
昨日、5月下旬に岩手県・小岩井農場に行ったときに土産として買ってきた、レトルトの「チーズカレー」をようやく試してみた。
食べてみるとルウのなかにチーズがしっかり溶け込んでいて、やや甘口ではあったがまろやかさがあって濃厚でもあって、意外に食べやすかった。まあこれはヨーグルトも含まれていたからなんだろうけど。
意外に、というのは、僕の普段の趣味であるカレー店巡りのなかで東京都・神保町の「ボンディ」に代表される欧風カレー専門店に行ったさいに、ご飯の上にあらかじめ15mm×3mmほどの大きさのチーズ片が始めからトッピングされていることがよくあり、これがホントに欧風カレーの基本形態なのだろうか? カレーにチーズはホントに必要なのだろうか? チーズが無理矢理載せられていてチーズが苦手な客にとっては失礼なことではないか? と前々から疑問に思っていて、チーズはふつうに好きだけどカレーと一緒にするのは……、とこのふたつの組み合わせはどうにも腑に落ちなかった。
でも今回のチーズカレーを食べてみて、始めからルウに含まれているけどあらかじめチーズ入りと謳っているとわかればチーズが苦手な人は事前に避けられるので、チーズ嫌いの人にも味の選択肢のひとつとしてはあってもいいのかな、といくらか容認方向に向かうとは思う。
ただ、いろいろな味を提供したいカレー店の数あるトッピングのなかで好き嫌いがはっきり分かれそうなチーズだが(科学的根拠は不明だが、固形でもスライスでもチーズを食べると食後に頭痛が出やすい、という話も聞いたことがある)、とある媒体での全国のご当地カレーランキングではこのカレーがベスト5入りしていたくらいに一般的には比較的人気があるらしく、それは小岩井農場の売場の宣伝で初めて知った。特に女性の支持が高いらしい。まあこれは小岩井農場という自然味たっぷりの土地のブランド力も影響しているのかもしれない。
一般的にはハンバーガー類やイタリア料理全般によく入っているチーズだが、最近はラーメンやカレーにも別注文のトッピングで入れられるようになっていることがよくあり、これはマヨネーズをご飯でも揚げ物でも肉料理でもなんでもかんでもかける“マヨラー”と同様に極端? な乳製品好きが増えてきた証拠なのかな、とも考える。ここ十数年の話なのかなあ、カレーライスにチーズを載せる・混ぜるなんていう発想は。僕には約7年前に「ボンディ」に初めて行くまでは全然なかったことだけどなあ。
でも、牛乳はともかくチーズをあまり摂りすぎると脂質とともに塩分も過多になりそうなのがちょっと怖い。実際このカレーを食べてからの後味でもチーズの塩気が口のなかにしばらく残っていて、ふつうのカレーよりも塩分濃度高そうだなあ、とは思った。
まあこのカレーはチーズ以外の風味もしっかり整っていて、値段は560円(税抜)とやや高めだがそれなりの良い質ではあるね、と納得の味であった。
最近のレトルトカレーは有名カレー店が開発時から直接関与している事例も多く、意外にバカにできない良い味になっているからなあ。今後もこのレトルトカレーの分野も気を付けないと。いまだにレトルトは「ボンカレー」のような簡単なものばかりで店で食べるものよりも安価なために質も劣る、と決め付けていると痛い目に遭うかもしれない。これまでの僕のカレー店巡りでも数軒あった、レトルトよりも悪質で無駄に高価なカレーに当たるのはもう御免ですし(店名は挙げないが、業務用かどうかもわからないどこぞのレトルトカレーを温めて、ご飯は電子レンジでチンしただけのものを出して800円、というふざけた店もあったなあ)。
レトルトカレーをもっと見直そうっと。
小岩井農場ではもうひとつ、580円(税抜)の「カマンベールチーズカレー」も買ってきたのだが、これはまた後日に登山か小旅で自炊するときに試してみようかと思う。
巷では好評なんですかねえ、カレーにチーズというのは。
まあ思ったよりも悪くはないことがわかったので、今後もっと注目したり、ふつうのカレーにパルメザンチーズをかけたりもして、
より追求していくことにします。