花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

はきもの

2015年02月10日 08時46分16秒 | 母を想う


草履の話で失礼いたします
ピーズで埋め尽くした一寸おしゃれで静かな母の草履です
母は綺麗な付け下げの着物を着た時などにこの草履を楽しんで履いていました

これを求めた履物店には名物じい様がいつも店先に座っておられて
お客さん個々の足にあわせてはなをを締めておられました
こころのお商売といった信頼のお店でした
きれいに近代的に改装された老舗履物店にそれはよく調和した風景でした
もうそんな名物じい様のお店もなくなりました

母が亡くなりこころに大きな穴が空き とても寂しくて
私は下駄箱の一番上の段に母が好んで履いた草履を今でもきれいに並べています
それは母が帰って来た時
「どうぞ どうぞ」と気に入った草履を選んで履かせたくて
でも もう25年にもなりますが一度も帰ってきた気配はないのです

「しっかりしなさいよ」と母が云っているようです