林の中のちょっと薄暗くなったところに「トキワツユクサ(常盤露草)」の群落を見つけました。
姿が「ツユクサ」ににて常緑だから「トキワツユクサ(常盤露草)」という名前になったようです。
でも、よく見ると花は全く違っていました。
「トキワツユクサ」は白い花びらが3枚、全体に三角形のようになっています。
その中央には白い花糸がたくさんあり、先端が黄色い葯のついた6本の雄しべと1本の雌しべがあります。
花だけ見ると『ムラサキツユクサの白花』と似ていて、葉は『ツユクサ』に似ているのです。
きっと、両方を合わせたのでしょうね。
トキワツユクサは観賞用に持ち込まれたものが野生化したらしく、現在では外来種として駆除の対象となっているようなのです。
他の外来種と同じように、あまりにも繁殖力が強くて、在来種を脅かしてしまって生態系が変わってしまうから、駆除しなければならないようです。
トキワツユクサを大きく分けると3種類に分かれます。
最初に頭に入れておかなくてはならないのが、トキワツユクサの別名が『ノハカタカラクサ(野博多唐草)』ということです。
これは、博多唐草に似ていて野生の花という意味のようです。
そこで3種類の特徴を比べてみました。
① ノハカタカラクサ
この品種が原種に近いもののようです。
特徴は、茎・花柄・葉裏が赤褐色や紫色をしていて、結実します。
[葉柄が紫色]
[葉の裏が紫色]
② ミドリハカタカラクサ
斑入りの園芸種『シラフツユクサ』が緑葉に先祖返りしたもののようです。
茎・花柄・葉裏が緑色で、赤紫色にならなく、結実はしません。
葉の長さは5~8cmくらいで葉の縁に微細な毛が見られます。
花弁の形がやや細長く、あまり毛深くないようです。
[茎も花柄も緑色]
③ オオトキワツユクサ
ミドリハカタカラクサ同様に園芸種の斑が消えてしまったもので、他の品種に比べると全体に大きく、葉は長さ10cmほどあります。
また、萼や葉の縁にある毛も目で見えるほどの長さがあり、花の毛がトキワツユクサよりは多く、結実はしません。
(残念ながらまだこの品種の画像はありません)
3つの品種はよく似ていますね。
見比べるには、茎の色が赤褐色や紫ならノハカタカラクサ。
茎が緑ならミドリハカタカラクサ。
全体に大きくて花の毛が多いものがオオトキワツユクサ。
ということになるようです。
学名 :Tradescantia fluminensis
英名:Wandering jew
別名 :ノハカタカラクサ(野博多唐草)
原産地:南アフリカ