昨年11月からしつこく触れている服部文祥氏の近著『サバイバル登山入門』は定価がお高いわりには売れているようなので、今月上旬に増刷した。それでこの2刷が、流通しやすい東京都心の書店以外の全国の書店にも、追加注文等でそろそろ全国的に出回っている頃だと思う。
この本の書評や服部氏自ら登場している取材・宣伝的な記事はこれまでに10誌ほど確認したが(登山専門誌では、『山と溪谷』『ワンダーフォーゲル』『PEAKS』『ランドネ』とほぼ網羅している)、ようやく今月になって服部氏の本拠地である『岳人』の15年4月号でも取り上げた。しかも、俳優の瑛太が最近のサバイバル登山(鹿撃ち)に同行した、という体で。
瑛太は『岳人』には12年6月号以来だから2年8か月ぶりの登場だが、宣伝としては当然ながら効果絶大の有名芸能人絡みのこの目玉企画的な記事を出したいがために、本の紹介をここまで密かに引っ張ってきたのね。まあ本を出版するときの、その帯に著者本人よりも世間一般的に有名な人物の感想などを添えた(要は有名人の言葉を借りて説得力を付け加えた)宣伝文句のような「権威付け」としては、(人間関係も)利用できるところは最大限利用しようという意味では至極真っ当な手法ではある。
また、昨年末にも触れた『Fielder』で、先月発売のvol.20にも服部氏が登場していて、となると2号連続か。この「道なき道を行く」という、地形図・コンパスやロープも積極的に駆使して行動するような山岳専門誌とはひと味違う野性的で突っ込んだ内容の特集も興味深かったもので。
ちなみにこの号から、服部氏は自宅で飼育中の鶏に関する新連載「ニワトリのいる暮らし」も始めていて、その挿絵を美大卒の奥様が描いている。つまり夫婦合作のような体の見開き記事になっている。どのくらい続くのかはわからないが、この雑誌としては昨秋から完全に服部氏に心酔したということなのかねえ。
それで、2刷は僕も先週に都内で行きつけの、それに売れ行きも比較的良いらしいジュンク堂書店池袋本店とブックファースト新宿店で確認したが、実は初版から修正している箇所がいくつかあり、結果的には改善されている。
とはいえ初版から全体的な内容に変更はなく、しかし著者の服部氏はじめ制作にかかわった者としては初版のままでは微妙(というか心残り)で増刷の機会に修正できるものならしておきたい、という細部の問題点があるにはあり、僕が昨秋の発売後に指摘した部分も含めて直してある。よって、本の完成度は2刷のほうがやや高い状態だが、まあ「やや」なので大差はなく、瑛太も狩猟免許取得を検討し始めたくらい読み込んでいるという初版でも内容的には問題なし。
書評等はそろそろ落ち着いたので、今後の販促はどうしたものかねえ。そういえば、地域を問わず図書館に入ったという話はほとんど聞かないが(先日、野暮用でたまに行く東京都立中央図書館にあることは確認したが、それ以外では……)、この本の最大の特長である狩猟に関する写真の数々が引っかかるのかねえ……。
今後もこの本に関する何か大きな動きがあればかかわった責任上、随時触れてゆくつもり。
2刷は「確認」しただけでまだ買っていないので、来月後半に振り込まれるはずの(先頃やや苦戦した)確定申告の還付金で買うつもり。最終的にはこの本を少なくとも3、4冊は所有することになるかもしれない……。
※15年3月下旬の追記
そういえば、『岳人』15年4月号は14年9月号のリニューアルから8冊目となって今年から新連載も増えてそろそろ安定してきた感が(ただ、誤植は相変わらず毎号漏れなく目立つけれども……)。それで昨年中は毎月買っていたが、今年からは毎月買うのはやめて特集やほかの記事の興味関心の有無を吟味して買うか否かを決めてゆく一昨年までと同様の形態に戻した。4月号の場合は、瑛太絡みのネタが面白いので買いですけど。
もうひとつそういえば、1か月以上先のことだが新規案件として、5月15日(金)に神保町の書泉グランデでトークショーが催されるそうで。つまり、なにがなんでもここで50冊を売り捌きたいということで……。売れるかな。僕ももう1冊をここで買うか否か、ここで申し込みの枠を(服部氏の話はしょっちゅう聴いている)僕が1枠取ってしまうことの良し悪しも含めてしばらく検討する。
追記の追記。上の5月15日の件だが、この催しの「参加方法」は『サバイバル登山入門』の購入のみかと思いきや、誤解を招きそうな書き方なので28日(土)に店頭で直接確認すると、購入はこれ以外の服部氏の著作でも可とのことで(つまり、安価の新書・文庫でも……)。ただやはり店としては、『サバイバル登山入門』刊行記念の催しなのでこれを買うのが望ましい、とのこと。そりゃそうだ。
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