白くて清楚な「ギンバイカ(銀梅花)」が咲いていました。
この花、とっても好きなんです。
梅雨時は似たような黄色い花のビヨウヤナギやキンシバイをあちこちで見かけるのですが、あまりにも多すぎるのでちょっと飽きていました。
そんなときに同じような花で白いギンバイカを見つけたのです。
この花の白くて目立たなく、ひっそりと咲いているといった風情が好きなのです。
ギンバイカはハーブとしても利用されているので近づいてみると、何となく香りが漂ってきたような気もしました。
ちょっとユーカリのような香りに思えたけれど・・・
葉が斑入りだったので、これは「ギンバイカ・バリエガタ」という、葉に乳白色の覆輪がある品種です。
ギンバイカの葉や実には芳香があるので、ヨーロッパでは古くからハーブとして利用されています。
ハーブとしてのギンバイカは「マートル」という名前になっています。
葉に油腺があるので、葉を叩いたり揉んだりすると香りが出てきます。
秋になると黒い果実ができるのですが、この実も食べることができます。
--- ヴィクトリア女王のウエディングドレスとギンバイカの話 ---
ヨーロッパでは古くからギンバイカは繁栄を象徴する花、そして愛のシンボルとして親しまれてきました。
そのようにとっても縁起の良い花だったのです。
1840年、イギリスのヴィクトリア女王はウェディングブーケに純白の花のギンバイカを使用し、それと同時に「純潔」を表現するために、白いドレスを着用しました。
それ以前の花嫁たちはさまざまな色合いのウエディングドレスを着用していたのでした。
だからウェディングドレスとして白い色を選ぶのは珍しいことだったのです。
そしてヴィクトリア女王の白いドレスのことが瞬く間に噂となってヨーロッパ中に広がりました。
同時にギンバイカのブーケのことも。
それ以降、現在に至るまで花嫁のドレスは純白になり、ブライダルブーケのギンバイカも定番になったそうです。
学名:Myrtus communis
英名:Myrtle
別名:ギンコウバイ(銀香梅)、マートル、ミルタス
科名・属名:フトモモ科 ギンバイカ属
原産地:地中海沿岸