僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

「明け方」を指す言葉

2011-07-01 16:40:42 | ことば
春はあけぼの。
やうやう白くなりゆく山際少しあかりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる。

(枕草子)


清少納言は、春はあけぼのの時刻が趣があると述べている。

あけぼののように明け方、夜明けを表現する言葉が日本語には割りとある。


暗い順から、暁(あかつき)、東雲(しののめ)、曙(あけぼの)、朝ぼらけと表す。

・・・太陽が昇る前のほの暗い頃

東雲・・・夜が明けようとして東の空が明るくなってきた頃

・・・ほのぼのと夜が明け始める頃

朝ぼらけ・・・夜のほのぼのと明るくなった頃


他に黎明(れいめい)という言葉もある。
これは一般的に夜明け、明け方という意味と、新しいことが始まろうとすることという意味がある。後者はも使用できる。

また、彼誰時(かはたれどき)という言葉もあり、「彼は誰?」と人の顔が判別できない朝方に使うことが出来る。
それに対して、」黄昏時は夕方の薄暗い時刻に使う。



蛇足だが、「光」をつけた暁光(ぎょうこう)と曙光(しょこう)という言葉もある。前者は、明け方の空の色という意味に過ぎないが、後者には①夜明けに東の空にさしてくる太陽の光という意味と②物事の前途に見えはじめた明るいきざし という意味もある。

私は個人的には、東雲と黎明という言葉が好きだ。