僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

ホームレス歌人 公田耕一さん

2009-06-03 01:25:18 | Weblog
去年の暮れから、朝日新聞の短歌投稿欄に「(ホームレス)公田耕一」という名前の投稿が見られるようになりました。
住所欄がホームレスということ、それに送ってくる短歌がどれも優れていることから、すぐに大きな話題になったのです。

「柔らかい時計を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ」

「柔らかい時計」は画家ダリの傑作、ぐにゃぐにゃになって流れ出しそうな時計を感じます。自分の所だけ時間の流れがゆっくりと言いたいのでしょうか。
たぶん、おなかの腹時計をイメージしているのでしょう。

「美しき星空の下眠りゆくグレコの唄を聴くは幻」
これもいい歌ですよね。シャンソン歌手、ジュリエット・グレコの唄にロマンを見出す70代の男性が作っているのでしょうか。


「親不孝通りと言へど親もなく親にもなれずただ立ち尽くす」

「パンのみでいきるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる」

ずいぶんアイロニカルでシニカルな唄が多いようです。洒落が効いているのも卓越していますよね。

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