キダチアロエは「木立アロエ」と書く。
茎が伸びて、木のようになるからこの名になったらしい。
子どもの頃、育った場所は海辺の暖かい地方だった。
どこの家にもキダチアロエが植えてあった。
キダチアロエというよりも「医者いらず」と呼んで、怪我や火傷をしたときに葉の中のゼリー状のものを塗ってもらった覚えがある。
昔からの民間療法だった。
だから重宝がられて庭先に植えられていたのだと思う。
そして冬になるとオレンジ色の花が咲いているのが当たり前の風景だった。
ところが寒い地方に引っ越して来た時に持ってきたアロエの鉢は、冬になっても花は咲かず、枯れて葉が溶けてしまった。
霜にやられたようだった。
やはり暖かい地方限定の花なのだと思った。