岩瀬湯本温泉の「ひのき風呂の宿 分家」に行ってきた。
岩瀬湯本温泉は福島県天栄村にある鄙びた温泉、そこには茅葺き屋根の旅館が2軒あり、そのうちの1軒が「分家」で、旅館とはいうものの、1日4組だけのこじんまりとした宿。
江戸時代から続いているこの宿は、戊辰戦争後に建て直された築150年の「会津曲家」、外観はそのままだが内部は改築して近代的な造りになっている。
外観は風情たっぷりの茅葺屋根の古民家だが、中はきれいにリフォームされていた。
玄関を入った左手の囲炉裏のある談話室。
館内は歴史の長さが感じられる立派な梁や柱がそのまま残っていた。
通された部屋は2階の8畳間だった。
部屋全体が白い壁と黒い梁、昔からの家具で落ち着いた部屋で、引き戸の向こうには洗面所とトイレもついていた。
最近の小さい宿のほとんどがコロナ対策のため、最初から布団は敷いてあるのだけれど、ここも同じだった。
さて、お風呂のこと。
宿名にもなっているように、自慢の風呂は小さいけれど2つあり両方とも「ひのき造り」、洗い場以外の湯船、天井、両脇の壁、すべてが「ひのき」を使っていた。
空いていればいつでも入れるようになっていたのだが、4組だけなのでほとんどの時間が空いていた。
浴室に入ると、かすかにひのきの香りが漂い、源泉かけ流しの湯船からはお湯が溢れ出ていた。
温泉は少しだけトロっとした感じで、透明なのでしょうけれど光の加減なのか少し茶色いような気もした。
泉質は塩化物泉、pH6.9で切り傷ややけどなどに効くらしい。
小さい方の「えんじゅの湯」。
もう一つは同じ造りで湯船が1.5倍くらいあり、全体にもう少し大きいお風呂で「またたびの湯」と名がついていた。
食事のこと。
料理少なめのプランをお願いしたのだが、夕飯も朝食もかなりのボリュームがあった。
里山料理と名付けられていて、山菜、川魚を中心とした地元で採れたものがほとんどで、季節柄キノコ類が多かったかな。
器もとても凝った物を使っていておしゃれ。
[前菜と炭火焼]
[山菜の天ぷら]
最初に出てきた天ぷら、この後にも揚げたてのものを持ってきてくれた。
テーブルには天ぷらの材料と薬効の説明書きが立ててあり、これらの山菜類すべてが天ぷらとして出てきた。
その他には鯉と岩魚のお造り、陶板焼き、煮物などもあって、すべてを食べ切るのに苦労した。
朝ご飯もすべて手作りの料理を出してくれた。
奥様やスタッフさんたちがかしこまった感じがなく、気さく話しかけてくれてくれたのも嬉しかった。
たった1泊、この宿だけのために来たのだが、紅葉も見ることができたし、とても良い時間を過ごすことができた。
今回は新幹線利用で、新白河駅からは「ヤーコン号」という送迎車を利用させてもらった。
「ヤーコン号」は天栄村観光協会が運営しているもので、村にある宿泊施設を回ってくれている。