花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

やさしく言っては駄目

2017年05月19日 11時00分01秒 | 母を想う
母はもう30年前に亡くなりましたが亡くなる少し前から入浴をだんだん
渋るようになっていました
そして私が入浴を促すと
「そんなやさしく言っては駄目」
入らなくてもいいのかという気分になるから「お風呂に入んなさい」と
厳しく言って欲しいと要望するのです
そんなことを繰り返しても矢張りサッとは入浴できないのです
私が「最後に入浴する人は拭いて出るんですよ」と言うと
母は言ったのです
「拭くくらい拭いて出ます」
私は「自分の身体を拭くことではなくて風炉の壁を拭くんですよ」と言うと
母は「そんな事はしません」

でも私は時にそっと母の後から入って背中を流してあげると母はまるで別人の
ように元気になって時間も長く遊び心地になっていました
今頃はそんなこと懐かしく思い出しながらそしてもっと親孝行出来ることが他にも
いろいろあったであろうにと悔やまれるのです
爽やかな五月の風は昔を優しく包んでくれるようです



白山吹の花最後の一輪でしょうか
もう実がたくさんついていますのに