思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

細く長く売れているらしい、服部文祥本

2015-12-05 12:00:00 | 出版・言葉・校正

昨秋からちょいちょい触れている、服部文祥氏の著書の続き。

写真は先月30日(月)の朝日新聞夕刊の広告だが、昨年に仕事でかかわった『サバイバル登山入門』(DECO)は4刷だそうで。今年の上半期に3刷を増刷したのは知っていてそれも買っているが(だから現在、この本は初版、2刷、3刷、の計3冊を所有している……)、4刷も一応買わなければ。
ちなみに、初版に残っていた昨年の僕の仕事だけでは対処しきれなかった細かい変更点や誤字は2刷で修正されているので、2刷以降もその修正後のまま「重版」し続けていると思う。僕は4刷は未確認ですけど。まあ追々。


それから報告が遅れたが、今年6月に出版の『ツンドラ・サバイバル』(みすず書房)のほうにも進展があり、具体的な時期はよくわからないのだが9月あたりに2刷を増刷している。
それでその前の8月に、こちらでも今年の僕の仕事だけではどうしても拾いきれなかった誤字がいくつかあったのは6月に把握していたので、服部氏とのやりとりを経て修正し、それが2刷で反映されている。この本では校正担当として名前が出ているので、いかなる理由であっても誤植があるのは僕の責任なので心苦しいのですが……。

ということを実は、先月に行った札幌市内の書店で2刷の本を実際に触ってようやく確認した。だから、僕はまだ2刷は所有していない……。
というのも、僕がよく行く埼玉県や東京都の書店では初版が多く出回っていてまだ残ってもいるため、それが捌けないと新しい2刷は入荷しない。だから発見が遅れ、むしろ東京近郊や名古屋・大阪のような大都市圏にある大型書店以外の、本の取り扱い量が比較的少なくて発注の回数の多い地方の書店のほうへ最新の本がまわりやすいという現象がある。(出版業界の専門的な話になるが)これは取次の倉庫に元々あった初版と、後にやってきた2刷とどちらの本を先出ししているのか、版元と倉庫の在庫管理のさじ加減にもよる(←僕はこのような出版流通の陰? の仕事の経験者でもあるので……)。

ただ、2冊ともに誤字などを修正したといっても、いずれも本文の内容の訂正・改正にかかわるような致命的なものではない、僕と同業者にはすぐにわかりそうでも読者はほとんど気付かないであろう、本づくりにかかわった者のみ納得いかないから直せるのならば直したいというとても細かい事柄で、内容自体は何も変わっていないけれども……。引き続き、内容は良いので強力にお薦めします。

そういえば、服部氏が連載とともに最近の特集にも頻出の雑誌『Fielder』の、10月発売のvol.24に特別付録のDVDが付いているのだが、再生時間は約50分と案外長めの充実した内容で、しかも『ツンドラ・サバイバル』で取り上げた山域の一部を巡っているので関連性もあり、『サバイバル登山入門』とともにこの2冊の読書の参考に併せて観る、なんなら活字と映像を同時に消化するとなお良いと思う。僕はこの号は「保存用」と「布教用」に計3冊も買ってしまった。

ここ数年は服部氏がレギュラー状態のモンベル「冒険塾」は、今年(先月28日(土)の開催)は行かなかったが、ここでも本の手売りでは昨年以上に売れたのかなあ。

もうひとつそういえば、10月下旬に江戸川区内の図書館で催された、みすず書房社長の持谷寿夫(もちたに・ひさお)氏の講演会を聴いたのだが、そのなかでみすず書房としては細く長く売り続ける「ロングセラー」の本を出版することに注力しており、おおまかな目安として2万部ほど売れていると嬉しい、というか「作家」として認知されてもよいのではないか、という趣旨の話もあった。服部氏の場合はこの版元からの1作目『サバイバル登山家』が小刻みな増刷を重ねて2万部以上は売れているようなので、その該当者でつまり「作家」なのだろう。

まあとにかく引き続き、(僕が宣伝しようがしまいが実入りは何もないけど)2冊ともに良い本なので、よろしくお願いします。


※15年12月31日(木)の追記
先週末に、都内の書店で『ツンドラ・サバイバル』の2刷を見つけたので買い、所有はようやく初版と2刷の2冊になった。今後の売れ行きはまったく読めない。雑誌など各種媒体の狩猟特集のようなもので取り上げてくれない限りは、動かないかも……。


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