和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

以外にないのです。

2014-03-03 | 本棚並べ
藤原智美著「文は一行目から書かなくていい」(プレジデント社)。

本棚の整理をしていたら、この本が出てくる。
もう一度読もうと思ってそのままだった本。

何箇所かに、付箋(ふせん)が貼ってある。

そういえば、この本には「付箋」について

「私は資料として使う本は、最初に読んで貼った
付箋の部分だけを二度読みします。
そこで必要ないというもはどんどんはずしていく。
そうすると、重要な部分だけになり、後が使いやすい。
・ ・・・・・
もし付箋の多さで自分を安心させ、中身を理解した
気になっていると手痛い失敗をしそうです。」(p178~179)

うん。うん。
それならばと、この本に残した付箋の箇所を
はずしながら、3つに減らす(笑)。
以下に、残った3つを紹介。

一つ目は、「文章術の王道」という箇所。

「書くということは、心の動きに
引っかかったピースを、すくいあげて
言葉にする行為だといってもいいでしょう。
・ ・・・・
『伝わる』文章を書くことの秘訣を
一つにまとめるとすると、それは
日々の心の動きをないがしろにせず、
自分の内面に目をとめて、
それを言葉として残しておくこと以外にないのです。
まわりくどい方法のようですが、
これが文章術の王道です。
案外、簡単なことではありませんか?」(p185)

二つ目は、
ここかなあ。

「ネット上では文全体を省いて
タイトルだけが流通し、
読む人がそれですべてを判断する
といったことがありがちです。
言葉がデジタル化されたことで、
この種の勘違いは増えている印象があります。
・ ・・・・
文脈を読まない、あるいは読めない人が
増えてきたであろうことも見逃せません。」(p150~151)

最後に付箋を残したのは
というと、

「デジタルな世界では、
むしろ選択肢が広がるほど自由度がなくなっていく。
私はそんな印象を抱いています。
実際は、無意識のうちにランキング頼りになって、
多くの人がいいという無難なものを選らばされている。
・ ・・・・・
ランキングに頼ることは、
自分の物差しを磨くのをおろそかにするということです。
・ ・・・ 
実は書き手としては、みんながランキングに依存しているときこそ、
直観力を発揮するチャンスです。
ほかの人たちが一つの方向を向いているときに、
自分の嗅覚を信じて、『このブーム、何かおかしい』
ということがいえるかどうか。
そこが腕の見せどころといってもいい。」(p144)


うん。付箋が減り、すっきりしました(笑)。
すっきりはしましたが、
こうしてブログに書き写すと、
3つでも、多い印象をあたえるかなあ(笑)。
それはそうと、私には
気になる本なので、また再読する際には、
べつの箇所が浮上することを願って。

うん。そんなに欲張ってはいけないね(笑)。


 本棚に 一期一会を 再読し  和田浦海岸
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六十歳やろな。

2014-03-03 | 本棚並べ
谷沢永一著「モノの道理」(講談社インターナショナル)に

「・・・会田雄次の述懐を思い出したことです。
かつて会田先生と対談をしたとき、余談の戯れに、
もし人生をやり直せるとしたら何歳のころに戻して
欲しいと思いますかと尋ねたことがあります。
すると間髪を入れずに、
『六十歳やろな。あのころがいちばん張りがあったさかいナ』
という答えが返ってきたのです。
六十歳になったとき、私はそれを思い出した。
この機を逃してはならない。・・・」(p226)

うん。
谷沢永一氏の著作を本棚にならべて、
数冊を手にとるのでした(笑)。

谷沢永一著「達人観」(五月書房)に
「リラックスして本と付き合う」という箇所があります。

「いわゆる『積ん読』も結構です。
阪神大震災に遭って書庫を整理する前は、
私の蔵書は12~13万冊はありました。
個人では、おそらく関西一だたでしょう。
しかし、実際に読んだ本は、その中のほんのわずか。
『いつか必要になるだろう』と思った本は、
とりあえず買っておき、
どういう本があるかだけ気に留めておきます。
何かあったとき、いつでも読めるように、
手元にあることが大事なんです。」(p15)

谷沢永一著「執筆論」(東洋経済新報社)には、

「世に愛書家伝説は数多いけれど、
本来は、それが誰によってどのような方向で
有効に利用されたかを論評するべきであろう。
活用されない蒐書は
書画骨董の保持に駆けまわる天狗鼻にすぎない。
坂田三吉は、銀が泣いている、
と活用されない駒の嘆きを痛烈に代弁した。
我が家の書庫でもまた、
今になってもまだ仕事に用いられない
多くの本が泣いている。
他人のことをとやかく言う資格が私にはない。」(p218)


うん。谷沢永一氏の本は、
忘れていた今年の再読目標(笑)。

コメント (2)
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