「アメリカオニアザミ(亜米利加鬼薊)」、名前からしてすごいですね。
でも、名前だけでなく実際にすごいのです。
何がすごいって? それは『トゲ』と『繁殖力』です。
「アメリカオニアザミ」はアザミの一種ですが、外来種です。
日本には存在していなかったのですが、アメリカから輸入した牧草や雑穀の種子と一緒に入ってきたらしく、この名前になりました。
でも、実際にはアメリカ原産ではなく、ヨーロッパの植物だったようなのです。
だから別名では「セイヨウオニアザミ」とも言われています。
繁殖力がものすごく高いようで、あちこちで見かけます。
見かけどおりに生命力も強いのか、アスファルトの隙間などからも出ているのを見たこともあります。
在来種の代表的なアザミ2種類
世界中には300種以上のアザミがあり、日本にも150種類ほどがあるらしく、その大部分が①ノアザミとその改良種、②ノハラアザミのようです。
① ノアザミ
数多いアザミの中で春から初夏に咲く品種です。
その他のものは夏~秋に咲きます。
ノアザミの特徴は総苞がほとんど平らになっていることです。
(総苞=花の基部を包んでいるうろこ状の苞の集まり)
ノアザミの改良品種は『ハナアザミ』と呼ばれ、別名が『ドイツアザミ』です。
花色は紅紫が中心ですが、改良品種には白やピンクなどもあります。
[ハナアザミ(ドイツアザミ)]
② ノハラアザミ
夏から秋にかけて咲いていたらノハラアザミです。
花が紅紫色で、2~3個集まり上向きに咲き、総苞片が斜め上向きになっているのが特徴です。
[ノハラアザミ]
在来種のアザミと「アメリカオニアザミ」を比べてみました。
アメリカオニアザミの花期は7月~10月、濃いめのピンクの花が咲きます。
鋭いトゲが異常なほど多く、花の総苞、葉の先までトゲになっています。
花が終わるとタンポポのような綿毛ができて、風で飛散します。
学名:Cirsium vulgare
英名:Bull thistle、Spear thistle
別名:セイヨウオニアザミ
科名・属名:キク科 アザミ属
原産地:ヨーロッパ
アメリカオニアザミと検索すると、たくさんの自治体のページに行き着きます。
すべての自治体が『アメリカオニアザミは総合対策外来種に指定されいるので駆除にご協力ください。』というものでした。
それほど嫌われているようです。
アメリカオニアザミ側にしてみたら、その鋭いトゲで戦っているつもりなのでしょうね。