丸谷才一著「思考のレッスン」を
本棚からとりだしてくる。
ぱらりとひらくと、
「わが鶴岡」という箇所に、
「鶴岡は、江戸から明治にかけて、
全国に誇ることのできる二冊の名著を生んでいます。
一つは、元禄時代に書かれた『徂徠先生答問録』。
これは、鶴岡の侍である水野弥兵衛と疋田族(ひきだやから)
の二人が、荻生徂徠に質問状を出して、
それに徂徠が答えたものをまとめた本です。
漢文じゃないから読みやすいし、
徂徠のものの考え方がとてもよくわかる
素晴らしい本です。
ずいぶんいろんな質問をしているんだけど、
それが実にいいんだなあ。
たとえば、『私は母がお墓参りするのを禁じました』
なんてことを誇らしげに書いてるんです。
すると徂徠先生は、
『そういうことをするのは無用である。
お墓参りはさせるほうがいい。
仏教なんてものは力のないくだらないものだから、
何をしようと害にはならない。
孔子も、人間は何もしないでいるよりは、
博打であろうと何かするほうがいいと言っている』(笑)
と小気味のいいことを答えるんですね。
薄い本ですが、徂徠のエッセンスがつまっている。
読んでいて、荻生徂徠その人と直接会って
話を聞くような、気持ちのいい本です。」(p30)
う~ん。
この箇所が気になってたのに、
結局、この薄い本を、まだ読んでなかったなあ(笑)。
「思考のレッスン」には、さらに
「コツの一つは書評を読むことですね。
そうすれば、かなり本選びのカンがわかります。
と言ったって、普通は書評の読みっぱなしでいいんですよ。
『ちょっとおもしろそうだ』ぐらいでみんな読もうとしたら、
とても身が持たないもの(笑)。
うんと感心した書評があったら、読んでみる。
そして、もう一つ大事なのは、
その書評を書いた人の本を読んでみることです。
この二つをやるととても具合がいい。
別の言い方をすれば、
ひいき筋の書評家を持つことですね。」(p120)
う~ん。
丸谷才一氏は、
私にとって、ひいき筋の書評家とはいえないなあ(笑)。
それでも「思考のレッスン」は、
楽しかったのだよね。
本棚からとりだしてくる。
ぱらりとひらくと、
「わが鶴岡」という箇所に、
「鶴岡は、江戸から明治にかけて、
全国に誇ることのできる二冊の名著を生んでいます。
一つは、元禄時代に書かれた『徂徠先生答問録』。
これは、鶴岡の侍である水野弥兵衛と疋田族(ひきだやから)
の二人が、荻生徂徠に質問状を出して、
それに徂徠が答えたものをまとめた本です。
漢文じゃないから読みやすいし、
徂徠のものの考え方がとてもよくわかる
素晴らしい本です。
ずいぶんいろんな質問をしているんだけど、
それが実にいいんだなあ。
たとえば、『私は母がお墓参りするのを禁じました』
なんてことを誇らしげに書いてるんです。
すると徂徠先生は、
『そういうことをするのは無用である。
お墓参りはさせるほうがいい。
仏教なんてものは力のないくだらないものだから、
何をしようと害にはならない。
孔子も、人間は何もしないでいるよりは、
博打であろうと何かするほうがいいと言っている』(笑)
と小気味のいいことを答えるんですね。
薄い本ですが、徂徠のエッセンスがつまっている。
読んでいて、荻生徂徠その人と直接会って
話を聞くような、気持ちのいい本です。」(p30)
う~ん。
この箇所が気になってたのに、
結局、この薄い本を、まだ読んでなかったなあ(笑)。
「思考のレッスン」には、さらに
「コツの一つは書評を読むことですね。
そうすれば、かなり本選びのカンがわかります。
と言ったって、普通は書評の読みっぱなしでいいんですよ。
『ちょっとおもしろそうだ』ぐらいでみんな読もうとしたら、
とても身が持たないもの(笑)。
うんと感心した書評があったら、読んでみる。
そして、もう一つ大事なのは、
その書評を書いた人の本を読んでみることです。
この二つをやるととても具合がいい。
別の言い方をすれば、
ひいき筋の書評家を持つことですね。」(p120)
う~ん。
丸谷才一氏は、
私にとって、ひいき筋の書評家とはいえないなあ(笑)。
それでも「思考のレッスン」は、
楽しかったのだよね。