地震が来たかと思うくらいドーンと下から突き上げられた。すぐに妻と子供の上に覆い被さり、次の揺れに備えました。
 ところが、次の揺れが来ない。『あれ、おかしいな』と思い、裏口から外に出ました。そこから表通りに回ると、1階にある店舗に車が突っ込んでいたんです」
 事故現場となった金物店の店主・佐藤伸弘さんは困惑した表情でそう明かす。2月18日日曜、午前7時すぎ。東京・白金にある北里通り商店街に轟音が響き渡った。

 高級車が暴走し、対向車線の歩道を歩いていた建築業の堀内貴之さん(37歳)をはねて、そのまま通り沿いの店に突っ込んだのだ。全身を強く打った堀内さんは死亡。堀内さんは現場近くの病院に入院中で、買い物に行くために外出していた。

 車を運転していたのは、弁護士の石川達紘氏(78歳)。東京地検特捜部長を務め、かつて「特捜のエース」と呼ばれた法曹界の超大物である。

 前出の店主・佐藤さんが続ける。
 「凄惨な現場でした。被害者の方は内臓が身体の外に出てしまっていた。加害者は額から血を流していましたが、これほどの事故にしては出血が少ないと感じました。高級車だったからなのでしょうか。

 商店街の他の目撃者が彼に声をかけたら、すごく横柄な態度で『早くここ(車内)から出してくれ』と言われたそうです。被害者が亡くなった認識があったのかは不明ですが、その態度はどうかと思いました」

 事故を起こす直前、石川氏が運転する車は交差点近くに停車していた。そこで女性と待ち合わせしていたのだ。

 石川氏が運転席からトランクを開け、女性が荷物を積み込もうとしたところ、車は急発進。300~400mほどの直線を猛スピードで走行したあげく、ハンドルが右に切られてガードレールを乗り越えて歩道に突っ込んだ。

 路上にブレーキ痕はなく、アクセルをずっと踏んだままだったと思われる。前出の佐藤さんはこう明かす。

 「私は加害者と待ち合わせていた女性に話しかけて、事情を聞いたんです。

 すると、『ゴルフに行くために、迎えに来てもらったんです。トランクが開いたのでゴルフバッグを積もうとしたら、いきなり車が発進してしまいました。私は追いかけたのですが、車が家に突っ込んでいて……』と声を詰まらせました。

 女性は髪が長くて、20代半ばのきれいな人でしたね。

 事故の後、加害者と同じ法律事務所の弁護士から電話がありました。『月曜日に保険会社から連絡させます』ということでしたが、私は『保険会社がどうのこうのではなく、人が亡くなっているんだから、まずはあなたが花を手向けに来られないのか』と怒りましたよ」

 佐藤さんの自宅兼店舗は、1階部分が全壊状態で柱も損傷し、2階部分が下に落ちてしまっている状態。いまは住むこともできなくなっている。

 自動ブレーキが前方の歩行者を認知して作動して物理的に止まれる速度はおよそ50km/hまでです。今回の事故ではそれ以上の速度が出ていたのでしょう。そのため安全装備は機能しなかったと思われます」(自動車評論家・国沢光宏氏)

 特捜部長から大物ヤメ検弁護士へ。怖いものなどなかったはずの石川氏は、キャリアのすべてを一瞬で失った。「週刊現代」2018年3月10日号より
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