OL主婦の小さな幸せ。

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本郷散歩~歴史ある純和風旅館~

2013年06月21日 | 本郷散歩(東京・文京区)

東大本郷キャンパスの敷地に江戸時代、加賀前田藩の上屋敷があったことは有名ですが
(水戸藩や他の藩も)本郷5・6丁目界隈も、広大な武家屋敷だったそうです。
それが明治の終わり頃からは下宿屋や旅館に変わり、本郷は旅館街となりました。
最盛期の昭和初期には120軒を超えたそうです。
昭和35年頃も、本郷界隈には約60軒もの旅館があり、町は修学旅行や東京見物の宿泊客で賑わっていたとか。

私が住んでいた頃も、まだ本郷通りには観光バスがよく停まっていました。
姉の結婚式の際には、父や母が親戚のために近所の旅館を予約したりも。

今回ぶらりするまで忘れていましたが、今思えば私のアルバイト先(カフェテラス)の友達やお客さんも、何人か下宿屋に住んでいたりしました。

時代の移り変わりとともに、下宿屋や旅館は今、ほとんどがマンションや駐車場になっています。

江戸から平成の間に、武家屋敷→下宿屋→旅館→マンションor駐車場、と変遷しているわけですね。


そんな中、下宿屋をルーツとした5軒の日本旅館が、今も営業を続けています。


鳳明館本館です。



正面玄関


鳳明館本館は平成12年に登録有形文化財に指定されています。この指定を受けた建物で営業している宿泊施設は都内では唯一だそう。



こちらは道を挟んで、すぐ隣りにある鳳明館台町別館です。

手前にある離れのような建物はお風呂だそう。
余談ですが一時期、銭湯通いで毎晩ここを通ってたので
こんなお風呂入れたらいいなぁ~と思ってました^^;

正面玄関です。




鳳明館森川別館です。本館や台町別館とは少し離れた場所にあります。



鳳明館本館は明治30年代に下宿屋として建てられ、昭和初期に下宿屋兼旅館に改築し、昭和20年に全面的に旅館になったと思われる、と何かに書いてありました。



大栄館です。



石川啄木が、同郷の金田一京介に助けられ、一時的に住んだ「蓋平館」の跡地だそうです。


かなり急な「新坂」という坂に沿って建っています。


この坂、一時期毎日チャリで通ってました。キツイですが登り切ると嬉しかったな~
またも余談でした、すみません。


朝陽館本家です。



こちらは本郷一丁目。東京ドームの近くです。
創業は明治37年!下宿屋と兼業だったそうで、戦後旅館になったということです。

医師免許を持つ漫画家の、故手塚治虫先生も仕事で泊まったことがあるそうで(いわゆるカンヅメ)そのお部屋も今は宿泊用として使われているそう。


関東大震災や戦時中の空襲でも生き残ったものの、今では昔の建物を修理できる職人さんがいないのだとか。
歴史ある建物を残す大変さは、経済的な事情と共に技術的な面が大きいのかもしれません。



以上、私が知る限りで今も本郷に残っている下宿屋をルーツとした純和風旅館は、この5軒です。
鳳明館を1軒とするなら3軒・・

本郷以外では、文京区向丘に「更新館」というこちらも風情ある旅館があります。

どれも歴史の記憶を伝える、貴重な建物。

記憶と言えば、
今、本郷にある「〇〇館」というマンションや駐車場は、前身は旅館や下宿屋であったりします。
せめて名前だけでも受け継がれているのが救われます。


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