和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「声」欄について。

2014-03-11 | 朝日新聞
本棚整理をしていたら、
どうしても、向井敏著「傑作の条件」が出てこない。
この機会に、古本を購入する事に、
その古本が今日届く。

葦書房(福岡市中央区六本松)
400円+送料340円=740円
帯こそないけど、新品同様(笑)。

さっそくパラパラひらくと、

「常識を語る勇気」(p116~119)が目にとまる。
竹山道雄氏について書かれたもの。
そこでは、
「毎日新聞」土曜夕刊の文化欄「変化球」という匿名コラムの
昭和60年7月13日夕刊の「ビルマの竪琴論争」をとりあげて

今日に続く、朝日新聞の声欄のカラクリを
昭和43年の出来事から、掘り起こしております。
うん。朝日新聞の「声」欄の系譜をたどる
最適の例となっております。

ということで、
「声」欄の系譜をたどる三冊。
として、
平川祐弘著「竹山道雄と昭和の時代」(藤原書店)の
p321~324

徳岡孝夫著「『戦争屋』の見た平和日本」(文藝春秋)の
「『ビルマの竪琴』と朝日新聞の戦争観」
p313~325

そして、向井敏著「傑作の条件」(文藝春秋)の
「常識を語る勇気」p116~119


うん。朝日新聞の「声」欄は、
まず、ここらからたどると、個人でも、
焦点が定まり、腰がすわります。

さてっと、
向井敏氏は、この文の最後に、
竹山道雄を語っておりました。

「逸文とはいえ、この「『声』欄について」の文章にうかがえるように、
見かけこそおだやかだが性根のすわったこの人のものの見方をよく伝える力作が多く、戦後日本の論壇を蔽った左翼イデオロギーの猛威のなかで、イデオロギーによる問答無用の裁断の非を鳴らし、人間の常識の回復をねばりづよく説きつづけた一人の人物の毅然たる像が読後に歴々と浮びあがってくる。」

うん。その前の箇所も引用しておきます。

「エッセイ集『失われた青春』、童話風の小説『ビルマの竪琴』、長篇評論『昭和の精神史』などよく知られたものをはじめ、竹山道雄の主な作品は先年『竹山道雄著作集』(全八巻。昭和58年、福武書店)に集成されたが、この『著作集』から洩れたエッセイや単行本未収録のコラムなどがまだかなりあって、講談社学術文庫でそれらの逸文のシリーズ化が試みられ、すでに『歴史的意識について』、『主役としての近代』、『尼僧の手紙』が刊行されている。そういえば、「『声』欄について」も、『国民協会新聞』昭和43年6月1日に寄稿されたきり、今までほとんど人に知られずにきたエッセイである。」
コメント
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