わだつみの華

あなたの心という大海原を
心地よい風が渡っていきますように

(記事はリンクフリー)

短 信(二十八)

2011-09-16 08:12:02 | 癒し
 御手紙拝見致しました。祈りの同志にとって、
祈りの他に、大切なことがあれば教えて欲しい
という内容の御手紙かと思います。
 世界平和の祈りをする、その次に大事な
ことは、聴くということであります。
 祈りと、聴くことは、実は一体でありまして、
どちらが第一、第二と、順番をつけられるもの
ではありません。
 聴くということは、どういうことか
というと、まごころを込めて相手のなかに
入る、その気持ち、その心、そして、
その人を生かしめている本心の光と一体
となるということであります。単に、相手の
話している言葉を聞くのではありません。
 たとえば、私が「あ」といえば、みなさん、
五井先生が「あ」といったということは
わかります。けれども、私がどういう気持ちで、
あるいは、どういう言葉を次につなげて、
何を話そうとしているかを知ろうとおもえば、
自然、心を集中して、私の出した言葉の
ひびきをききとろうとなさるでしょう。
 聴くということは、この言葉のひびきを
感じとることなのであります。
 出された言葉の奥にある、その人自身の心の
ひびきをたずねることなのであります。
 そうして、その心のひびきと、きき手である
あなた自身の心のひびきとが、同化し、一体
となる、つまりは、あなたのいのちと、
その人のいのちとが抱き合うということに
他ならないのであります。
 すべての祈り、ことに、私どもの世界平和の
祈りは、神様が、私ども一人一人の祈りを
とおして、個々のひびきを感じ取って下さり、
無限の愛の光を流し込んで下さる……
そしてまた、光のシャワーを神様の愛によって
そそがれた私達が、私達自身のなかにみちている
神様の光を放射して、いわば、光と光が
交流し合う、愛と愛、やさしさとやさしさとが
交流し合うのが、世界平和の祈りであり、
統一であるのであります。
 いいかえますと、この祈りをとおして、
神様は、つねに私どもの声を心を聴いて
下さっているということが、ここでいえます。
私どもは、つねに、神様の愛に抱かれ、
心に抱かれ、聴いていただける幸せのなかに
生きているのであります。
 そこで、私どももまた、心を込めて、聴く
ということが大事なのであります。相手の表情、
表面的な言葉にとらわれず、相手をそのままに
抱くということが大切になって参ります。
 祈りというものは、自己をそのままに
投げ出し、光となって、神の心を聴くという
ことであります。この祈りによって、
聴くことのよろこびを、十分に知らされている
私どもの心は、さらに寛やかになるために、
(相手を抱くために)やさしさと、素直さとを、
自分自身にたくわえてゆくことが是非とも必要
となってくるのであります。
 神は無限の愛だと申し上げました。その無限の
愛を成り立たせているものは、神のみこころの
朗らかさと私どもに対する無限のやさしさ
であります。
 新約聖書のなかに伝道者パウロのかきました
いくつかの手紙が入っておりますが、そのなかの
一つ「コリント人への第一の手紙」第十三章は、
一般に愛の章とよばれております。つづめて
申しますと、もし愛がなければ、どんな言葉も
行為も、無に等しいということを、彼はここで
述べているのであります。
 この愛とは、やさしさであり、朗らかさ
でありましょう。
 先程、私が述べました素直さへと、これは
まっすぐにつながってゆくものであります。
 いかに社会的な地位があり、また、富があり、
名声があったと致しましても、神を求める心に
おいて、謙虚さを失った時、その人の光は
にぶるのであります。
 そうして、神を求める心とは、教義に述べた
自分を赦し人を赦し、自分を愛し人を愛す、
ということにほかならないのであります。
 神は特別な世界、存在ではない。神様を
はなれて、私どものいのちの活きづきは
ゆるされないのであります。この神様は、
かつて、一度も、私どもを離れられたことが
ないのであります。
 ですから、自分に人に、そうして神に素直
ということは、すなわち、人を容れる心、
聴く心と一つであるということがいえる
のであります。
 どうぞやさしい心、素直な心を持って、
自分自身をやわらげ、またつよくし、
そのやさしさと素直さをもって心から
色々の人の話を聴いて下さいますように。
 神様はどこまでもやさしい方でありますから、
あなたも、生き得るかぎりやさしく、言葉に
光をながすように、言葉を粗末に出さず、
言葉の奥にあるひびきをたずねて下さるように
と祈るものであります。
 どうぞ、どこまでもやさしくあって下さい。
 世界人類が平和でありますように

                合 掌
                  昌 久