花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

あのひのこと

2019年08月14日 09時04分00秒 | 日記


みかんが少し大きくなっています
でも今年は花数も少なくて蜂さんもやって来ませんでしたので収穫は期待出来そうもなくて




八つ手花笠むくげが暑さの夏中次々と咲きます
色も落ち着いていてこの時季仏壇にもお供えします
大型台風10号襲来が予報されています
生暖かな風が吹いているのです
被害がありませんように




こんな焦げ付くような暑さのなかで
74年前あの日ひろしまで被爆した母のことをよく思い出すのです
母はあの混乱の中で罹災証明書を受け取り
父の実家には遠くて到底行けないと判断したのでしょう
父の妹の嫁ぎ先に挨拶に行き三日後の8月9日に
私達の疎開先である母の実家に帰ってきたのです
それにしても一面焼け野原の広島での罹災証明書の発行なんて
お役所のお仕事も命がけだったと思います
そんな役所の方も被爆による健康障害に遭われたことでしょう

その前に母は神様のような人に遭遇して愛を恵まれたのです
原爆で一瞬にして押しつぶされた家から這い出した母は
あちこちで燃えさかる火の海となった街を逃げ惑い
その上途中で黒い雨が降ったらしく
全身にコールタールのようなものを被り
当にこの世の人とは思えない形相である一軒の見知らぬ家を訪ねたのです
そんな母を家の中に招き入れて風呂を沸かし着替えを提供して食事をもてなして
その上言われたそうです
「いかほどあれば目的の場所に行けますか多くても失礼にあたります」
この世に神様がおられるとしたらこんな人の事をいうでしょう
大変なことが起こったとその方は判断されたでしょうが
それが原爆だとは未だ知る由もない時間帯の筈です

あのひのことを想うとき
母が受けた大きな愛 そしてご親切に対して
私はご恩返しができる生涯を送らなければならないと
自分に言い聞かせるのです